フィディオのチームに合流した山城。練習開始前に軽い挨拶をしアップを始めると、たくさんの視線を感じた。それもそのはず。山城は、中学生の世界大会で準優勝し得点王になったのだ。つまり、世界が注目している選手達を押しのけて得点を積み重ねたのだ。世界からすれば注目株の1人に躍り出たのだ。そんな山城がチームに入って来たのだ。誰もが注目していた。そして、数時間後にコーチが選手達を集合させる。コーチは、今から試合を組むという。チーム分けとしては、レギュラーとサブで別れた。サブ組には、ビブスが配られていた。オルフェウスに選抜されていたメンバーは、勿論レギュラー組であり、新加入の山城は。
「まあ、勿論サブだな。」
「あまり気にしないんだな。」
「悔しくないって言ったら嘘になるけるけど、新参者がサブで様子見ってのは、良くある話だしな。」
「そうなのか?俺は、レギュラーだったけど。」
「お前は、この国の有名人だろ。俺とかとは、違う。だからこそこの試合でまずは、アピールだな。」
「そっか。悪いけど、練習とはいえ負けないぞ!イッペイ!」
「当たり前だ。全力でやらせてもらうぜ!フィディオ!」
二人は、それぞれのチームに分かれる。何やら作戦を話し合うが正直山城には、ほとんど理解できなかった。言語の壁に苦戦した山城は、とりあえずプレーの中で合わせようと試みる。レギュラーからのキックオフとなった。流石に強豪というだけ全員の実力が高い。そして、フィディオにボールが回ると一平が構える。
「行くぞ!イッペイ!」
「こいよ!フィディオ!」
世界大会でも注目されたフィディオのスピードの乗ったドリブルに付いてい行く山城。
「やるな!けど、俺の勝ちだ!」
「な!(さらに加速だと!?)」
突破を許した山城は、フィディオの成長に衝撃を受けた。フィディオは、そのまま他のチームメイト共に駆け上がり先制をきめた。その瞬間を見る山城は、笑みを零す。再開の笛が鳴りボールを貰った山城の前にフィディオが立ちふさがる。
「さて、第二ラウンドだ。」
「見せてみろ君の実力を。」
先程のフィディオの動きに対して山城は、緩急と不規則な動きを取り入れたドリブルで勝負する。
「(左か!)」
「外れだぜフィディオ。」
「!」
見事に逆を突くことが出来た山城は、そのままゴールに向かって突き進みゴールを奪う。
「同点だな。」
「ああ。けど、君は、ここから点を取れなくなる。」
「?どういうことだ?」
「すぐに分かるよ。ここは、代表チームじゃないからね。」
フィディオの言葉が心に引っかかる山城。それは、直ぐに訪れる。またフィディオを対峙する山城。今度は、動きの先を読んで止めに掛かるが、フィディオは、パスを出しワンツーパスで山城を抜く。そして、勝ち越しゴールを決められた。山城は、仕返しとばかりにドリブルで仕掛けてフィディオを抜いた。その瞬間、フィディオは、山城に聞こえるように呟く。
「味わうといい。これが、ホントの世界だよ。」
「何を言って。!?」
山城の目の前にヘルプの選手が来た。これによりコースが狭まった。だが、山城は、強引に抜きに掛かる。この戦法は、良くとられていたからである。
「(こんな事どうにでも。)「いただき!」!?」
後ろから走ってきた流星にボールを取られた。そこからカウンターで追加点を取られた。山城は、作戦を変えてフリーの味方にパスを出す。だが、カットされた。ここから試合は、一方的になる。そして、笛が鳴り試合が終わるころには、圧倒的スコア差を記録した。