東方妖精旅   作:冥月

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宣戦布告

私とチルノちゃんはしばらくその神社でのんびりしていた

 

諏訪子さんもやってきてよく3人で一緒に遊んだりしている

 

私が前世の記憶から何か面白い遊びを教えてそれをあきるまでやるというのが最近ではもっぱらだ

 

しかし最近諏訪子さんの顔が暗い

 

私は気になり諏訪子さんに尋ねてみた

 

「諏訪子さんどうしたんですか?なんか最近元気がないようですけど」

 

私がそう言うと諏訪子さんはため息をついて

 

「実はね、最近大和のほうの神々がいろいろなところから信教を奪っているみたいなんだよ今は大丈夫だけど、ここもいつまで大丈夫か・・・」

 

そう言って顔を下げてしまった

 

「何暗い顔してんのよ、最強のあたいがいるんだから大丈夫に決まってるじゃないそれより次の遊びを教えなさい大ちゃん」

 

いきなりチルノちゃんが割り込んできた

 

私はそんなチルノちゃんを見て相変わらずだなと思った

 

諏訪子さんもそんなチルノちゃんを見て気が安らいだのか笑みを浮かべていた

 

 

 

 

 

私はすることがないので参拝客を観察していた

 

「おいそこの妖精、これをここの神様に渡せ」

 

と言って知らない女の人が紙を渡してきた

 

「えっと、あなたは誰ですか」

 

そう言うと

 

「誰だと、妖精ごとき゚が神に質問するなど身をわきまえろ」

 

そう言ってどこかに消えてしまった

 

私はひとまずこの渡された紙を諏訪子さんに渡すことにした

 

「・・・おい大妖精この手紙誰から受け取った」

 

諏訪子さんが手紙を読んで険しい顔でこちらに聞いてきた

 

「えっと、知らない人。いやたしか自分のこと神って言ってたよ」

 

私がそう言うと諏訪子さんは

 

「そうかやはり、大和のほうから宣戦布告が来た。戦争になる」

 

そう言ってため息を吐いた

 

「え、戦争って村の人たちは大丈夫なの?」

 

私が慌てて諏訪子に確認をとった

 

「大丈夫なわけないだろ神々の戦いだぞ、大勢死ぬ」

 

私はその言葉を聞いて

 

「なら私に任せて、神々は私が説得してみる」

 

といった

 

「な、危険だぞそれに説得できるとは思わない」

 

慌てて私にやめるように言ってきた

 

「私はもう、身近な人が死んでしまうのはいや、私が守れる範囲では私が守る」

 

そう言って屋敷を飛び出した

 

 

 

 

 

私は空を飛びながら先ほど現れた神の神力をたどり敵の本拠地に向かった

 

その時後ろから何かの気配を感じた

 

「誰!」

 

私は咄嗟に後ろを向き戦闘態勢に入った

 

「あたいをおいて行くとは、それでも大ちゃんはあたいの部下なの」

 

そこにいたのはチルノちゃんだった

 

「チルノちゃんなんでこんなところにいるの」

 

私はチルノちゃんに気付かれないように神社を出たのになぜここにチルノちゃんがいるのか分からなかった

 

「なんとなくこっちに大ちゃんがいるような気がしたのよ」

 

そう言って胸を張っていった

 

私はおそらくチルノちゃんから逃げるのは無理だろうと思った

 

「ねえチルノちゃん私が今から行くところは本当に危険なところなの。だから諏訪子さんのところに帰ってお願い」

 

私はそう言うが

 

「そんな危ないところに大ちゃんを一人で行かせるわけないじゃない。絶対ついて行くわ」

 

そう言って私の隣に付いた

 

(どうしよう、もし戦いになった時流石にチルノちゃんをかばって他の神たちとは戦えないし)

 

私はどうやってチルノちゃんを神社に帰らせるか考える

 

「大丈夫よ大ちゃん、あたいは最強だから何があっても大ちゃんを守るわ」

 

そう言って私の手を握ってきた

 

「分かった、なら絶対に私のそばを離れないでねチルノちゃん」

 

「分かったわ」

 

そう言ってどんどん前に飛んでいった

 

 

 

 

 

「ところで大ちゃんあたいたち今どこに向かってんの」

 

いきなりそんなことを聞いてきた

 

「え、今更!知らないの?」

 

私はチルノちゃんが前にいるし今からどこに行くのか知っているのかと思っていた

 

「あたいはなんとなく勘で飛んでいるだけよ」

 

そう言ってどんどん前に進んでいった

 

「チルノちゃんすごいね・・・」

 

私はもしかしたらチルノちゃんってものすごくすごいのかもと思った

 

 

 

 

 

「ごめんください」

 

私は大和の神がいる社につき門の前で声をかけた

 

「大ちゃん何やってんの?」

 

私の隣でチルノちゃんが首をかしげていた

 

「チルノちゃん、人の家に行くときはしっかりと声をかけないといけないんだよ」

 

私はチルノちゃんが将来困らないように忠告した

 

「私たちは妖精よ、そんなのいらないわ」

 

確かに私たちは妖精だけどそれはまずいんじゃ・・・

 

「でも私たちは一応大使ってことになってるから失礼なことをしたらダメだよ」

 

私がそう言ってもチルノちゃんは首をかしげていた

 

「大使って何?美味しいの?」

 

チルノちゃんは本気でそう言ってるから困る

 

「私たちが変なことをするとね諏訪湖さんが困るんだよ、いいのそれで?」

 

私がそう言うとチルノちゃんは驚いたような顔をして

 

「それはダメね、諏訪湖は私の友達だからね」

 

本当にチルノちゃんが分かってくれてよかった・・

 

そんな事をやっているうちに大和の神がやってきた

 

「お前らか門の前で騒いでいるというやつは。ここはお前らのような奴らが来るようなところではない。さっさと立ち去れ」

 

そう言ってこの神は私たちから背を向けた

 

ここで帰られたら私の立場がなくなってしまうので私はしょうがなく声をかけた

 

「私たちは諏訪大国の使者です。ここの神に合わせてください」

 

私がそう言うとこの神は興味を持ったのか私たちを見て

 

「嘘だったら、どうなるかわかって言っているのか」

 

そう言って見下ろしてきた

 

(あれ?チルノちゃんいつもなら言い返しているはずなのにどうしたんだろう?)

 

私はそう思いチルノちゃんを見てみると

 

「あれ?いない!どこいったのチルノちゃん」

 

私はいつの間にかいなくなっていたチルノちゃんに気づいた

 

「どうしたのだ急に、やはり嘘なのか」

 

「違います、ここにもうひとり妖精がいませんでしたか」

 

するとこの神は何を言っているんだというふうに

 

「もともとお前はひとりでいただろうが何を今更」

 

やばい、チルノちゃんもしかして・・・

 

私は神と向き合いしばらくお互いに無言になってしまった

 

すると門の中が何やら騒がしくなっていた

 

「どうしたんだ、何やら門の中が騒がしいな」

 

まさか、チルノちゃん勝手に入ってないよね・・・

 

すると直ぐに中から一人の神が出てきて

 

「おい、侵入者だお前も手伝え」

 

すると目の前にいた神はいなくなり私一人ぼっちになってしまった

 

どうしよう・・あれ多分チルノちゃんだよね。しょうがないか

 

「こっそり入ってこっそりチルノちゃんを連れて出ればいいか」

 

私はそう自分に言い聞かせて門をくぐった

 

 

 

 

 

「チルノちゃん、一体どこまで奥にいったんだろう」

 

チルノちゃんの居場所は妖力を追えばすぐにわかるんだけど

 

周りに神がたくさんいてなかなか奥に進めないな・・

 

「あたいに歯向かうとはいい度胸じゃない」

 

これ、チルノちゃんの声だ

 

私はそう思い直ぐにその場に向かった

 

「おい、虫ごときで、私達神に勝てると思っているのか」

 

チルノちゃんは何やら強そうな神様にタンカをきっていた

 

(チルノちゃん!何やってんの!)

 

しばらく向き合っていたがチルノちゃんは神様に突っ込んでいった

 

私は咄嗟にチルノちゃんと神様の間に入りチルノちゃんを抑えた

 

「チルノちゃんなにやってんの、私たちは迷惑かけちゃいけないって言ったじゃない」

 

チルノちゃんは私を見て少し落ち着いたようだがまだ怒っていた

 

「だってあいつ、諏訪湖のことを馬鹿にしているのよ」

 

すると神様は私たちふたりを見て

 

「馬鹿にするもなにも神であるにもかかわらず妖精ごときに負けるんだ、そんな負け犬をどう言い繕っても無駄だろう」

 

そういって神様は笑っていた

 

私も少しムカついてきていたがとりあえず頼まれたことを済ませることにした

 

「私たちは諏訪大国の使者です、戦争について話し合いに来ました」

 

すると神は私たちふたりを見て更に声を高々とし笑った

 

「話し合いって何を一体話し合うんだ。お前らも所詮は妖精。話し合いになるはずもなかろう」

 

するといままで黙っていたチルノちゃんが

 

「なら私達と勝負をしなさい。それであんたらが負けたら私たちの言うことをなんでも聞きなさいよ」

 

そう啖呵をきった

 

「・・・・・・・くっくっくく、面白い妖精ごときがほざいたな。その言葉身を持って味わうが良い」

 

「チルノちゃんとりあえず下がってここは私がやるよチルノちゃんが出るまでもないよ」

 

私はそう言ってチルノちゃんと交代しようとした

 

「大ちゃんここは最強の私に任せなさい」

 

そう言ってなかなか変わろうとしない

 

「チルノちゃんは私のリーダーだからリーダーは最後だよ」

 

とりあえずおだてていたら変わってくれるだろう・・・

 

そう思っていたが

 

「大ちゃんリーダーはね最初に立ち向かわないといけないのよほかのやつに任せるようならそれはリーダーとは言わないわ」

 

なんでここでそんないいセリフを・・

 

「私が戦いたいな、諏訪湖様の時はチルノちゃんが頑張ったでしょだから次は私にやらせて」

 

そう言うとチルノちゃんはやっと納得したのか

 

「そうわかったわ、でも危なければすぐに交代よ」

 

そう言って私の後ろに下がっていった

 

「別に妖精ごとき二人同時でも構わないぞこちらは」

 

そう言って神は腰を下ろしたまま私たちを挑発した

 

しょうがないか・・・

 

「それじゃ、もしあなたが勝った場合どうしますか?」

 

私はにっこり笑いそう尋ねた

 

「もしだと・・・私に勝てるとでも思っているのかひねり潰すぞ」

 

そういい、威圧してきた。

 

確かに諏訪湖よりは威圧感があるが正直どちらもどっこいどっこいだ

 

「ここまでコケにされたのは久しぶりだ。おい妖精名はなんという」

 

「人に尋ねるときは自分からじゃないんですか」

 

私がそう言うと神はニヤリと笑い

 

「いいだろう、私の名は八坂神奈子、心に刻み込んでおけ」

 

「私の名は大妖精。直ぐに終わると思いますが覚えといてください」

 

「そうか・・こい大妖精」

 

「行きます加奈子」

 

その言葉が合図になったのか終わった途端に加奈子は御柱を投げつけてきた

 

私は諏訪子みたいにすぐ終わったらつまらないと思い、いつもより軽めに自己強化をし御柱をかわし加奈子に接近した

 

「何!それなら」

 

そういい素手で殴りかかってきた

 

あんた神でしょ、素手はずるくない!

 

私はそう思ったが真っ向から受けた

 

「なんだと、受け止めただと」

 

私はそのまま拳を掴み加奈子の神力を自分に移した

 

「うっ・・これは意外ときついですね」

 

「神の力を妖精が吸いとるだと」

 

「このままではあなたの力を全て吸い取ってしまいますが降参してくれませんかね」

 

私が言外に降参しないならお前を消すぞというと

 

加奈子は負けを認めたのか力を抜き

 

「わかったよ降参だ大妖精お前の勝ちだ」

 

そう言ってきたので私は手を離した

 

しばらく周りがあっけにとられていたが

 

その中から一人飛び出してきた

 

「さすが大ちゃんね、あたいの部下なだけあるわ」

 

すると周りもこの事態に気づいたのか私たちを見て殺気立っていた

 

「やめないか、私が負けたんだこのけじめは私が取る」

 

加奈子はそういい私たちの方を見てきた

 

「それでお前らの目的はなんだ」

 

加奈子はそう私たちに聞いてきた

 

「私たちが来た理由は諏訪大国との戦争をやめてほしいということです」

 

私がそう言うと諏訪湖は少し気まずそうになり

 

「悪いがそれは無理だ・・」

 

と言ってきた

 

「ちょっとあんたさっきなんでも言うこと聞くって言ったじゃないの」

 

チルノちゃんはそう言って加奈子に掴みかかっていた

 

「チルノちゃん待って、なにか理由があるんですか?」

 

私がそう聞くと

 

「この戦争は私一人のものじゃない、。止めることはおそらく不可能だろう」

 

「それならどうにか被害を防ぐ方法はないですか?」

 

私は村人たちだけでも守りたくそう聞くと

 

「・・・それなら一騎打ちならどうだ?」

 

「一騎打ち?」

 

「そうだ、こちらの代表とそちらの代表で戦い勝った方が勝者だ」

 

「分かりました。日取りと場所はこちらで決めさせてもらいますがよろしいですね」

 

私がそう聞くと加奈子はにっこりわらい

 

「ああ、わたしはお前に負けた。それぐらいなら構わない」

 

私はひと段落着いたと思い帰ろうと思いチルノちゃんを見ると

 

「zzz」

 

寝てる!驚いたまさか寝ていたとは

 

どうしよう・・・

 

「・・・今日は泊まっていくかい?」

 

加奈子がそう聞いてきたがここにいると明日が迎えられそうもないので

 

「辞めときます。さっきから殺気がとんできますので」

 

私はそういいチルノちゃんを起こした

 

「zz・・大ちゃん?終わったの?」

 

寝ぼけているが起きたみたいだったので

 

チルノちゃんを背負い私は大和を後にした

 

 


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