白上のマネージャーさんはあんまり表情が動かない。どんなことをしていても表情を変えないのでかなり長い付き合いの白上でも笑っているところとか見たことない。最初は緊張とかで表情を動かないのかなぁとか思っていたりしたけど、何年経ってもそれが変わる事はなかった。
そして今に至るまでマネージャーの表情が変化するところを見ていない。やっぱり見れないと見たいと思ってしまう。でも今まで一度も表情を変えてくれない人を変えさせるのはかなり難しい。
そこで白上は一つの案を思い付いた。これがマネージャーさんに効くのかはやってみないと分からない。でも、もしかしたら何か変化を見せてくれるかもしれない。
そして思い付いた案は……ツンデレ。あんまり白上には向いていないかもしれないけど、いつもの白上と何か変えればマネージャーさんも少しは反応してくれるかもしれない。
早速確かめてみることにした。
「キミのことなんか好きじゃないんだからね」
なるべく誇張した感じで白上は言ってみることにした。誇張しないと本当に言っていると思われたら嫌だから。
「そうですか…。それはちょっと悲しいですね」
「……え…」
「僕は白上さんのことは好きですが、白上さんが嫌なら誰か他の人に代えることも出来るのでその時は言ってくださいね」
「え……」
「それでこれからの予定は「ま、まってください!!!!」」
「どうされたのですか?」
「い、いや、白上はマネージャーさんのことが好きですよ!!」
急に立ち上がって告白のようなセリフを言っている自分が恥ずかしい。でも、ここで誤解を与えたままの方が最悪だもん。
「さっきのは…ツンデレと言ってですね…。本心とは真逆のことを言ってしまう性格の人の真似をしてみようとしただけで……」
「そうなんですか…」
「白上は絶対にマネージャーさんが好きなので!!」
こんなに言うとウソみたいに思われるかもしれないけど、白上はマジでマネージャーさんのことが好き。ここまで白上のことを考えてくれる人は初めてだったし。どんな時でも白上に寄り添ってくれた人を好きにならない訳がない。
「…そうですか。ありがとうございます」
「あ、はい」
本当にマネージャーさんは変わらない。少しは恥ずかしがってくれてもいい気がするんだけどな。
それから少し話してマネージャーは控室を出て行ってしまった。
結果的にツンデレの効果は全くなくて、逆に白上がマネージャーさんのことを嫌いと思われるところだった。
帰り支度を整えようとしている時にしていると…あることを思い出した。配信でやりたいゲームがあったんだ。それについて確認してもらいたいことがあったんだった。
マネージャーさんを探そうと事務所を歩き回ったけど全く見当たらないので屋上へ行ってみることにした。まだ帰っていないはずだからここぐらいしかない。そしてどうやらビンゴだったようで屋上からマネージャーさんの声が聞こえて来る。
そこで白上は扉を開けず、扉の前で耳を澄ましてマネージャーさんが何を話しているのか聞いてみることにした。
「あ、はずかしい…本当に白上さんはよくあんなことを言えますね。白上さんは言い慣れているのかもしれないけど、こっちはそんな耐性ないからな」
聞こえて来る声は知っているマネージャーさんの声よりも…トーンが高い気がする。それにいつも堅い言葉を言っているマネージャーさんじゃない。
「本当に…大変ですね。白上さんみたいな可愛い人と一緒に居るのは」
白上の頭はそこでフリーズしてしまった。
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