魔導機兵とオーバーロード   作:秋月艦隊

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オーバーロード4期を見て思いついた作品です。
ノリと勢いで書いた物なので、思いつく限り続けていきます。


プロローグ

早速で悪いが、俺は転生者だ。

 

そして死にそうだ。

 

「痛てぇ…」

 

さて、現状を説明する前に俺の身の上話をするとしよう。

まず最初に言った通り俺は転生者だ、そしてこの世界は残念なことに剣と魔法の世界なんてファンタジーな世界では無く、前世の俺が生きていた時代から100年近くたった世界だった。

 

この世界は酷い環境汚染が進んでおり、世界を支配しているのは巨大な複合企業だ。

富裕層が世界の富を席巻し、同じ人間を食い物にして威張り散らしている…はっきり言ってゴミためのような世界だ。

そんな世界に貧民層の中でも特に治安の悪い地区で生まれたのがこの俺だ。

最初は嘘だと思ったさ、ついに労働から解放されて自由に異世界を生きられるんだってさ…だけど現実はそんな甘くなかった。

10歳までは親代わりの人がいたが、仕事で亡くなった為1人で生きていくことになった。

 

まともに食っていくことも出来ない日常に絶望したが…俺は運が良かった。

俺は単純に力が強かった、貧民街のチンピラなんて目じゃないくらいに、な。

 

そんな風に少ない食料や物資を奪って生き残っていたある日…転機は訪れた。

その日、俺は珍しく食料を得るために遠出していた、普段なら増えては減っているチンピラがその日に至っては1人もいなかったのだ。

数キロ歩き回って富裕層のアーコロジーの近くに来たあたりで、今日は引き返そうかと思ったが…すぐ近くのアーコロジーで爆発が起こったため引き返すのはやめにした。

 

『テロリスト共はお縄につけぇえぇ!!』

 

俺はその日、テロ行為を行っていた貧民達を背後から攻撃し、富裕層の人間や警察…そして複合企業の重役の多くを助けることになった。

 

その日から俺は企業用の傭兵になった。

 

「ちっ…爆破テロなんてふざけた事しやがって」

 

まぁ、傭兵と言ってもやる事は様々だ。

情報の収集から売買、要人の護衛にテロリストの排除…黒い仕事も大量にある。

特に多かったのは要人の護衛だったが、仕事達成率90%以上の俺には多くの仕事が入ってきた。

仕事の半分程度は何事もなく終わるが、逆に言えば半分は血なまぐさい事になるという事だ…なんだこの世紀末、いや、いつも通りだったな。

 

「はぁ…やっと血が止まった」

 

アーコロジーの重役の護衛を何とか終わらせた俺はほうほうの体で貧民街の地下にある鉄筋コンクリート作りの頑丈な建物に入った。

 

ーガシャンー

 

「…」

 

重い音がコンクリートの壁に響き部屋が明るくなる。

部屋には硬いベッドとソファーが1つと明らかに部屋と不釣り合いなパソコンがあった。

 

「はぁ…」

 

ため息を吐きながら俺はパソコンの前にある椅子に座って大きな液晶を見た。

メールボックスにはこれと言った依頼もなく、俺は最近の情報を広いインターネットの海から得るため裏サイトから企業のサイト、更にはゲームやアニメなんかのサブカルチャーをまとめたサイトなんかにも目を通した。

 

「ん?」

 

そんな中、特に真面目に見てもいなかったゲーム情報のまとめサイトで気になる情報を見つけた。

 

「新時代DMMO-RPGゲーム【ユグドラシル】が全世界同時リリース?」

 

何処かで聞いたことがあるような名前のゲームだ、一体どこで聞いたんだ?

 

「【数千を超える職業に同じく数千を超える魔法、組み合わせは無限大。九つある世界からなる広大なマップを探索し"未知を楽しむ"新感覚ゲーム】か…」

 

一体どこで俺はこの情報を得たんだ?傭兵として働き始めてからは興味のあることや気になる情報はいつもチェックして置いたはずだが…まさかッ!?

 

「…【オーバーロード】」

 

なるほど、確かに環境汚染が進んだ世界に貧富の差、まずい食事に複合企業が世界を支配している…アニメでもほのめかすように語られていた部分と一致する。

書籍版はあまり詳しくないが…少なくとも可能性は高いな。

 

「ふ、ふふ、フハハハハハ!!」

 

無機質なコンクリート部屋に大きな笑い声が響く。

傍から見れば頭がおかしい人だと思われるかもしれないが、それも仕方の無いことかもしれない。

 

「は、はは…」

 

ひとしきり笑った俺はパソコンから通販サイトに飛んでフルダイブゲーム用の装置を購入した。

 

何、金は腐るほどある。

危険な職業である事を加味しても相当な大金だ、老後の為にアーコロジーを個人で持てるくらいの金を貯めていたが、この世界があの【オーバーロード】と言うなら話は別だ。

この腐った世界から死ぬこと以外で開放される可能性があるんだ、賭けとしては悪くない。

 

「…しばらく仕事は休むか…それにグラフィックデザインとかも勉強しなきゃな」

 

仕事を休んだとしても、ゆっくり休むことはできそうにない。

まぁ、俺の予想が正しいのならば後たった十数年の我慢だ、前世も合わせれば50歳越えの年寄りからすれば大した時間じゃない。

 

「…楽しみだ」

 

俺は寂しい部屋の中で悪い笑みを浮かべた。

西暦2126年の事だった。




次回はユグドラシルの話になります。
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