大差をつけられている世宇子。前半と同じフォーメーションで挑む。だが、彼らの眼つきが変わったのは、永世のメンバーも気づいていた。
「ヒロト。」
「ああ。明らかに前半と表情が違う。彼は、どんな魔法を彼らにかけたのかな。」
「馬鹿言ってないで備えるぞ。下手したら怪物も黙ってなそうだしな。」
「そうだね。」
ボールは、永世中から。ヒロトが、南雲に渡すと一気に世宇子の全員一斉に向かって来る。先程のマンツーマンで仕掛けるのではなく、複数で動き一気にパスコースを塞いだ。結果ボールを奪うことが出来た。そして、アフロディの合図により全員が攻めあがる。ボールは、まるで生き物のように選手から選手へとスムーズにわたっていく。そして、前線に上がっていたアフロディにわたる。キーパーのネロと対峙する。
「こい。じくうのかべ。」
「行くよ。ゴット・ブレイク!!」
この試合初めてのアフロディのシュートは、凄まじい威力を誇りネロの技ものともせずにゴールに刺さる。それは、世宇子の再出発の号令であった。メンバーは、勿論。ベンチに座っている山城も笑みをこぼす。それからは、世宇子のペースで進んでいく。点差もどんどん縮まっていく。そして、三点差のところで瞳子が、八神を呼ぶ。そして、耳打ちで作戦を伝える。八神は、すぐにメンバーに伝える。
「それでいけるのか。」
「大丈夫。瞳子姉さんの考えだ。奴らの勢いを止められるだろう。」
「まあ今の状況じゃ、逆転も時間の問題だしね。ここいらで、やり方を変えようか。」
「よし。まずは、止めるぞ!!」
「「「おう!!」」」
永世は、さっそく罠を仕掛けるためにフォーメーションを代える。先程より後ろに人員を増やした。それを見ていた山城は、複雑な表情を浮かべていた。そして、永世ボールから再開。先程と同じように全員で点を取るスタイルで向かっていく世宇子イレブン。ボールを取ることが出来た。だが、瞳子の罠にかかる。パスのコースを塞がれた。結果、回りが悪くなり再び衛星のターンになる。せっかく縮めた点差も徐々に広がる。残り時間も少なくなる。
「(ここまでだな。)アフロディ!」
「!そうか、もう時間か。審判さん!」
フォワードの一人と代わり怪物が出る。その瞬間、フィールドに重圧がかかる。
「ついに来たわね。」
「姉さんどうする。フォーメーション戻した方が良いかな?」
「いえ、問題ないわ。今回は、彼の攻撃に耐えることも目的だから。守ってチャンスが来たらどんどんせて行きなさい。」
「わかったよ。」
再開の笛が鳴り、山城は、パスを貰いドリブルをする。世界の猛者との試合で鍛えたそのプレーに誰もが見とれた。そして、そのままシュートを決める。誰もが、点が入ったことで、初めて自覚をする。
「流石だね山城くん。また一段と磨きがかかってるね。」
「まあ事務作業しかやらないで、質を落としたらあいつらに申し訳ねぇからな。」
「ふふ。相変わらず優しいね。」
「さて残り時間少ないしもう一点取るか。」
「そう易々いかせないよ。」
永世ボールで再開する。今度は、涼野が攻める。だが、怪物が行く手を阻む。
「山城。ここで貴様を超える。」
「かかってきな。お前の実力を見せてみろ。」
自分の持ち味の速度を活かし抜きに掛かる涼野。緩急をうまく使うことが出来、抜くことが出来た。
「私の勝ちだな。」
「悪いがお前の行く先に光は、ない。」
山城の後ろからアフロディが出現し、ボールを奪取。そのまま先程同じように全員で攻める。永世は、カウンターを仕掛ける。さっきまでの世宇子ならカウンターがきまったが、怪物の介入によりその策を崩される。
「行かせないぞ山城。」
「悪いな八神。前なら抜きに掛かるが、今回は、こいつに決めてもらう。頼むぞキャプテン!!」
「な!」
山城は、空にボールを打ち上げる。すると、神が空に君臨してそのまま叩き込んだ。ネットに豪快な音が響き渡ると、審判の終了の笛が鳴った。