元ダークヒーローは世界初の男性警官となる   作:蓮太郎

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UA10000突破&ランキングに乗ることができました。本当に感謝。


第八 、悪の科学者

 

「ただいまぁ~…………」

 

「お疲れ様!はい、これスポーツドリンク!」

 

「これはどうも」

 

 警察署に帰ってきて同僚の先輩に差し入れを貰ったのでグイっと飲み干す。

 

 警察官になって早一週間。ここのところ休みがない和澄シンです、はい。

 

 裏でこそこそやっていた馬鹿共がもしかしたら俺に出会えるかもしれないという可能性に欠けて表で馬鹿をやらかすド阿呆にランクアップしたことで出動回数が目に見えて増えた。

 

 この差し入れをくれた先輩も目がややキマってる。エナジードリンクを使いすぎてなきゃいいんだけれど…………

 

 そんな感じで現在、警察は物凄く多忙になっている。

 

 こんなのほとんど俺のせいじゃん、と他の人らは思ってるだろうな。

 

 その責任をとって、今日も何度も出動して犯人を捕らえる。そんな日々がこの一週間である。

 

 なるほど、労働はクソと言う話はなんとなくわかってきた気がするようなしないような?

 

 でも俺はここで折れるわけにはいかない。元ダークヒーローとしてやってきたことは悪そのもののこともあったから生きてる限り償いとして働かねばなるまい。

 

 だがこの仕事量は多い!他の先輩も一日で10件検挙した時はなんでだと叫んでたぞ!

 

 仕事増やすな馬鹿ども!休みになったら適当に遊びに練り歩くからその時くらい犯罪をやめろ!

 

『出動要請!銀行強盗発生!犯人は特殊武装をしているため厳重な装備で出動せよ!』

 

「…………大捕物じゃん」

 

「なんで銀行強盗なのよ!特殊武装ってなに!?」

 

「わからないっす!けど行くしかないんですけど!?」

 

「人手が、人手が足りないぃ!」

 

 阿鼻叫喚。既に他の犯罪者を取り締まるため人が減ってるのにこれとは。

 

 なるほど、これは試練か。さっさと出動するぞ。

 

 大人しく捕まってくれるといいんだけどなぁ!

 

 

 

 ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

 

 

「わははー!わがはいのまえにひれふすのだー!」

 

「幼女に金属アーム3本つけるとか誰が考えた!?」

 

「どこぞの馬鹿が実験台にしたのが暴走したってのが実情だろう畜生め!」

 

 背中から生えてるような3本の金属アームで周りを薙ぎ払いながら暴れる幼女がそこにいた。

 

 重そうなアームが3本もついてるのに小さな二本足でしっかりと立っていることから筋力は大人のそれか、それ以上かもしれない。

 

 ああして金の入った袋を振り回しているから近寄るに近寄れない。

 

 銃弾でも浴びせようならアームで防いだり、どこからか盾になるようなものを引き剥がして遮蔽物で防いでいく。

 

 いきなりスーパーヴィランなのがきたな!3本ってのが気になるが、そこは4本の方が便利じゃないのか?

 

 何かと被りそうな気がするが…………これ以上追及すると危ない。

 

「とにかく対処法!」

 

「近接で殴るしかないだろ!銃も塞がれるんだ!」

 

「電気で金属を倒して感電とかさせられないのか?」

 

「あのアームに対策がないわけないでしょ!」

 

 ごもっともで。そうだったらスタンガンですぐ制圧できるもんな。

 

「仕方ない、俺が気をひく!その隙に撃て!」

 

「あ、シンきゅん!」

 

 さらっときゅん呼びされたが元々持ってきていた特殊警棒とpolisと書かれた盾を構えて幼女の前は出る。

 

「おとこのひとだ!てれびでみた!」

 

「ほらこっちだ少女、俺を捕まえてみろ!」

 

「わははー、わかはいがつかまえられないわけないのだー」

 

 俺が盾をガンガン殴って挑発すると即座に金属アームを伸ばして俺を捕まえようとしてきた。

 

 回避して伸び切ったところで前は駆ける。だがそれを許さないように伸び切ったアームを横薙ぎにして俺に当てようとするがしゃがんで回避。

 

 もう2本めのアームもしゃがんだところに伸ばしてきた。それも薙ぎ払われたアームと反対側へローリングして回避。

 

 即座に立て直して2本めの薙ぎ払いをジャンプで回避したら再び幼女の元へと走る。

 

 悪いとは思うが一発で気絶させる。これ以上暴れられると困るからな。

 

 あと少しというところで3本めのアームが飛んで着ようとして来たが、別方向から銃撃がありそれを防ぐために幼女の盾となり動こうとしていない。

 

 これはチャンスだ。接近して警棒で殴り倒す!

 

 ようやく警棒が届くところまで接近し、警棒で殴りかかる。

 

 だが、その警棒は空を切ることになる。

 

「な、上!」

 

「わははー、かんたんにうけないのだー!」

 

 三番めのアームを『足』にしやがった!小さな体は2本のアームと共に3本めのアームに支えられながら宙にいる。

 

「これをくらえー」

 

 驚愕した一瞬の隙を疲れ幼女が懐から銃のようなものを取り出し俺に向けて放たれた。

 

 咄嗟に盾で伏せげたのはいいが、手を離さなかったのがいけなかった。

 

「ねんちゃくじゅーなのだー」

 

 盾には粘着質な何かを付着され、それを引っ張られたため手に持っていた盾ごと身体がよろけてしまう。

 

 さらなる隙を見せた俺に待っていたのは1本のアーム、優しく、されど決して離さないように力強く俺な体を巻き上げていく。

 

「つかまえたのだー」

 

「しまっ、うおお!?」

 

 俺を捕まえたまま2本のアームで飛び出して建物の壁を伝って逃げ出していく。

 

「わはー、せんきんのかちげっとなのだー」

 

 俺は戦利品か!このアームを外そうとしても外れないし、持ち物は警棒と拳銃、だが拳銃は腰にあるしアームで巻かれてるため取ることができない。

 

 四肢が自由だからまだ抵抗の余地はある。

 

 久しぶりのピンチに不本意ながら、少しワクワクし始めていた俺がいた。

 




次回!大変!シンきゅんが捕まっちゃった!しかも相手はスーパーヴィランで実は…………?こうなれば少し本気出すしかない!

「第九 、黒き(まなこ)

『ここから先の手加減は、少し苦手だ!』

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