玄関の扉が開く音が聞こえて…出迎えるために玄関まで向かうとそこには…星街さんが目をつぶったまんま突っ立っていた。
「すいちゃんは抱きしめてくれるのを待っています」
「はい、分かりましたよ」
そして僕は星街さんのことを抱きしめた。僕が抱きしめるというよりも僕が星街さんに抱きしめられるような感じだ。
「…やっぱりキミの匂いでしかすいちゃんを癒せないものがあるの」
「そんなに僕の匂いってしますか?」
「うん、するよ」
「外に出かける時とかは香水とかをした方がいいかな……」
「絶対にだめ!!この匂いがすいちゃんは好きなの。香水でキミの匂いが邪魔をされるのだけはいやだ!!」
星街さんはこれでもかって言うほどに強く否定をした。普段の星街さんからは想像を出来ないほどに。
「そ、そっか…。じゃあ、香水を付けるのは先延ばしにしようかな…」
「ううん。絶対にしないで!すいちゃんはキミに香水をつけて欲しくない」
「…う、うん。分かりましたよ」
自分では自分の匂いって案外、分からないもの。
そして星街さんは食事を食べて…お風呂に入った。そしてこれから星街さんは配信を行う。そして今は毎度のことで配信部屋の前で注意を受けている。
「それじゃあ…配信をするからこの部屋に入っちゃだめ」
「はい、分かっていますよ」
「それと絶対にすいちゃんの配信が終わるまで待ってないとだめだよ。すいちゃんが配信が終わるよりも前に寝ちゃったら…絶対に起こすからね」
「大丈夫ですよ…」
星街さんは配信をしている。それに関しては別に気にしたことはないんだけど、星街さんはどうやらかなりの人気者らしい。僕はあんまり配信というものを見たりしないから分からないですけど。
「絶対にだよ!」
「はい」
そして僕は星街さんが配信をしている間に…食器の片付けやお風呂の掃除などある程度の家事を済ませてしまう。明日の朝とかに残しておく訳にもいかないので…。片づけが終わるとリビングで一息を付いていた。
「今日は色々と疲れたな…」
そんなことを思いながらもテレビを眺めていると眠気に襲われ始めた。頑張っておきようとしても睡魔の力に押されて…眠りに落ちてしまった。
視界がまだ少し曇っていながらも…腕時計で時間を確認する。
「…はぁ~~…も、もうこんな時間ですか……って…ほ、ほしまちさん!!!!!」
隣に視線を移すとそこには…星街さんがいた。僕のことを至近距離でずっと眺めている。
「やっと起きた!!ねぇ、すいちゃんは言ったよね!!!すいちゃんが配信が終わるまでは絶対に起きててって!」
「あ、はい…ごめんなさい。どれくらい前に配信終わってたんですか?」
「もう2時間以上も前に終わったよ」
「そ、それなら起こしてくれれば良かったのに…」
「だってキミの寝顔があまりにも…可愛かったから。起こすのは悪い気がしてさ」
可愛い?…僕には絶対に縁遠いセリフが聞こえてきた。
「それで起こさないでくれたんですか?」
「うん、だってキミの寝顔を見ているのも楽しいから」
人の寝顔を見るってそんなに楽しいことかなぁ。僕だったら退屈に思ってしまいそうだけど…。
「…そんなもんですか」
「それはそれとして、でも、キミがすいちゃんの配信が終わるまで起きててって言ったのにその約束を破ったよね」
「あ、はい。それに関しては本当にごめんなさい!!」
「だめ~」
「な、なにをしたら許してくれますか?」
「…それはキミが考えて…すいちゃんは何も言わないからさ」
考えだしたら色々と…もうやってみるしかない。僕は星街さんのことを抱きしめることにした。
「星街さんのことが好きです!」
「…もっとすいちゃんへの想いを伝えてくれたら許してもいいかなぁ」
「いつも優しい星街さんのことも好きですよ。たまに嫉妬しちゃうところも可愛いですよ。世界で一番大好きな人です」
「うん~~まんぞく~~」
「そうですか…って…星街さん離してくれませんか?」
いつの間にか、星街さんに抱きしめられていた。僕が放しても星街さんが放してくれないと解放されない。
「もうちょっとこのままがいい…」
「そうですか…」
もう少しじゃなくて…この後、2時間以上もこの状態だった。
続きを書いて欲しい話がある?
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