端的に状況を報告しよう。俺は敗北した。何故なら本来いるべき場所にいないからだ。
そして勝利した。怨敵を、家族を殺した悪の集団*1を跡形もなく消滅したことを確認したからだ。
そして今、俺はぼーっと歩いている。全てが終わったからだ。
だからといって何かをしたいという訳でもなく、端的に言うと復讐が終わったからこれが燃え尽き症候群という奴だろう。
自己紹介が遅れた。俺は
家族を殺した怨敵を滅ぼすため、復讐のために罪を重ねて戦ってきた。時に諭されながら迷うことはあったが、命を懸けてあのおせっかい焼きなヒーロー*3を怨敵から守り抜いた。
その時に死を覚悟していたんだが、こうして生き残ってしまった。何故か変身アイテムも失ってたしどうしようもない。
あと、
全く知らない街、というにはいささか『傲慢』が過ぎる。全てを知っているわけではないが、ここはあまりにもおかしい。
まず、『男が全く見当たらない』という点。普通の都市の大通りを歩いているはずなのに女しかいない。
まるで男が絶滅したかのようだ。周りの視線もなんだか集まって俺に刺さり続けている。
好奇心というか、どちらかというと狩りの目というか…………
「はいそこの男の人、ちょっと止まって?」
警察の服装をした人に呼び止められた。
どうやら、適当な散歩はここまでのようだ。職質行ってくる。
「お名前は?」
「和澄シン」
「年齢と住所は?」
「21歳、住所不定」
「へ?普段はどこに?」
「河原とか橋の下とかで寝泊まり」
「…………えっと、それ本当に?」
「本当だが」
「よかったらうちこない?よくよく考えたらお風呂もあるし私みたいないい女もいるからちょーっとだけね?そのアレじゃん?男の人を拾って養いたいっていう夢があったりとか」
「これ職質ですよね?」
「えっ?」
「えっ?」
かちゃり
「待て、なんで取調室の鍵をかけた?」
「…………うわへへ、これで誰も来なくなりましたね?」
「めっちゃ扉どんどん叩かれてるけど」
「その前にやっちまったら勝ちなんですよ!」
「お前、まさか他の誰にも見つからないようにしていたのはそのためか!?」
「大人しく往生セイヤー!」
ドッタンバッタン!
「開けろ!(扉破壊済み)警察だ!警察署で何をして…………」
「五所蹂躙絡みぃーーーー!*4」
「ぐわーっ!?」
「本当に何をしてるんだ貴様らぁ!?」
その場で聴取かと思ったら警察署まで連れて行かれて個室に監禁されたから自己防衛のため五所蹂躙絡みをこの女にした所です。
そして、警察官の女性は俺の五所蹂躙絡みを食らってノックアウト。そのまま引きずられるようにどこかへと連れていかれた。
聞くところによると、男を襲ったから相当重い罪になるらしい。それはもう『二度と男と会うことすら許されない』くらいに、と少し震えながら答えてくれた。
青い顔をしてるのやら頬を赤く染めているのやらで訳の分からない顔色をしているが、はっきり言ってこんな状況はあり得ない。
突入してきた警察官も女性のみ、全員鍛え上げられているため筋肉質ではあるが、そこまで鍛えた女性はそうそういない。
それに、俺の常識で考えるなら警察官という職業は男性が多いはずなのに一切男を見かけない。それどころか俺が恐怖にあったかもしれないということでなだめている人も女性であり若干ではあるが俺に向けている視線から興奮しているようなものを感じる。
短時間であるが、俺は確信した。
拝啓、死んだ家族へ。
どうやら俺が居るのはかつて住んでいた地球ではなく並行世界の地球のようです。
次回!えー、何だって!?ここは男性が少ない世界でシンは貴重な男性!?え、登録とか必要なの?おかげでアングラな者って思われちゃった!
「第二 、元ダークヒーローは何者だ!」
『ねえ、君って今まで何してたの?』
答えに困っちゃうね!
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