「………」
「お~い?聞いてるか?」
「…あっと…いや、ボスはあっちの……無様に気を失ってる男の方」
さすがにワンパン8000は響いたのか、きっちり白目向いてる
てかボスってば彼に目をつけられてたのか…そりゃ余裕も無くなるわ
「えぇ~!?一体何があったんだよ!?」
「それは…うん、まぁ説明はするとして……遊城十代…君?」
学生の頃と変わらない赤いジャケット
後ろに向かって尖った印象の独特な髪形もアニメそのまま
なんていうか、別なタイトルに比べたら大人しいよね髪。色だったり恰好だったり
「あれ?なんで俺の名前。ねえさん、どっかであった事あったか?」
「ん~~~なんて言ったら良いかな…初めましてであってるけど…あ、そうだ!パラドックスとの戦いって覚えてる?」
「遊戯さんや遊星と一緒に戦った時か。懐かしいなぁ…そういえば遊星もあの頃の年齢は過ぎたのかな」
うん、サラッと言ってるけど十代君…今二十代どころか四、五十代かな?
確かエクシーズが登場したZEXALにもしかしたら繋がってるかも知れないって情報を考察した場合、十代君が卒業後30年前後だっけ?
ZEXAL本編も終わってたら大体五十代かなぁ…
そして多少未来の話だけど実はネオドミノシティがそこまでGXとは離れて無いかも?って話も合ったんだっけ?
デュエルアカデミアに居た頃にすでに都市開発は始まっていた的な…
まぁ考察勢のアレコレはそういう解釈の仕方もあるよねって話だから実際はどうか解んないけど…
もしかしたら後の○○次元的な感じで全作品パラレルの可能性すらあるしね
うん、思考がまたまた盛大に飛んでっちゃった
「そうそう、その時の遊星君と似たような感じだと思ってくれればいいよ」
「超えたのは時間じゃなくて世界だけどね」
「多くの異世界を渡った十代君なら、納得は出来るんじゃない?」
「なるほど…って言って良いのかは解んねぇけど、まぁ」
「うん。あっちの世界で十代君の活躍は見せて貰った」
「だからアタシとしては十代君達の一ファンって事で対応してもらえればとか思うわけですよ」
そういうと何となく背後を気にするような仕草を見せる
「……まぁ嘘は言ってないとは俺も思うけどさ」
「…嘘つく理由も特にないしね」
「というか実年齢考えたらアタシより絶対年上よね…若さの秘訣はやっぱり一緒に居るパートナーのお陰かしらね?」
「!?…ねえさんもカードの精霊の姿が見えるのか?」
そういってさっきと同じように自分の背後に
いや、目線の高さで横にも振ったな…そっちはハネクリボーかな?
…やっぱりそこに居るのかぁ
今そこに居ないなら出てこないよねぇその反応は
「あっちでキミの活躍を見たって言ったでしょ?」
「だから当然精霊が居るって話を知ってる。…だけど残念な事に姿は見えてないよ」
「十代君がそっちを気にしてるから解るだけ」
「よく見てるなぁ」
だからアタシと一緒に居る『彼女』が精霊じゃない事も確定しちゃったんだよなぁ
アタシが精霊を目視できるなら十代君を取り巻く精霊が見える筈だからね
『…いつ気が付いたんだい?』
「《三幻魔》の時に多少…決めつけたのは例のカードが何か解った時、かな…」
「アタシを呼んだのが《貴女》でしょ?」
『キミが来るって解ってたわけじゃないさ』
『…別な世界の《械原 遊炎》を願ったのは確かだけどね』
「理由はボスを止める為?」
『僕のデッキは割れてるから勝ち目が薄かったしね』
『面倒だったし何もしないって事も出来たけど…』
「身近で知っちゃったら動かないで見て見ぬふり出来なかった訳だ」
『……』
「そこで睨まれてもねぇ…貴女の行動はそこそこ解るっての」
ようはアタシと一緒で他人を巻き込むのも、至近距離に居て知らぬ存ぜぬで何もしないのもどっちも寝覚めが悪いのだ
「ねえさん…誰と話してるんだ?」
「う~ん…独り言…かな?あとねえさんはちょっと…。アタシは《械原 遊炎》遊炎で良いよ」
あはは…変な人を見る目で見られてるね…
精霊と話してる様に見えない誰かと喋ってりゃそうもなるかぁ
「あ、それでデッド・コピーの話だけど」
「残党はあちこちに放置になっちゃうだろうけど、とりあえずチームは壊滅って事で」
「そうなのか?」
「まぁ…ほら、ボスがアレだし?このまま通報して終わりだからさ」
「ビル内に居た構成員も一斉検挙って事でとりあえずは何とかなるんじゃないかな?」
「マジかよぉ…解決したならいいけどなんつーか…釈然としねえな」
「アタシの方こそ十代君が動いてるならわざわざ出張らなくても解決してたと思うし、なんだかなぁ…って感じだよ?」
アタシの言葉にちょっときょとんとして二人で笑いあう
「さて…これからどうしようかなぁ…
「とりあえずは逃げさせてもらおうか」
「逃げる?」
「だってほら、アタシもデッド・コピーの一員だったわけで」
あ、すっごい顔してる
「意味がわかんねぇ!?え?別の世界から来たんじゃなかったのか?」
『キミさぁ…どうして態々話がこじれる内容を口に出すかなぁ…』
…わざとじゃないもん
どうしよう…
思わず頭を抱えそうになった時に胸ポケットにしまった携帯がまた光りだした
取り出したそれは手の中でどんどん光を強くして行く
「まぶ…」
「なんだ!?この光」
そして手の中で携帯端末はどんどん厚みをなくしていき、1枚のカードに姿を変えた
「……あ」
カードを確認してまた納得してしまった
だからこの端末はあっちの世界のアプリが表示されてたのか
つまるところあっちとの窓口みたいになってたんだ
「これが最後の1枚…ボスが偶然生み出してしまった異物」
「アタシを連れてきた…いや、こっちの世界のアタシとあっちの世界のアタシを
あっちではただのカード
だけどこっちではあらゆる意味で世界に影響を与えるカード
「【超融合】だって!?」
「そういう事。こっちのアタシはデッド・コピーの一員だったけどあっちの世界のアタシと融合して今の状態ってわけ」
「う~ん…このカードどうしようかなっと…ん?」
そして超融合がカードの姿を取り戻すのに合わせてアタシの背後に立っていた彼女の姿が変わっていく
鏡に映ったようにアタシと同じ背の高さ、同じ顔、同じ髪型
『初めまして、あっちのアタシ』
「初めまして?こっちのアタシ」
「名前で呼んでくれなかったのはそういう事よね?」
『気分的に1人称名前みたいな感じになるからねぇ』
だよね~
アタシだったらそういう変なとこ気にするもん
「それで、このカード要る?」
『正直新しい火種になりそうな気しかしないから要らない』
「デスヨネー……だったら…」
「十代君。お願いが2つあります」
「お願い?」
「1つ、このコピー【超融合】の処分をお願いしたいです」
「十代君の持ってる本物に比べると劣化版にしか過ぎない偽物だけど、それでも求めるアウトローは多いと思うので」
【超融合】を十代君に向かって差し出す
「…OK。それじゃ俺が責任もって処分するぜ」
そういって手を伸ばしてくる十代君の手を躱す
「はぁ?」
「そしてもう1つ。アタシの今の完成型のデッキでデュエルをして欲しい」
「ただ、あっちでは大量生産されてる通常使用できるカードだけど、こっちではコピーカードになっちゃうカードも大量に入ってるし」
「なんならこの【超融合】も使うし」
「それにキミ達を馬鹿にしてると思われるかもしれないカードがメインだったりする」
「だからこっちのお願いは断ってくれても構わない」
「もし、受けてくれるならデュエル中におかしな事はしないって
「…三流だけど」
十代君の目が鋭くアタシを見る
だけどすぐに緩めて口を開いた
「…いいぜ」
「騙すならもっと別な手もあるだろうしな」
「それに、遊炎の目は少なくとも恥を知ってる目だ」
「悪い事にはなんねーだろ」
「ありがとう十代君」
デッキに【超融合】を足してアタシのデッキが完成する
デュエルディスクにデッキをセットすると、直ぐに自動でシャッフルが始まった
『随分と緊張した顔してるわね』
「そりゃ本人にアナタのカードですって見せるとかとんだ羞恥プレイだし」
『けどそれを望んだんでしょ?どM?』
ビビってるしやっちゃったと思ってるけど…自然に口角が上がる
「…オタクの悲しい性だと思ってちょうだい。本人を前にして思いを伝えずには居られない」
『やれやれ…自分の事ながら面倒な女ですわ。で?それが出来れば無様に負けても構わない?』
「…とーぜん。簡単に負けてあげるつもりはさらっさらない!」
シャッフルが止まる
顔を上げると十代君と目が合う
一瞬だけその眼が金色がかったオレンジと緑のオッドアイに変わる
「わぁ…本気だぁ」
「それじゃ、楽しいデュエルにしようぜ!」
ライフ4000が表示されると同時に声を張り上げる
「『「デュエル!!」』」
Q.十代の喋りに違和感が…
A.キャラの理解度というか、再生度が低いのは腕が悪いせい…すまない
最終戦、遊城十代戦開始です。
こっちの自分戦と最後まで悩んでたんですが、初代遊戯王味が強くなるなるかな?と判断して止めました
衍字の指摘を頂きました。
有難うございます。
アニメのデュエル解像度を上げたいので最終戦の更新は少し遅れるかもしれません。
次回までゆったりお待ちください