世間の風
世界大会を終えた山城。彼の活躍は、日本は勿論。海外でも話題になった。優勝を逃しているとはいえ、やはり得点王を獲得していることや大会でのインパクトは、絶大である。だが、そんな彼には悩みがある。
「今回も断られたか。」
「しょうがないよ。いくら僕らの活躍があったとしても、過ちで失った信用を取り戻すのは、難しいね。けど、諦めないよ。勝利の女神は、諦めの悪い方に微笑むってね。彼らのように。」
「ま、そうだな。」
「そういえば。君は、良いのかい。」
「何が。」
「だって、世界大会後から海外のチームからオファーが来ているんだろ。もうこの学校に居なくても良いんじゃないかな。」
「確かに話は、来ている。だが、このチームの選手だ。薬を使用していなかったとしてもそれを黙認して試合したんだ。同罪に等しい。なら、少なくとも卒業までの時間をこのチームに使う。」
「山城くん。ありがとう。よし!そうと決まればどんどん色んな学校に連絡を取って少しでも信頼を勝ち取れるようにしよう。」
「そのいきだキャプテン。」
「そろそろ練習に混ざらないと。みんなに怒られそうだね。君は、どうするんだい?」
「俺は、少ししたら行くから先に行っててくれ。」
「わかった。」
そう言うとアフロディは、部室を後にした。残された山城は、携帯を開き写真フォルダを見る。そこには、自分と仲間となった者たちの思い出が詰まっていた。尊敬する監督の元に集まった仲間達、日本の危機に立ち向かうために幼なじみのチームに加わった時の仲間達、そして、世界の強者達を相手に挑戦した仲間達。それぞれで、それぞれの思い出が溢れている。写真を見ている彼は、試合で見せない優しい顔していた。携帯の時間が見えて携帯をしまい練習に向かう。世宇子中の練習が終わりメンバーと別れる。部室に戻り新聞に目が入る。記事は、イナズマジャパンとそのメンバー達のことが多くかかれているが、その横に書かれているチームの評価。いくら中学の試合とはいえやはり世間まだ「ドーピングを使用した卑怯者」というレッテルとして見ている。それもあるのか練習できるが、試合を組めない。いくら練習すれどやはり試合での経験とは、比べ物にもならない。
「やはり強豪や古豪、中堅クラスは、受けて貰えないか。となれば、弱小か、新設か、はたまたうちと同じ出場停止明けのチームか。多分見つかりは、するんだろう。だが、それではうちの連中に試合の感覚を戻すことをできても上達はしないだろう。どうしたものか。雷門や帝国とかに頼めば受けてくれるかもしれないが、交通や予定等の面で数を重ねることはできないな。どうするかな。」
悩みのつきない問題に直面している山城。そんな時に携帯が鳴る。開くと、電話が来ていた。相手は、年の離れた彼女からであった。
「久しぶりね一平くん。」
「久しぶり瞳子さん。」
「ネットとかであなたの学校について触れられてるけど、やはり相当参っているみたいね。」
「流石に世間は、そう簡単に許してくれない。なかなか悪いイメージを払拭できない。」
「そう。それは、深刻ね。そこで、あなたに良い話があるの。」
「良い話?」
「試合の相手を探しているのよね。」
「そうだけど。どこかの学校とツテがあるの?」
「残念だけど無いわ。けど、確実にあなたのチームと実力が同じか同等のチームがあるわ。」
「どこの学校?」
「エイリア学園改めて永世学園よ。今年から新設された学校よ。」
「!永世学園。なるほど、ヒロト達なら。」
「どういたしまして。未来ある若者が悩んでるのに、大人が手を差し伸べないわけにいかないじゃない。」
「ありがとう瞳子さん。大好き!」
「!?もうこの子は。」
その後、予定を決める。ついに、試合相手が決まった。その事をメンバーに伝える。喜ぶ一同。来る試合に備える。