「絶対に私のことを見捨てないで」
「大丈夫だよ」
元々、ルイさんはこんな感じじゃなかった。逆に今と真反対で僕の方が彼女に支えられていた。お母さんのように人を包み込むような力がルイさんにはあった。でも、ある事件を境にルイさんの性格は真逆のようになっていった。そして今では…僕に依存をするようになってしまった。
「私はキミがいないと何もできない。だからこれからも絶対に一緒だよ。私にはキミ以外は何もいらない。キミさえずっと近くに居てくれれば私はいいの」
「うん……」
「キミの存在が私の生きる意味なんだ。キミが居なかったら私の生きている意味はなくなる。だからずっと近くに」
「うん、分かったよ。でも、ルイさん」
「なに?」
「ルイさんって最近、僕以外の人と会いましたか?」
「会ってないよ。だって私にはキミだけ居てくれればいいんだから。私の世界にはキミと私の二人だけ十分だから」
「……前まではよく友達と遊ぶとかあったじゃないですか?久し振りに遊んでみたらどうですか?」
ずっと僕とばっかり居たら…ストレスが溜まることもあると思うんだ。だって元々は他人同士だった二人が一緒に暮らしているんだもん。これは当たり前のこと。たまには友達と会ったりして気分転換をするのも良いことのはず。それにずっと僕とばっかり接していると本当にルイさんは……。
「いや…いやだ。キミは私と一緒に居るのに飽きたの?」
「そんなことはないよ。僕はいつでもルイさんのことを考えているし、想っているよ。僕はあくまでルイさんのことを心配しているだけです」
「…私のことに飽きたから追い出そうとしているんだ……」
するとルイさんは頭を抱えて膝から崩れ落ちてしまった。その光景を見て、僕は改めて昔のルイさんの姿はもうないんだと感じさせられた。昔のルイさんであれば……僕の問いに対しても「それじゃあ、遊んで来ようかな」と返ってきたはずだ。
「…見捨てられたら…わ、わたしは…」
まずはルイさんのことを落ち着かせるために抱き寄せた。お互いの心音が聞こえるほど密着している。
「大丈夫です。大丈夫ですから…。僕はいつでもルイさんの側に居るので。心配しないでください。だから今はゆっくり寝ましょう」
このままだとルイさんの精神の方が崩壊してしまうかもしれない。今は精神を落ち着かせるために寝てもらうことが一番だ。
「ぜ、絶対に側に居てくれる…?」
「絶対にいます。絶対に見捨てないので大丈夫ですよ。少しは僕のことを信頼してくださいよ」
「……わかった。じゃあ、ずっと私の手を握ってて。私が寝ても起きるまで」
「はい。分かりましたよ。それでルイさんが安心して眠れるのであれば…」
ルイさんがこうなってしまったのは僕の責任でもありますから。僕と出会ってさえ居なければルイさんはこんな風にならずに済んだかもしれない。もっと別の道があったかもしれない。でも、僕と一緒になってしまったが故にこうなった。
だから僕は最後まで責任を持たなければならない。この命が尽きるまで。
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