魔導機兵とオーバーロード   作:秋月艦隊

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モモンガさんのキャラ難しい。


第5話 世界の終わり

 

ーモモンガ視点ー

 

ユグドラシルのサービス開始から12年…遂にこの世界は終わりを告げようとしていた。

楽しかったゲームもLv上げもあれだけ多くいたギルドメンバーも今日、ゲームが終われば殆どが消えてなくなってしまう。

 

「またどこかでお会いしましょう」

 

たった今、残ったギルドメンバーの1人である【ヘロヘロ】さんがログアウトして行った。

一瞬口ごもった言葉をグッとこらえてヘロヘロさんがログアウトするのを静かに見つめる。

 

「どこかでお会いしましょう…か」

 

いつかまた会いましょう。

またね。

 

そう言った言葉は幾たびも聞いてきた。

しかし、それが実際に起こることはほとんどなかった。

 

ー誰も…誰も帰ってこなかったー

 

「ふざけるな!」

 

怒号と共に両手が叩きつけられる。

鈍い音が部屋に響きピコンと言う音と共に0のマークが浮かび上がる。

 

「ここは皆で作り上げたナザリック地下大墳墓だろ!なんで皆そんな簡単に捨てることが出来る!」

 

激しい怒りの後に襲って来たのは虚しい寂寥感だった。

 

「だいぶ荒れてますね」

 

「え?あ、アージェさん!いつからそこに!?」

 

モモンガが再び何かを語ろうとすると、その背後から残ったギルドメンバーの1人である【アージェ】さんが声をかけてきた。

 

「ついさっきですよ」

 

「あ、あの…」

 

「大丈夫ですよ、まぁ私も同じような気持ちが無いわけでは無いので」

 

何か言おうとするモモンガだったが、先を越される形でアージェが言葉を放った事で何も言えなくなってしまった。

 

「…いえ、皆簡単に棄てたんじゃないですよね。現実と空想。どちらを取るか突きつけられたんですよね…結局誰も裏切ってなんて居ませんね」

 

「私も一時期、リアルが忙しくて全然ログインできなくなってしまって、あの時はすいませんでした」

 

「いえ!戻ってきてくれただけで嬉しかったですから!何も問題ありません!そ、それよりも最近ナザリックに来てなかったですがどうしたんですか?」

 

残ったギルメンに頭を下げられてむず痒くなったモモンガは話を変えるためアージェに最近の話を聞いた。

ココ最近と言ってもひと月ほどだがアージェはナザリックには戻らずどこかに行っていたのだ。

ゲームにログインこそしていたのは分かっているが何をしていたのかは分からない。

 

「あぁ、これですよ」

 

「えっ!?それって!!」

 

モモンガは現実で目を見開いて驚いた。

 

「ギルド武器じゃないですか!?」

 

それはアージェが持っていたのが、神器級を超える強さを持つであろうギルド武器だった為だ。

本来…いや、まず間違いなく得ることが出来ないはずの超強力な固有の武器、そんな物をアージェが持っていたことにモモンガは驚愕したのだ。

 

「えぇ、沢山ありますよ。ギルド武器に他のプレイヤーが持っていた神器級の武器ほかにも高レベルの素材やデータクリスタル…とにかく奪えるだけ奪ってきました」

 

「えぇー!?なんですかそれ!?すっごく楽しそうじゃないですか!なんで言ってくれなかったんです!?」

 

「いや、過疎ってるギルドを襲撃しても作業にしかならないでしょ」

 

「うぐっ!それもそうですね…」

 

モモンガはこの世の不条理を嘆いていたがアージェに現実を突きつけられてしまえば何も言えない。

基本的に彼は強く言うことが出来ず流される立場なのだ。

 

「じゃあ行きましょうか」

 

「え?あぁ、そうですね。最後は大広間でしたね」

 

ギルドができてからの事だが、第8階層を突破されたら、最後は悪役らしく最後の第10階層で待ち受けることにしていたのだ。

結局、1500人のプレイヤーに攻められた時も突破されなかった為忘れられそうだが、モモンガはこのユグドラシル最後の瞬間をそこで迎えようとしていた。

 

「ほら、しっかりとギルド武器も持って」

 

「え?えぇ…まぁ、最後くらい皆許してくれますかね」

 

「なら多数決で2名が賛成したので。ギルド武器を持ちましょう!」

 

アージェに流される形でモモンガはギルド武器である【スタッフ・オブ・アインズ・ウール・ゴウン】輝かしいギルドの歴史を背負った武器を持ちモモンガとアージェは大広間に向かって歩き出した。

 

途中メイドや執事のNPCを引き連れ2人は昔の雑談に花を咲かせた。

 

「そう言えばそのキャラクターの見た目がギルメンに発覚した時の騒ぎ様は凄かったですね」

 

「確かに、特に【エロゲバードマン】はヒャッハーって騒いでましたね」

 

「ペペロンチーノさん…あの時もぶくぶく茶釜さんに鉄拳制裁されてましたね」

 

「まぁ、ネカマって事がバレた時なんかもっと酷かったですけどね…」

 

「あぁぁぁ、確かに。女性陣の騒ぎ様は凄かったですね。あの時はたっちさんやウルベルトさんが落ち着かせてくれましたけど、自分だけだったらどうなってたか分かりませんよ」

 

「ギルマスだけでも案外何とかなりそうですがね」

 

「またまた〜クランを解散した時真っ先に自分を推薦したのは忘れてませんからね?」

 

「…さすがモモンガさん。しっかりとギルドをまとめ上げてくれました!拍手!」

 

「ハハハッ…誤魔化されませんよ」

 

散々笑いあった2人であったが大広間の門を開け中に入ると一気に静かになった。

 

「じゃあ、モモンガさん玉座に座ってください」

 

「え?いやいや…」

 

「いいから座って」

 

「はい」

 

玉座に座らずに大広間を眺めていたモモンガを座らせ、アージェはおもむろに質問した。

 

「モモンガさん。ユグドラシルは楽しかったですか?」

 

その質問にモモンガは特に悩むことも無く答えた。

 

「はい」

 

アージェはそれは良かったと安心した声を漏らし会話を続けた。

 

「モモンガさん。実は私、今まで喋って無かったですがリアルでは傭兵をしてるんです」

 

「傭兵!?え?えぇ?」

 

「それで、つい最近大きなテロがあったじゃないですか?」

 

「えぇ、職場でも騒ぎになってましたし」

 

訳が分からなくなりながらもモモンガはリアルの記憶を思い出して答えた。

そう、つい最近ひと月ほど前に遡るが大きなテロで複合企業の重役が多く死亡したらしかった。

リアルの職場でも混乱が発生しており休みになったのだ。

 

「…その時ヘマしちゃいまして。実はもう長くないんですよね」

 

「え、それって…」

 

「はい。という事で、今回はさようならです」

 

てへっ、と舌を出すようなアイコンを出しながら語った内容はとても軽いものでは無い。

 

事実、モモンガも混乱している。

 

「そんな…」

 

「まぁ、だから賭けたんです」

 

「え…賭けた?」

 

「はい。このナザリックに私の命を賭けました」

 

達観したような声で笑みを浮かべるように答えるアージェに悲痛感は全くない。

それどころか新たな敵を見つけた戦闘狂のように好戦的な印象を持つ。

 

「だから」

 

「だから?」

 

「自分が賭けに勝った時は…楽しませてくださいね"ギルマス"」

 

そして時間は過ぎ去る。

本来であれば世界が"終わる"瞬間は、瞬く間に"新たな"世界での始まりに変わった。

 

本来の歴史通りに…ナザリック地下大墳墓は異世界に転移したのだ。

アージェは賭けに勝った。

 

ーナザリック地下大墳墓転移ー




はい。次回から異世界の話です。
とりま1期の終わりくらいまでは構成は終わってるので間違いなく続きます。
その後は…まぁ、気分次第ですね。

感想・評価お待ちしています。

あ、その前にアージェ視点も入れなきゃ。
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