もしも、サソリに嵐のような親友がいたらの話   作:先生たこあし

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今回は技だけクロスオーバーでございます。

どうぞお楽しみください。


追記
2人はアカデミーを卒業し中忍になっている設定なので、8歳以降の話です。
申し訳ありません。書きそびれていました。


オレは生き残ろうと必死だっただけだ!!

このままじゃオレ、マジで死んじまう……

 

羅刹は相手から見えない位置に身を潜めながらそう思った。

何故このような窮地に陥っているのかと言えば、センパイ達が手柄ほしさのあまり突っ走り、見事に敵の罠に引っかかってしまったからだ。羅刹以外の2人は既に死んでいる。

ここもすぐにバレてしまうだろう。見つかってしまえば、子供だからと逃がしてくれる相手ではない。確実に殺されてしまう。羅刹は、どうすれば生き残れるのか必死に頭を回した。

 

どうすればいい?どうすれば生き残れる?

 

考えていると、近くでザシュッ!と音が聞こえた。音のした方を見てみると、岩の忍が倒れていた。その忍の周りの砂は、勢いよく吹き出した血液で真っ赤に染まっている。

傀儡を使って、こんな殺し方をするのはサソリしかいない。サソリが近くにいると分かり、多少冷静になった羅刹だったが、次の瞬間クナイが羅刹の頬すれすれを通過していったのである。

 

もう気づかれたのか?!やっべぇ、まだ何も思いついてねぇ!はい、死んだー!!

 

生を諦めたその時、羅刹の脳細胞が最適解を導き出した。

羅刹が最も得意とする土遁忍術。それで再現可能な技(・・・・・・)があるではないかと。

羅刹は思いついたら即行動する人種である。そのため、加減などは一切考えず全力で手を振り切った。

 

ゴパッ!!

 

この攻撃で相手の忍は真っ二つになり息絶えた。

羅刹は生き残ったのだが、その顔には喜びではなく、絶望の色が浮かんでいる。

それは、茂みから出てきたサソリが原因だった。

 

 

サソリ「……ねぇ、羅刹?お前が今真っ二つにしてくれたボクの傀儡、1番のお気に入りだって知ってるよね?」

 

 

サソリは不自然な程にっこりとした笑顔だが、冷たい殺気を放っているので恐怖しか感じない。

 

 

サソリ「後でボクが新しく作った毒を飲ませてやるから、誰かに殺されないように……いいね?」

 

羅刹「……分かったよ」

 

 

せっかく生き延びたのに、帰ってからも死ぬ危険性があるとは聞いていない。

そう思ったが、ここで反論をすればただですまないのは明白。ここは素直に従うが吉であると、長年の付き合いで分かっている羅刹は渋々了承した。

サソリはそれを鼻で笑ってから、自分の持ち場に戻っていった。

羅刹はそれを見送りながら、これからはサソリを本気で怒らせないようにしようと決意したのだった。

 

 

・・・

 

 

羅刹とサソリは無事に生き残った。後処理を全て終わらせた羅刹は、サソリに強制連行されている。行き先はサソリの家だろう。

羅刹は思った。

 

コイツ、本気だ……!

 

サソリの本気を肌で感じ取った羅刹は、情けなく震えるしか出来ない。

サソリは、そんな羅刹の様子がおかしくてたまらないと言うように、愉しそうな笑みを浮かべながらこう言った。

 

 

サソリ「そんなに身構えなくて大丈夫だよ。激しい激痛と目眩がするだけだから。他にも症状があったら言ってね?これ、まだ試したことない試作品だからさ……ふふ、ボクのお気に入りを壊した罰は、毒の実験体になることで手を打とう」

 

 

ここにゲッソリとして横になっている羅刹と、それを見ていい気味だとケラケラ笑うサソリというカオスが出来上がった。

ちなみに羅刹はこれで1週間動けなくなり、事の顛末を聞いた加瑠羅と夜叉丸に呆れられたのは言うまでもない。

 

 

・・・

 

 

羅刹が動けるようになってから数日後。

羅刹とサソリは和やかに(当社比)世間話をしていた。しかし、サソリの次の発言により状況は一変する。

 

 

サソリ「そう言えば、あれは土遁の応用なの?」

 

羅刹「あれって?」

 

サソリ「とぼけるな。ボクの傀儡を真っ二つにした術だよ。あれって空気中の塵とか埃にチャクラを流して、極細かつ超強靱なワイヤーにしたんでしょ?」

 

羅刹「すっげぇ……あの一瞬でよく見抜けたな」

 

サソリ「だからさ、おかしいなと思って」

 

 

一気に雲行きが怪しくなってきた。

羅刹は逃げたくなったが、今さら逃げられるはずもない。諦めて続きを聞くことにした。

 

 

サソリ「あれって、見た目に反してかなり繊細な術だよね?大雑把な羅刹がとっさに思いつけるものじゃないと思うんだ。ずっと前から術の構想はあったんじゃないの?だとしたら、どうして練習してなかったのかな?もし練習していたら、ボクの傀儡まで真っ二つになることはなかったよね?……その辺どう思ってるの?羅刹」

 

 

羅刹はとんでもない威圧を真正面から受けてなお、答えようとはしなかった。

それは当然だ。何故なら、あの術は生前(・・)羅刹が愛読していた『双星の陰陽師』に登場する、聖丸(ひじりまる)という婆娑羅(ばさら)が使っていた技をソックリそのまま真似ただけだからである。

「いやぁ、実はオレ。転生者なんだよね!」と言うわけにもいかない。それでサソリが納得するとは思えないからである。

 

あれ?これって、もしかしなくても詰んでねぇか?どうやって言い訳すんだよ?!

 

羅刹は戦場とはまた別の緊張感と戦いながら、頭をフル回転させるのだった。




今回は羅刹が転生者であると判明しましたね。しかし、ナルトの知識はないようです。
羅刹は『双星の陰陽師』を愛読していた設定なので、これからどんどんクロスオーバーしていく予定です。
といっても、羅刹が技を真似たりするだけです。『双星の陰陽師』の登場人物は出てきません。出てくるとしたら今回みたいに名前だけです。
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