最悪の状態で始めるイナズマジャパン。それぞれが気合いを入れる。だが、1人だけ不安を抱えていた。キーパーの立向居である。ここまでの出場は、ネオジャパンとファイアドラゴンの数分のみ。しかも、必ず円堂が控えていた状況のみ。つまり、立向居の円堂の抜きの試合は、これが初になる。
「自分に円堂さんの代わりは、務まるのか?」
そんな中、試合は始まる。先攻は、イナズマジャパンから。豪炎寺やヒロトを中心に攻め上がる。だが、世界屈指の鉄壁を誇るジ・エンパイア。ちょっとやそっとじゃビクともしなかった。そして、彼らは攻撃も優秀。さっそく、二人のFWにボールが渡ると、1人のFWが必殺シュートを放ってきた。
「ムゲンザハンド!くっうわぁ!」
立向居の渾身の必殺技も通用しなかった。それもそのはず、立向居の技は、全部円堂のお爺さんの技であり自分の技でないのだ。本人もそれを気にして、この試合が始まるまで特訓していたが、上手くいかなかった。その後、一年生組と綱海の力を借りて何とか形になったが、それでも立向居にとっては成長の一歩だった。時は、試合に戻ってアルゼンチン戦。先制をされた日本代表。再び、前線のスリートップを中心にシュートを放つがテレスとキーパーの壁は、厚かった。さらに、厄介なのは必殺タクティスの「アンデスのありじごく」である。ドリブルする選手をありじごくのように身動きを取らせないようにする陣形技。これの相まってアルゼンチンは、鉄壁を誇る。だが、イナズマジャパンは誰1人諦めておらず立向居を中心に変わって行く。再び、シュートを放たれた。しかし、立向居の目には、憧れの円堂と同じ熱き闘志が宿っていた。
「(ここは、絶対止めてやる!)マオウザハンド!」
この土壇場で見事に完成した。そして、ここからはカウンターが始まる。どんどんボールを回していく日本代表。ボールが栗松に渡ったところでアンデスのありじごくが発動される。だが、栗松は粘りなんと突破することに成功。そして、ボールが最前線の三人に渡り、三人はここで新必殺技を放つ。
「行くぞ!ヒロト!虎丸!」
「うん!」「はい!」
「「「グランドファイア!!!」」」
「「ぐわぁ!」」
遂に鉄壁のゴールを破ったイナズマジャパン。ここで、波に乗りたかったが、スタメンと監督がちゃんと揃ってる敵の方が一枚上手であり、グランドファイアを打つ前に三人を揃えさせずにするなどの作戦を敷いてきた。結果、日本代表は、失点することもなかったが、得点が取れずに敗退することになった。その後、円堂達と久遠監督が合流する。
「すみません!円堂さんの代わりにゴールを守る事ができませんでした。」
「俺もだ。円堂の代わりにキャプテンマークを巻いて戦ったがお前のように勝利を導けなかった。不甲斐なくてすまん!!」
二人に続き皆が試合を反省して円堂に謝罪するが、円堂は受け止めて皆を励ます。
「何言ってんだみんな!よく頑張ってたじゃないか!立向居、マオウザハンド凄いじゃないか!ちゃんと、最後までゴール守ってみせたじゃないか。風丸!お前のおかげでこの結果まで行けたんじゃないか!自信持て!」
「「円堂」」「円堂さん」「「キャプテン」」
そして、円堂がチームを励ました後、久遠がチームの士気を高めた。日本代表は、気を引き締めることができた。すると、日本代表にテレスが近づいてきた。
「お前達、見直したぞ!始めは、力の差を考えてなくて舐めてきたのかと思ったが、なかなか熱いハート持ってんじゃねーか!次は、万全の状態でやろうぜ!」
「ああ!次は、絶対負けないぞ!」
熱い握手を交わした両キャプテン。こうして、イナズマジャパンは先がわからない状態になる。だが、次のアメリカ戦に向けて気合いを入れるのだった。一方、コトアールのリトルギカントの宿舎。山城が帰ると、メンバーと夏未が話掛けてきた。
「本当にブラジル戦棄権するの?何かの間違いじゃなくて?」
「いや本当だ。これは、ダイスケにも了承を取っている。すまないが、今回の試合は諦めてくれ。」
「その分けは、キャプテンのボクにも話せないの?」
「ああ、此ばっかしはな。」
「そうか。」
「だが、勘違いしないで欲しい!ダイスケさんは、お前達の実力を勝ってのことだ。決して、お前らの実力を信じて無いわけではないんだ!」
沈黙する一同。だが、山城の真剣な姿勢と普段の仲を信じた。
「わかったよ!今回は、ダイスケの作戦に乗るよ!」
「すまねぇな。助かる。」
「けど、いつかは話してくれよ!約束だよ!」
「ああ!それは守ろう!」
こうして、リトルギカントのブラジル戦は終わった。そのうらでは、ガルシルドが今回の棄権と影山からの強化プログラムの結果を聞く。
「ガルシルド様、今回の結果報告と情報です。」
「ウム。やはり強化プログラムにはまだ改良が必要だな。そして、やつはブラジル戦には顔を出さないみたいだな。わかった。強化プログラムの方はそのまま続けろ。ダイスケの方は、またいずれ仕掛けようじゃないか。」
「は、かしこまりました。」
闇は、まだまだ裏から動いている。果たして、この裏の戦いはまだまだ続きそうだ。