【改稿】ガラル地方は許されないと思うんです。   作:水澄 信

2 / 5
これもほとんど前作のコピペ。

でも前作の方はそのうち消します。


1話-転生したら厳選中だった件

「…………はぁ。」

 

 

ひとしきり騒いだ後、ようやくいくらか落ち着くことができたので。

 

 

「どこだろう、ここ…………。」

 

 

 

そろそろ現実に目を向けようと思う。

 

 

 

まずは場所だ。

 

足元を見た。

 

青々とした草木がびっしりと生えている。

 

 

周囲を見渡した。

 

見渡す限り草原が広がっている。

 

 

 

「………………寝転がったら、気持ちよさそうだな~。」

 

 

 

やっぱりもう少しだけ現実逃避しようかな……

 

 

 

 

 

 

『……ミズキ、さっきから何してるロト?』

 

 

「ひゃうっ!?」

 

 

 

いきなり聞こえてきた耳元からの声に驚き尻餅をつく。

 

 

 

「……ロトム?」

 

 

『はいロト。』

 

 

目の前に浮き上がる図鑑を呆然としながら見つめる。

 

 

「……本当に、ポケモンの世界だ。」

 

 

『……?』

 

 

ようやく自分がポケモンの世界に来たことに実感が湧いてきた。

 

目の前に浮いている、前世3DSの下画面で幾度となく見たそれは、間違いなくプラズマポケモンのロトム、そのポケデックスフォルムだ。

 

プレイヤーを事あるごとに"~~ぽん"(ミズキの場合はミズぽん)とかいうふざけた名で呼ぼうとしたり、頻繁にマンタインサーフやら写真撮影やらがしたいと我が侭を言ったりなど、SMプレイヤーには嫌われ気味だったロトム図鑑だが、USUMでロトポンに世話になった自分はそこそこ気に入っていた。

 

 

 

「えっと、ロトム。」

 

 

『……はいロト。』

 

 

「……元気?」

 

 

『当然、元気ロト。ミズキはどうしたロト?さっきから様子が元気なさげロト。』

 

 

「うん、ちょっとね……色々受け入れ難いことがあったけど、まあ大丈夫だよ。」

 

 

『ほんとロト?まあ、それなら安心ロ。でも、何で困ってるかは聞きたいロト。ボクも力になるロト!』

 

 

「じゃあ、まずは現在地だね。……Hey,Rotom.ここから一番近い町は?というかここどこ?」

 

 

『データ参照……適合なしロト。というか、ここもしかしてアローラじゃないロト?』

 

 

「あ~、そうだった…………。」

 

 

『取り敢えず地図アプリをアップデートしたいロト……。その為には、』

 

 

「『どこか町を見つけないと…………』」

 

 

 

話し相手はできたが状況は変わらず、迷子のままである。

 

どんよりしてきた空気を象徴するかのように、ぽつぽつと雨も降り始めてきた。

 

 

 

「取り敢えず棒でも投げてそっちの方向に真っ直ぐ突っ込んでみようか。」

 

 

『適当が過ぎると言いたいけど、周りに人も見当たらないし、それしかなさそうロト……。』

 

 

その辺にあった棒を拾って投げる。

 

 

『北ロト。』

 

 

「あ、方角は分かるのね。」

 

 

 

かばんに入っていたくすんだ色の布を合羽代わりに羽織り、小走りで棒の指し示した方向へ向かう。

 

 

「…………あ、ちょっと寒気が」

 

 

『…………れいかいのぬの。"おそろしく つよい れいりょくが こめられている ぬの"ロト。』

 

 

 

ロトムと雑談しながらも、今後について思考する。

 

 

「ねえロトム、これからどうしようか。生活費とか仕事とか」

 

『生々しい話ロト……でも確か、エーテル財団をロケット団から救った謝礼で当面の資金はあるし、ここがどこかわかったら余裕のあるうちにアローラに戻れば……』

 

「う~ん……別に戻るつもりはないんだよね。」

 

(ゲームの頃ならともかく、新設したばかりのリーグのチャンピオンなんて絶対接待やらなんやら面倒そう……絶対やりたくない)

 

『そうロト!? ……まあ、ミズキがそうしたいなら止めはしないけど……』

 

「あ、いいんだ。」

 

(ガラルのシナリオのジムチャレンジ……別にやりたくない。マクロコスモス……論外。)

 

『まあ、ククイ博士やリーリエたちは心配するかもだけど……電波が届く場所に着いたらボクから連絡はしておくロト』

 

「ごめんね、迷惑かけて……わっ!?」

 

 

 

突然横から高速で水塊が飛んできて顔を掠める。

 

その方向を見れば、青色の亀のようなポケモンがこちらを睨んでいる。

 

 

 

「確か……カジリガメだよね。」

 

 

こちらに向けられる眼は確実に敵意が籠っている。

 

少し後ろに目を向ければ先ほどの水塊で抉れた地面が目につく。

 

 

その光景を見て、背中に冷たいものが走る。

 

 

先ほどのあれに当たっていれば、間違いなく怪我では済まないだろう。

 

 

 

『図鑑登録外ロト。それよりミズキ、ボーっとしてないでさっさとポケモンを出すロト!』

 

 

「あっ、そうだね……えっと、ロトム、ボールってどこに……」

 

 

『バッグの一番手前のポケットロト!』

 

 

「わ、わかった!」

 

 

もっとも手前にあるボールを取り出し、投げる。

 

 

 

 

 

 

*いけっ! ゆたんぽ!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ボールが開くとともに視界に映る赤色。

 

 

色鮮やかな羽根を大きく広げ、カジリガメと対峙したのは。

 

 

 

「『………………………………あっ』」

 

 

ゆたんぽ : ファイアロー  Lv.57

 

とくせい : ほのおのからだ

 

せいかく : すなお

 

わざ : アクロバット

     ニトロチャージ

     はねやすめ

     おいかぜ

 

 

 

うちの元気な孵化要員(お母さん)だった。

 

 

 

 

 

「……………………ゆたんぽ!にげる!」

 

 

 

 

 

*うまく にげきれた!

 

 

 

 

 

――――――――――――――

 

 

 

 

 

「そうだよそういえばルカリオ作った後また厳選始めてた!」

 

 

*やせいの ヌオー が あらわれた!

 

 

*うまく にげきれた!

 

 

『じゃあ今の手持ちってどうなってるロト!?』

 

 

*やせいの カジリガメ が あらわれた!

 

 

*うまく にげきれた!

 

 

「ゆたんぽ1体にLv.1のフォッコが1匹、あと全部卵!」

 

 

*やせいの ヌオー が あらわれた!

 

 

*うまく にげきれた!

 

 

『嘘ロトぉぉぉぉぉぉぉ!?』

 

 

*やせいの ヌオー が あらわれた!

 

 

*うまく にげきれた!

 

 

 

*やせいの ヨルノズク が あらわれた!

 

 

*うまく にげきれた!

 

 

 

*やせいの カジリガメ が あらわれた!

 

 

*うまく にげきれた!

 

 

 

*やせいの ヌオー が あらわれた!

 

 

*うまく にげきれた!

 

 

 

*やせいの マッスグマ が あらわれた!

 

 

*うまく にげきれた!

 

 

*やせいの チラーミィ が あらわれた!

 

 

*うまく にげきれた!

 

 

 

 

*やせいの ……

 

 

 

 

 

――――――――――――――

 

 

 

 

 

『―――、――――?』

 

「あ~?どうしたフライゴン?」

 

 

ファイナルトーナメントの翌日……あるいは、ダンテ(ライバル)との戦績にまた一つ黒星が付いた翌日。オレはスタジアムを抜け出してワイルドエリアに向かっていた。

 

 

『―――! ――――!』

 

「ああ……いいんだよ、今日くらいは。残った業務はきっと、明日のキバナ様が何とかしてくれる!」

 

 

今までもダンテに負けた次の日はいつもこうやって抜け出している、今更止められることはないだろう。

 

 

『――――......』

 

「今度こそ勝つ、そのためにはさっさと次のリーグ戦に向けて特訓だ。終わったらカレー作ってやるから楽しみにしとけよ!」

 

『―――――!』

 

 

隣のフライゴンの表情にやる気が満ちるのを見て、一瞬罪悪感を感じ目を伏せる。

 

 

こいつらはいつかオレがダンテに勝てると信じてついてきてる。

 

 

だが、オレはダンテに一度も勝てていない。

 

ジムチャレンジの頃から、ただの一度もだ。

 

 

このまま挑み続けていて、いつか本当にアイツに勝てる日は来るのか。

 

時折訪れる不安を、悟られる前に首を振って追い払う。

 

 

「さて、キャンプ地はどの辺にすっか……ん?」

 

 

顔を上げると一人の少女が目についた。

 

 

「ジムチャレンジの期間外に人がいるのは珍しいな……」

 

 

ワイルドエリアは魔境である、これは言わずと知れた事実だ。

 

 

不安定な天候、突如襲い掛かる凶暴なポケモン。

 

 

ジムチャレンジ期間外にここに入るのを許されるのは、これに一人で相対できるトレーナーだけだ。

 

 

しばらく様子を見たが、野生のポケモンに寄って来られては逃げを繰り返している彼女はとてもじゃないがそのようなトレーナーには見えない。

 

 

となると監視員の目を盗んで勝手に入ったことになる。

 

 

「運が良ければ強い野生でも手に入るとでも勘違いしたクチか……」

 

 

それで敗走しているとすれば自業自得だが、ジムリーダーという立場上見捨てるわけにもいかない。

 

 

溜息をついて彼女の方へ歩む。

 

 

 

 

「おい、何してんだ?」

 

 

 

 

 

――――――――――――――

 

 

 

 

 

……すなストームの人!すなストームの人じゃないか!




改稿ポイント
・プレイヤー名を"ミズキ"に変更。ちなみにUSUMの女性主人公のデフォルトネームは"ミヅキ"です。
・一部描写のカット、変更。

ところで、ワイルドエリアでの野生出現って殿堂入り済だとLv.60で出てくるんですね。
魔境じゃん……こわ。


ダブル砂パ使いのドラゴンストーム、略してすなストーム。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。