魔導機兵とオーバーロード   作:秋月艦隊

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書くのたーのしー。


第2話 ユグドラシル

視界が開けていく。

 

「…始まったか」

 

俺が周囲を見渡してみると、どうやらここは平原のようだ…と、言っても間違いなく現実ではない。匂いは全く感じないし自分の肌を触った感覚もほとんど無い。

ましてや平原には角を生やした小さなウサギがぴょこぴょことはね回っている。

 

「ふむ、あっちが町か」

 

俺のたっている場所のすぐ後ろには城壁に囲まれた門があり、そばには衛兵らしき人の姿がある。

 

「こんにちは」

 

「こんにちは、ここは"始まりの町"です。ここは人間種・亜人種・異形種、関係なく入ることが出来、全てが中立地帯となっております」

 

「初めはここで装備やポーションを購入して行くと良いでしょう」

 

衛兵らしき人に声をかけると、右側の人から町についての説明がされ、左の人からこの町で確実にやっておいた方がいい事について教えられた。

定型文らしく、俺の次に来た人間種のプレイヤーも同じ説明を受けていた。

 

「ここは武器屋だ。初心者向けのものから上級者向けの物まで幅広く扱っているぞ。裏庭には試す場所もあるから決まったら声をかけてくれ」

 

入口近くで地図を確認した俺が真っ先に向かったのは町の武器屋だった。

入ると店主からまたもや定型文の挨拶を受け、俺は周りのプレイヤーを横目に最下級の大剣を手に取った。

 

「うーん…」

 

余りしっくりこない。

アージェと言えば右手で軽々と振るう大剣だが…根が日本人の俺からしてみると落ち着かないものだった。

しかし、1度手に取ったからには振るって見なければ分からない。

 

「店主、この武器を試したいのだが」

 

「分かった、向こうの扉から裏庭に行けるから勝手に試してくれて構わない」

 

「分かった、ありがとう」

 

店主に声をかけ終わった俺は言われた通りの扉から裏庭に出た。

裏庭はそこそこ広く鉄製らしき人形がいくつも並んでいた、周囲には俺と同じように武器を試そうとしているプレイヤーの姿があり、必死に武器を振るっている姿が見えた。

 

「はぁ…はっ!!」

 

俺は正面に構えた大剣を力任せに振り下ろした。

人形はガシャっと潰れて壊れてしまった。

 

「ん?なんだ?」

 

大剣を振ったことでどことなく違和感を覚えた俺は設定を確認した、するとユーザーの動きを補助する機能がオンになっている事に気づいた。

違和感の正体はこれか、と分かった俺は補助機能を解除し復活した人形に再び切りつけた。

 

「はぁぁぁ!」

 

ドーン!と大きな音とともに人形は粉々になった。

 

「す、すごいな」

 

人形を破壊した余韻に浸っていると背後から昆虫種族のプレイヤーから声をかけられた。

 

「? そうですか?」

 

「あ、あぁ、初心者でこんなできる人見たことないぞ」

 

「そうですか」

 

俺は素っ気ない態度をしながらも相手をしっかりと観察した。

昆虫種族だがしっかりと鎧を着ており、武器もそこそこの性能をしていることからも俺より先に始めたプレイヤーだとわかる。

言葉遣いや雰囲気は丁寧で特に気になる点はなく、至って真面目な印象を受ける。

 

まぁ、普通のプレイヤーだな。

 

「それはそうと、ここから近い良い狩場を知ってますか?」

 

「ん?あぁそうだな、ここからだと平原を少し行った所にゴブリンやオークがそこそこポップする森があるぞ。回復もポーションなんかをしっかり揃えれば初心者がソロで挑んでも問題ない」

 

「ありがとうございます。では、私はここで」

 

「あぁ、気をつけて」

 

俺は昆虫種族のプレイヤーと別れレジに向かった。

途中、別の物も一緒に買ったのだがそれはまた後で話そう。

 

「じゃあ、しばらくはここでLv上げを続けるか」

 

その後、これと言った事もなかったため、俺は武器とポーション片手に例の森に来た。

聞いてた通り大量のゴブリンやオークがおり、周囲が森と言うほど視界が悪くないため戦闘はしやすいだろう。

 

俺は大剣を肩の辺りまで持ち上げ、ゴブリンの集団に突っ込んだ。

 

「おりゃぁぁー!!」

 

『ぎぃぃ!』

 

「ひとォーつ!」

 

『ギャッ』

 

「ふたぁーつ!」

 

『ガッ』

 

集団の真ん中に突入した俺は現実での身体能力を活かし瞬時にゴブリン2匹の首をはね飛ばした。

ゴブリンの首が血を吹き出しながら飛びちっていく、敵モブも事態を把握したようだがもう遅い。

俺は残りのゴブリンに躍りかかり残った4体の敵をあっという間に撃破した。

 

「ドロップは…データクリスタルにゴブリンの武器か…」

 

データクリスタルはまだしもゴブリンの武器は正直いらない。

今使っている大剣と同じ最下級に位置する武器だが性能は3分の1以下だ、全く使えない。

 

「まぁ、取り敢えず感覚は掴んだ。あとは"いつも通り"黙々と続けるだけだ」

 

その後も俺は延々と敵モブを殺し続け、Lvを15まで上げた。

その際、いい加減なんの職業にもついてないのはヤバいと感じた俺はオールラウンダーで全体的に物理能力を上げることが出来るファイターの職業を取得した。

これと言って変わった気はしないが、職業を取らないよりはいいだろう。

種族Lvは低い方が強くなるらしいから特に上げずに次はファイターの上位職であるナイト系の職業を取る事にする、どうやらナイト系は物理能力が向上して光属性の適性が上昇するらしい。

魔法は魔法職ならどんなものでも基本習得できるが、ナイト系の職業も聖騎士や暗黒騎士なんかは前衛職と魔法職を併せ持つ用で、前衛としての能力を高めつつ魔法も習得できて一石二鳥だ。

ただ、習得条件が聖騎士はカルマ値が最低100で暗黒騎士は逆にカルマ値が最低でも-100必要になってくる。

俺の現状のカルマ値は±0の完全中立状態なのでどちらかを選択肢してカルマ値を変化させなければならない。

 

つまり、ここでの選択が今後の戦闘スタイルなんかに直結するわけだ。

 

「Lv30か…結構かかったな」

 

まる3日かけてだいぶLvを上げた俺は"確認"を済ませ一旦始まりの町に戻った。

町に戻った俺は真っ先に武器屋によりゴブリンやオークが大量に落とした武器を売却し町の宿屋に泊まってMPとMPを回復させ少しひと段落した。

 

「さて、じゃあ"課金"するか」

 

とち狂った訳では無いぞ?このゲームは別に課金なしでも遊べるが、課金すれば痒いところに手が届く。

しかも500円のガチャでも上級ポーションや今よりも強い武器が手に入るのだ。

 

やらない理由は全くない。

 

と言うことで伝説級の装備やらが出るまでガチャします。

具体的には1番高い1回1万円のガチャを取り敢えず100連分回します。

まぁ、これくらい1回の仕事を済ませば余裕で何百連ガチャできるし問題ないな。

取り敢えず狙い所は伝説級の剣や鎧、あとは見た目なんかを変えるデータクリスタルだ。

 

「では、100連行くぞッ!こいっいい装備!!」

 

なんというか、俺完全にこのゲームを楽しみだしてるな…あぁ、前世のなんにも考えずにガチャで新アイテムを当てられるか運試ししたのを思い出す…あの時は平和だったな…。

 

それはそうと100連ガチャの結果、伝説級の刀が1本にセットの甲冑が1つ、魔法のスクロールが4つと指輪が16個に上級の防具が10個…そしてデータクリスタルは20個に中級以下のゴミアイテムと呼ばれるものが48個(ポーションや素材)。

 

「うん、案外悪くないな」

 

オーバーロード本編ではクソ運営とか言われてたけど別に悪くないじゃないか、排出率1%とかソシャゲだったら良心的だぞ?あ、でも100万円もするガチャなら鬼畜か…うん、考えないでおこう。

 

「取り敢えず、今気になるのは…これだ」

 

【伝説級の太刀】

鋭く鋭利な太刀。

装備者の俊敏性と攻撃力を5%上げる。

 

取り敢えず、アーティファクトみたいに自身が弄れないような武器では無いようだ。

特に名前も無いし、後で弄っても良さそうだ。

次に気になるのは、甲冑…ではなく指輪だ。

 

【魔法数+100】

保有していると最大習得可能魔法数が100増える。

 

かなり強いアイテムだ。

当たりと言っていい…俺が魔法職だったならば。

俺は残念なことにもう前衛職で強くなっていく方向性で決めている。

出来れば最終的には前衛と後衛どっちも務められるオールラウンダーな感じに仕上げたいが取り敢えずは前衛で行くつもりだ。

 

「うーん、微妙」

 

ちなみに伝説級の甲冑は防御力が上がるだけの装備だった、しかも装備条件に剣士系やナイト系の職業を取らなきゃならないから今のところ使えない。

 

俺は何とも言えないガチャの結果にため息を吐きながら宿屋で一旦ログアウトした。




次は…どうしよう?
まぁ、感想・評価待ってます。
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