【ユグドラシル】のサービス開始から早くも半年が過ぎた。
その間俺が殆ど休みなく続けていたのはLv上げと武器制作だ、特にLv上げの結果は顕著に出ている。
現在、俺のLvは89まで上がっている、このLvはソロで到達できる限界に限りなく近くこれ以上上げようとするならばパーティーを組んでより困難なダンジョンに潜り続けなければならない。
このLvまで半年で上げたのは凄いが、既にLv100に到達しているプレイヤーもいる中では少々見劣りするLvだ。
「【ワールドチャンピオン決定トーナメント】か、景品は鎧とワールドチャンピオンのみがなれるクラスの解放ねぇ」
これは受けるしかない、特にワールドチャンピオンのみがなれるクラスは絶対に取得するべきだ。
今わかっている情報だけでも、物理攻撃・防御の大幅強化…更に魔法攻撃のダメージを大幅にカットできる性能は今の俺に必要不可欠だ。
と言うことで?今の俺のステータスを開示します。
【アージェ】
【種族】
自動人形・1Lv
古代魔導機兵・15Lv
【職業】
ファイター・1Lv
聖騎士・10Lv
ケンセイ・15Lv
ウォーロード・15Lv
マシンマスター・15Lv
他17Lv
【合計】
種族16Lv 職業73Lv 合計89Lv
【装備】
・伝説級の太刀
・伝説級の甲冑
・即死回避の指輪
・俊敏性向上の指輪
・経験値取得量が2倍になるネックレス
・フライが使用出来るようになるシャツ
はい、ガッツリLv上げ用の装備です。
職業は前衛系の聖騎士やケンセイを習得し、自身やパーティーメンバーを強化できるバフ担当のウォーロード、機械系の種族・装備を制作・強化・修理可能になる上にその性能を大幅に上昇させるマシンマスター…まぁ、俺がこのマシンマスターの職業を取得した理由は種族にある【古代魔導機兵】と言うものの影響が大きい。
この職業はニヴルヘイムの辺境にある高難易度ダンジョンを攻略する事で自動人形や機械仕掛けの生命などの機械種族がなれる種族だ。
俺はダンジョンをクリアした時、真っ先にこの種族を取ったのだが…この種族、中々癖が強かった。
と言うか間違いなくブービートラップだろ!?種族を取る時見た説明文では【古代の神によって造られた全ての機械の祖であり、その性質は限りなく人に近く新たな生命を作ることすら可能な存在でありながら永遠の寿命を持つ…】と言う俺がこのゲームで求めていた性能を持つ種族だったため、問題ないと思ったんだが…。
ヤバかったのは永久デバフと言える効果だった。
まず最初にこの種族を取ると回復魔法やポーションによる回復が出来なくなる。
よって魔法による蘇生は不可能で、死んだらLvダウンした状態で復活するしかない。
一応、即死回避の指輪をつけてはいるが、この指輪が使われるような時は間違いなく追い詰められてるだろうから余り意味は無い、まぁ無いよりはマシ程度だと考えておくべきだろう。
勿論、欠点ばかりでは無い。
1番大きい利点は【武器を持って攻撃をしていない時は徐々に攻撃力が上昇すると言う効果】だ、この効果はフルにすれば最大で8倍の攻撃力を武器をしまわない限り維持する。
更に回復魔法は自分に使えないがバフ魔法などに関してはその制限は無いため、ガチでやれば攻撃力20倍も夢では無い。
そして、この欠点を緩和させるために取ったのがマシンマスターの職業だ、この職業は機械系の種族・装備を制作・強化・修理が可能になるため、自身のHPを回復可能になっている。
「まぁ、やってみればわかるだろう」
と言うことで、やって来たるは【アルフヘイム】の中心地にある闘技場。
このユグドラシルがサービス開始して半年たったこの日、初めてのワールドチャンピオンを決定する大会が開かれようとしていた。
『第一回!!ワールドチャンピオン決定戦!!開幕だァァ!!』
『『『ぉぉぉぉぉぉ!!』』』
闘技場の中心で大会進行NPCが大会開始の合図を出す、すると闘技場の観客席から大勢の声が轟いた。
「凄い熱気だな…」
『さて、まず大会のルール説明だ。この大会ではAブロックからDブロックに分かれてブロック毎の優勝者を決めて行く、最後にブロック毎の優勝者同士で戦ってもらい、勝利したものが栄光ある"初代"ワールドチャンピオンだッ!!』
実況NPCの説明が終了すると参加者は自身の番が来るまで待機室のような場所に転移した。
A・Bブロックの試合は中々白熱した戦闘になった、魔法剣士や物理性能に特化した戦士と様々な戦いが繰り広げられていた。
だが、Cブロックの試合は他とは違い白銀の騎士らしきプレイヤーが無双して終わった。あっという間の事だったが何だかんだ1番印象深かったかもしれない。
ん?俺の試合?普通にDブロックに出て対戦相手を全員瞬殺して終わったよ?現実でガチの戦闘をやってる奴にゲームでのぬるい勝負では早々苦戦しないさ。
俺はそんな感覚で決勝前の試合相手を軽く捻った。
『決勝戦に上がったのはこの2人だ!片方は白銀の騎士!昆虫種族のプレイヤー【たっち・みー】!!』
「よろしくお願いします」
俺の目の前にいる白銀の騎士はしっかりと背筋を伸ばし深いお辞儀をした。
「…。(リアルで柔道でもやってるのか?)」
その立ち姿は俺もリアルで一緒に仕事をする富裕層の護衛や警察官のようなしっかりとその道を学んだ人間の姿に近かった。
俺は改めて
『それに対するは漆黒の鎧武者!機械種族のプレイヤー【アージェ】!!』
「こちらこそ、よろしくお願いします」
俺も彼と同じようにしっかりとお辞儀をする。
「ん?その声…あの時の?」
『それでは決勝戦スタート!!!』
『おおぉぉぉぉ!!』
目の前のプレイヤーは何処か困惑した様子だが、関係なしに試合は開始された。
俺はそんな彼の胸元に素早く抜きはなった太刀を突き立てる。
「くっ!いきなりかい!!」
「勿論」
驚きながらも武器を抜いた彼の脇腹を穿つ。
相手は一瞬よろめいたが、すぐさま体勢を立て直し反撃をしてきた。
ー刃と刃が交差するー
真正面からぶつかり合った刃は激しい振動をお互い発しながら弾かれた。
「〈聖撃〉!!」
「〈パリー〉!」
「〈ホーリー・フェニックス〉!!」
「くっ!」
止めどなく繰り出されるスキルの応酬に防ぎきれずHPへのダメージが確実に蓄積していく。
そして、俺のHPが半分近くを切った辺りで俺は隙だらけの一太刀を相手にお見舞した。
「はぁぁぁ!!!」
「〈シールドスマッシュ〉!!」
ードーンッ!!ー
「グッ!!な、何っ!?」
「〈聖撃〉!」
「くっ!」
一撃目はもろに受けてしまった彼だったが、二激目はさすがに不味いと思ったのか回避した。
HPバーの減り方から見て今の一撃で半分のHPを飛ばせた。
「…」
「…来ないのか?」
「…突破の糸口が出来たら行きます」
さすがに今の一撃で警戒してしまったらしい。
まぁ、普通に考えてLv89のプレイヤーがLv92のHPを半分吹き飛ばしたんだから警戒しない訳ないよな。
だが、考える時間は与えないぞ。
「…〈羅刹〉!」
「くっ!このっ!」
俺が本来は複数に向けて放つ斬撃を周囲にばら撒くとたっち・みーは全力でこちらに向かってきた。
回避しきれないと思ったのか、自分の間合いで戦うつもりのようだ。
「おぉぉおお!〈聖断〉!」
「はぁぁぁ〈レーザーエッジ〉!」
俺は相手の攻撃を自身のHPで受け切り、反撃として複数の斬撃を同時に叩き込んだ。
攻撃を耐えきった俺と比較して切り込んできたプレイヤーはだいたい5倍に強化された攻撃を複数受け吹き飛ばされた。
明らかなオーバーキルである。
『勝者!漆黒の鎧武者【アージェ】!!』
NPCの勝利宣言と共に闘技場の空に【Win】のマークがドーンと表示される。
同時に闘技場の観客席から天まで届きそうな歓声が響き周囲に巨大な花火が打ち上がる。
『初のワールドチャンピオン!!アージェの誕生だ!!』
その日、俺はワールドチャンピオンになった。
今回の話は完全に妄想の産物ですので…本当は違うかもしれません。
詳しい人は感想で教えてください。
作者はアニメは全部見てますが、小説の方は1巻しか読めてないので…。
あ、感想・評価お待ちしていますm(_ _)m