魔導機兵とオーバーロード   作:秋月艦隊

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第6話 異世界転移

 

どうやら異世界に転移できたらしい。

俺という最大のイレギュラーがいながらよく転移できたものだ…正直転移できるかどうかは賭けだった、俺の原作知識なんてアニメ3期までと小説1巻だけだからな。

その後の展開は考察や解説で大まかには知っているがやはり俺がいることで大きく変化する事になるだろう。

 

「どうなっている!?」

 

さて、ログアウトできなくて大慌ての"友人"を横目に俺が今日までしてきた準備の日々について語ろう。

まず最初に俺はユグドラシルの【初代】ワールドチャンピオンだ、神器級のぶっ壊れ鎧に同じく神器級の大剣と太刀を主武器としている。

聖騎士の職業を取っているが残念ながら盾は使わない、どちらかと言うと武人建御雷のように一撃で敵を仕留める【二の太刀要らず】に近い戦闘スタイルだ。

 

次に持ち物。

主に転移後の世界で使える召喚系のアイテムを大量に所持している。

原作にもあったように"ゴブリン召喚の角笛"から人間種の騎馬隊を大量に召喚する風林火山の巻物にワイバーンに騎乗する美少女竜騎兵を数十体召喚するドラゴンワルキューレの呼び笛…どちらもレベルは30~40とユグドラシルでは足止め用の捨て駒にしかならなかったネタアイテムだがこの世界では一騎当千の軍団となる。

そして、俺はそんな半ばネタとなっていたアイテムを数百個単位で保有している。

まぁ、物によっては数千に及ぶだろう。

そして、それ以上に言及するべきなのは色んなギルドに"カチコミ"して略奪した【ギルド武器】の数々や高レベルのスクロールや素材だろう。

中には使用用途不明のワールドアイテムと思しきものもある。

これについては後でモモンガさんと話してどうするか決めるつもりだ。

 

「どうかなされましたかモモンガ様、アージェ様」

 

「少し不可解な事態に巻き込まれて混乱しているだけよ。モモンガさんと話したいから、アルベドはセバスやメイドたちと一緒に外で待機するように」

 

「はっ!了解しました」

 

俺は未だに混乱しているギルマスの代わりにアルベドに指示を出しモモンガに向けて声をかけた。

 

「モモンガさん」

 

「あ、アージェさん!一体どうなってるんですか!?意志を持たないはずのNPC達が!?…えっ?」

 

「とりあえずこの指輪をつけてください。話はそれからです」

 

俺は鎮静化が起こったモモンガさんに【人化の指輪】の指輪を手渡す。

モモンガさんはその指輪を不思議そうに思いながらも左手に装備している指輪を解除し俺が渡した指輪を装備した。

 

「…肉がある!骨じゃない!」

 

「何を当たり前のこと言ってるんですか?とりあえず現状報告と行きましょう」

 

俺はモモンガさんにできるだけ丁寧に現状を説明した。

具体的にはここが異世界である可能性が高いこと、そして俺がそれをある程度予知していたこと。

それを防ぐ手立てはなかった事や準備をしっかりとしてきたことなどだ。

 

「えっと?とりあえず状況は分かりました…ですがアージェさんはこうなる事を知ってたんですか?」

 

「正確には私ではなく別の私…そうですね言ってしまえば平行世界の私でしょうか?」

 

「なるほど…つまりアージェさんはその為に備えてたんですね」

 

「まぁ、ゲームを楽しむ"ついで"でしたけど」

 

「あははは…アージェさんらしいですね」

 

微妙に不信感を抱いたであろうモモンガさんを上手いこと丸め込み俺は1枚の紙を手渡した。

 

「これは?」

 

「異世界でやるべき事のリストです」

 

「へぇー、どれどれ…」

 

モモンガさんは俺が渡した紙をじっくりと見落としのないように(くま)なく見渡し俺の方を見た。

 

「アージェさん…」

 

「はい。モモンガさん」

 

やけに神妙な顔をした黒髪黒目の20代男性。

人化の指輪をつけたモモンガさんはその身を震わせながら言った。

 

「めちゃくちゃ面白そうじゃないですか!!」

 

「でしょ?」

 

2人の笑い声が大広間にこだまし何倍も大きくなって返ってくる。

その姿は傍から見ても狂気などではなく、単純に友といられる事を楽しむ姿にしか見えなかった。

 

「はははは(アルベドの設定変えなかったけど…これどうなるの?)」

 

「あははは(最高の気分だ!これからも楽しい日々が続くなんて!)」

 

最も2人の間には埋められないほど大きな感情のすれ違いが起こっているとは、誰一人として気づかなかった。

 




はい。次回はモモンガさん視点で話を進めていきます。
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