最強の覇気使い(なる予定の)男の話 作:ハッピーエンドの話をしよう
「‥だが、まだまだと言ったところだな。」
ロジャーは10km先にいるガキのことを見ながら、そんな言葉を漏らす。自身と同じ位の覇気の使い手であることは、先程の自身の斬撃を武装色で受け止め、無傷でいる事や自身の背後にいたときに放ってきた敵意。謂わば覇王色も、あのロジャーですら少しびっくりしてしまう位の威力があったという事から。
だがそれでも、それほどの覇気を持っていても、あのガキにはまだ戦闘経験というのが足りていない。‥‥だが、それも今後自分達との航海の中で経験を積ませていけばいいだろう。と、ロジャーは考えていた。つまり、だ。ロジャーの中では目の前をガキをどうするのかについて、既に方針は決まっていた。
ロジャーはニヤリと笑みを浮かべ、ガキを見る。
「あいつは絶対に仲間にする!」
この時、俺の運命は既に決まったも同然だった。
それからレイリーが来るまでの間、俺はロジャーと戦闘(ロジャーによる一方的な蹂躙)をし、この先経験することが決してないくらいの大敗北を喫した。
―――
「それが俺とロジャー船長の出会いだ。」
場所は変わって、レッド・フォース号。俺はロジャー船長達との旅の後、紆余曲折あってシャンクスの船に乗せてもらっている。勿論何の条件もなしに乗せてもらっているというわけでなく、"俺が自分の海賊団が作れる迄"。それまでの間なら乗せてくれるという話だ。正直シャンクスには負い目を感じてるから、早く自分の仲間となるもの達を探し、下船したいと考えている。
「‥シャンクス、またピーターが嘘言ってる」
「いや、これ嘘じゃないって何度m「またその話か」‥シャンクス」
シャンクスはため息を一つつくと、俺の首に手を回し、肩を組んでくる。そしてウタのいない方へと歩きだすと、誰にも聞こえない位の声で喋りだす。
「すまんな、ピーター。いつもウタの面倒を見てもらって」
「‥‥」
「?どうした、ピーター。」
「‥あ、あぁいや、俺はてっきりお前に怒られるとばかり」
「怒ってほしいなら全然怒ってやるが」
「いや、いい」
そんな会話を交わしていると、突然ベックマンが会話に割り込んで、じゃなくて会話に参加した。
「そろそろ島に着くぞ。」
「島?‥そういや、俺達ってどこ目指していたんだっけ?」
「確か、音楽で有名な島じゃなかったか?‥確か名前は「エレジア」そう、それだ!」
俺とシャンクスは二人揃って笑った。
確か、ロジャー船長達と航海してた時も確かこれに似たような事があったことを思い出す。あまりの懐かしさについ涙が出そうになるが、それはちょいと我慢する。流石に、シャンクスの前では泣けねぇや。
「上陸の準備をするから、お前も手伝ってくれ」
「あいよ、了解」
俺とシャンクスは一頻り笑うと、シャンクスは俺と肩を組んでいた手をどき、船長として役割を果たすために俺の元から離れた。俺は俺で、上陸の際に少し荷物を下ろすらしいのでそれの手伝いに向かう。その途中、ウタがシャンクスとどんな話をしたのかを聞いてきたが、俺は「後で教えてやる」と言い、荷物を下ろす準備をしているラッキー達の元へ向かう。
「それで全部か?」
「いや、あと幾らかあるはずだぞ」
「おっけ」
それから少しして、俺達はエレジアに上陸したのだった。
―――
俺達がエレジアを目指したのは、一重にウタの為と言える。ウタはトンでもなく歌が上手く、ウタの歌声を初めて聴いたときは酷く涙を流した覚えがある。‥あのときのことをウタに、というかシャンクス達によく弄られるが、アイツらも俺と同様に泣いていたので、それはお互い様だ。といつも言っている。まぁウタの方も俺の事を弄りはするが、本音を言えば嬉しかったらしい。
とまぁウタの歌声に纏わる記憶だとこんな事があったが、それも今では良い思い出だ。‥時たまシャンクス辺りがその時の事を掘り返して弄ってくるがな。
さて、そうこうしていう内にシャンクスとこの島の王様であるゴードンさんとの会談は何事もなく無事に終わったらしい。
「ウタの事、よろしく頼む」
「あぁ、任せてくれ」
シャンクスがゴードンさんに頭を下げると、それに動揺したのか、ゴードンさんがあたふたしだす。それが面白かったのか、ウタは凄く楽しそうに笑った。 俺はそんな光景を見て、「この人になら、ウタを任せられるな」と一人考えていた。
一応補足。
ハラリ島でロジャーが出会ったガキは、ピーターくんです。