わしが浦風(自称)じゃ!……いや(自称)ってなんじゃ。   作:かきなぐり

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のっけから大ピンチじゃ!

「あーあーあー! こがぁなことになるんじゃったらやっぱ海なんぞ出るべきじゃあなかったかもしれんね!」

 

 十数キロ先に見えるのは見るもおぞましい深海棲艦、わしこと浦風はその深海棲艦から今まさに砲撃を受けとる最中じゃった。

 

「流石に誰もおらん無人島にずっと引きこもっとるわけにもいかんけぇ、一念発起して海に出たんはいいものの……こうも早よから襲われることになるとは思わんかったわ……っなんとぉ!!」

 

 重巡の砲撃を間一髪のところで避ける。砲弾は背後に着弾し、派手に水柱が立ち上がった。

 見るからに状況は良くない、敵の砲撃は徐々にじゃがわしを捉えており、至近弾も増えてきとる……。

 

「こりゃあまずいのう……! わしは海に出たばっかで戦うたことなんぞ一回もないうえ、そもそもは艦娘ですらない一般人じゃぞ! じゃけぇ言うてこのままじゃあジリ貧もいいとこじゃが!」

 

 敵は重巡一隻、軽巡二隻、駆逐艦三隻の編成で、駆逐艦はなんとかなるにしても、わし一人じゃあ軽巡と重巡はどうにもならん。

 せめてもの抵抗としてこっちもアニメやらゲームやらで見た記憶を呼び覚まし、見よう見まねで砲撃をして抵抗を試みる。艤装が一般的な拳銃のような感じじゃったんで撃ちやすいことは撃ちやすかった。が、

 

「んんんんんん!! 案の定全く当たらんわ! やっぱド素人の砲撃じゃあ全然ダメじゃのう! 全く当たる気がせん!」

 

 やっぱりわしの砲撃じゃどうにもならん! わしなりに狙って撃つものの、波や航行の揺れもあり思った方向に全く飛ばん! まぁそりゃそうじゃろうな! こちとらサバゲーもやったことのない人間じゃったんでな! 

 しからば最後の手段といこうかね!

 

「通信とかどうすりゃええんか皆目わからんが……! あーあーあー! 誰か聞こえとるか!? こちらは駆逐艦浦風じゃ! わしゃあ今深海棲艦から攻撃を受けとるんじゃが、誰ぞ救援に来てくりゃせんか! 聞こえとったら是非頼みたいんじゃが!? 繰り返す! こちらは駆逐艦浦風――」

 

 これホントに通信できとるんか!? 全然わからんけぇこれも見よう見まねでやるしかないんじゃが……まぁわからんでもとりあえずやってみるしかないのう!

 

「ちくせう! 艦娘に憑依か転生かしたと思ったときゃあそれなりに喜んだもんじゃが! 実際に深海棲艦を相手にするとそんな気持ちも吹っ飛んだわ! 本家の艦娘はようやっとるもんじゃね!」

 

 敵の砲撃をギリギリのとこで躱しつつこちらもお返しとばかりに砲撃する。

 やっぱりこっちの攻撃は当たりゃあせんものの、敵の動きを牽制する程度の効果はあるようじゃった。

 

「どっかの見本も言うとった、逃げ回りゃ死にゃあせんとな! 奇跡を見せてやろうじゃないか!」

 

 よく考えたらコレ海賊のセリフじゃな。海を守る側の艦娘が海賊の台詞を口にするのはどうなんじゃろうかと思いつつ気合を入れ直し、改めて通信で救援を求めようとしたその瞬間、

 

『――ザ――ザザザッ――ザザ……ぇるか……聞こえるか!? こちら呉鎮守府所属、遠征艦隊旗艦の磯風だ! これより貴艦の救援に入る!』

 

 来た! 駆逐王来た! 料理下手来た! これで勝つる!

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