「ねぇ、私の後輩に手を出したのはだ~れ?」
クラス中には何かピリッとしたものが張りつめた。誰もが口を閉ざして何も話さない。それはここで何か言葉を発しようものなら星街すいせいに目を付けられるのは決まっていることだから。
全ての始まりは星街すいせいが後輩を教室に連れてきて話していた。そろそろ授業が始まるということで後輩が教室から出ようとしたときに…誰かが後輩にぶつかって転ばせてしまった。でも、その時は星街すいせいが目を逸らしていたことやちょっと出口付近が混雑していたこともあって誰が後輩を転ばせてしまったのかが分からない。
そしてもちろん、星街すいせいは自分の大事な後輩を転ばせた奴のことを許さない。それが今の状況。
「ねぇ、ねぇ、早く言ってよ。そうじゃないとすいちゃんの怒りは収まらないんだぁ~」
「あ、あの…星街先輩、僕は大丈夫ですから!」
「ううん、キミが大丈夫でもすいちゃんは大丈夫じゃないの。私の後輩を突き飛ばしておいて謝りもしないような人間がどんな人なのか知りたいの」
星街すいせいの目は…見えるだけも悪寒がしてしまいそうになっちゃうほどの冷たい目をしている。
「ほ、ほんとうに大丈夫ですから安心してください!!」
「だめだよ。キミのことを突き飛ばしたんだもん。だってこの後輩くんのことをすいちゃんが大好きで一番のお気に入りだってことは皆が知っていたはずだよね。それなのに突き飛ばしたってことは後輩くんを怪我させることになるし、それは最終的にすいちゃんに喧嘩を売っているってことだからね」
少しずつ星街すいせいの怒りは頂点に近づいて来ていて、どんどん顔は強張っていく。いつものステージ上で見える、輝いている感じではなくて簡単に表すのなら鬼だ。
「はやくぅ~~別に…すいちゃんは暴力を振るったりしないよ。ただ…そんなことをする人間に興味があるだけ」
この空気の感じだと名乗り出ずらいし、仮に名乗り出たとしても待っているのは地獄。
ずっと沈黙が教室を包んでいるよう。一つの物音でさえも響いてしまうほどにこの教室は静か。
「ねぇ…黙っててもすいちゃんが許さないよ。早くしてくれないとすいちゃんの怒りが頂点に達しちゃうんだけど」
「せ、せんぱい…」
「キミはそんな顔しないんでいいんだよ。悪いのはキミじゃなくて…ぶつかった奴だからさ」
「…本当に大丈夫なので…星街さん」
「だめだよ」
「…僕、星街さんのことを嫌いになっちゃうかも」
「え……」
「星街さんが僕のために怒ってくれているのは嬉しいですけど、僕の所為で星街さんがクラスの人とギスギスするところは見たくないんです」
後輩が少し涙目で言っているのを見た、星街すいせいはさすがに怒り過ぎたと思ったのかもしれないが、クラスメイトに謝罪をした。
「ごめん、さすがにちょっと怒りすぎたかも」
星街すいせいの謝罪にクラスメイトは「別にいいよ」とか「本当にその子のことが大好きなんだね」などの声が聞こえてきた。
「僕はいつもの星街先輩が大好きなので」
後輩はその破壊力に気付いていないかもしれないが、目の前の星街すいせいは完全にノックアウトされたあ。
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