Side砂亥兎
「邪魔だ!」
「砂亥兎、こっちは片付いたわ!」
「…」
不良共の余計な行いのせいで飛ばされた先で遭遇した魔物の軍勢の対処のほとんどを俺と梓がしていた。
無論元の世界で特環から持ち出しいざという時の為に隠し持っていた持ち込めた武装一式を使ってだ。
「な、なんで!?」
無論俺達の事をよく知らないクラスメイト達は驚く。
「ハジメに作ってもらった」
勿論これはその場限りの嘘なのだがハジメのジョブを理解している面々は納得していた。
当のハジメはというと…
「錬成っ!」
「グガア!?」
貧弱なステータスでありながらもこの世界で蓄えた知識をフルに活かしてボスであるベヒモスに仕掛けていた。
だが低過ぎる故に決定打を与えられていない。
「ハジメ!」
「虹佐羽君!?後ろは大丈夫なの!?」
「ああ!コイツで俺と梓でほとんどを処理したからな!」
「え!?」
俺が駆けつけるとハジメは驚く。
これみよがしに拳銃を見せると二度驚く。
「それどうしたの?!」
「召喚される時に持ち込んだ。
とりあえずお前が作った事にしているからそこら辺は頼むな」
「ガアアア!」
話最中にベヒモスが咆哮を上げる。
「可能な限り弾の無駄な消費は避けたい…ハジメ一分だ!足止め出来るか?」
「任せてよ!」
「そう言ってくれると思っていたぜ!」
そう考えた俺はハジメにベヒモスの足止めを頼んで準備に入る。
戦闘用コートの内ポケットに忍ばせてあるスナイパーライフルを取り出して構え叫ぶ。
「来い!スカーレット・インフェルノ!」
「キュオオオオ!」
俺の呼びかけに応じて地面から深紅の巨大なアリジゴクが出現する。
コイツこそが俺に憑いた虫だ。
そしてスナイパーライフルに同化しパワーアップを施す。
「ハジメ準備完了だ!離れてくれ! 発射!」
準備完了を伝えてハジメが距離を取ったのを確認してから即座に撃ち込んだ。
「ガアアア!?……」
流石に俺が放った一撃に耐え切れずにベヒモスの体にはデカイ穴が空き絶命した。
それを見て安堵しようとした俺達だったが…
「何っ!?」
「え!?…」
不意に俺を横切ってハジメの足元にへと火球が撃ち込まれたのだ。
やらかしたのはやはりアイツか!
それよりも…同化を解除して急いで手を伸ばしたが時既に遅しハジメは火球のダメージで崩落した奈落の底へと真っ逆さまに落ちていってしまった。
「南雲君ー!?」
落下していってしまったハジメを目撃した白崎さんは悲鳴を上げる。
「インフェルノ!」
「な、なんだコイツ!?ぐえっ!?…」
「「!?」」
すぐに虫に指示を飛ばして犯人を確保させる。
それを見て他のクラスメイトらは驚くが俺は構わず奴に叫ぶ。
「檜山ァー!今此処で大人しく罪を認めて懺悔するのと俺の虫にブチッと殺られるかどっちがいいか選びやがれ!」
俺は殺気を込めて犯人である檜山に言い放つ。
「虹佐羽!?一体何をやって…うっ!?」
「今は砂亥兎が話しているの。甘ちゃんの外野は大人しくいて」
そこで天之河が喚いてくるがすぐに梓が呼び出した彼女に憑いているアブラゼミの放った超音波で動きを制限される。
「ほ、堀崎さん!?…一体その怪物は…」
「後で説明するわ…今はそれよりも」
「うぐぐ…あ、あれはちょっとした事故で…」
「ふん!」
「あがが!?…」
檜山がもっともらしい言い訳をしたので絞める力を強めた。
「見苦しい言い訳してねえで大人しく認めろと言った筈だぞ」
「流石にそこまでにするんだ!本当に死んでしまうぞ?!」
「命拾いしたな…」
メルドの静止が入った事で俺は檜山を解放し迷宮から帰還する。
そして会議室で今回の件に関しての報告会が開かれる。