場所が代わり日本。雷門中では、今日も円堂を中心に熱のある練習をしていた。休憩に入り鬼道は、マネージャーたちに頼んでいたものを見ていた。円堂は、気になり話しかける。
「何を見てるんだ?鬼道。」
「ああ、今大会に出場しない例の自由人の様子をだな。」
「一平かあ。いきなりだもんな。まさか、海外のチームに行くなんて。」
「もう一度対戦できると、思ってのだがな。だが、あいつらしい。」
「それで、一平は、向こうでも活躍しているのか?」
「いや、そう言うわけでもなさそうだ。これを見てみろ。」
「どれどれ……!?」
そこには、ベンチからの出場している山城の姿があり、記事には、「期待外れ」「監督やチームメイトとの確執か?」などとあまり良い記事で書かれていなかった。
「こんな事って。なんで一平が?」
「わからない。記録を見る限りでは、何試合かは、得点を記録している。」
「つまり、ただ外されているわけでもないんだな。」
「俺は、そう考えている。あいつほどの選手を起用しないというのは、愚策だ。きっと山城への課題か何かを与えているのだろう。」
「課題?それは、一体。」
「さあな、こればっかりは、奴にしか分からないだろう。」
「そうか……よし!決めた!俺も海外に挑戦だ!」
「「!!」」
「本気か?円堂。」
「何もいきなり決めるなんて……。」
「今じゃないさ。未来の話になるけど、いつか海外のプロリーグで一平と勝負する。その為には、次の大会絶対優勝するぞ!!」
「ふ、お前らしいな。」
「俺もそうするか。豪炎寺、お前は、どうする?」
「当たり前なことを言うな鬼道。勿論、行くさ。奴への挑戦は、まだ終わっていないからな。」
「よおーし!!一平に負けないくらいに頑張るぞお!!」
海の向こうの好敵手に燃える三人。だが、燃えているのは、彼らだけでない。北海道の狼が、京都の小さな弟子が、福岡の守護神が、そして、かつての怪物と共に試合した者達が再戦を熱望する。場所が代わり、イタリア。グランドには、怪物が1人でボールを蹴っていた。課題のパスの精度である。
「こうして……ああで……そこに……!?。……やっぱり、上手くいかねーな。」
ここ数試合での試みから出てきたズレをひたすらに修正する。精神を研ぎ澄ましイメージを作る。そんな怪物の下に近づく者がいた。
「やってるねイッペイ!」
「!フィディオか。」
「この間の試合の反省かい?」
「ああ。あの試合も一人でぶち抜くこともできたが、監督から言われている課題の改善には、ならねぇ。」
「そうか……なら、俺とコンビにならないか?」
「コンビ?」
「そう!君のパワーと俺のスピードを合わせれば課題に少し近づくんじゃないか?」
「けど、それじゃあ他の奴らが生きないんじゃ……。」
「俺たちのこと気にしてんじゃねーよジャパニーズが。」
「!おまえら……来ていたのか?」
「フィディオから聞いてな。1人で寂しくやってんじゃないかってな。まさかと思ったが、ホントにやってるとはな。」
「ホント軽く引くよね。」
「フィディオ。」
「たしかに、僕らは、ライバルさ。けど、チームなんだ。だからこそ、1人1人の力が一つになる必要があるのさ。これだけの仲間がいても君は、まだ1人でやるのかい?」
「ふ、あははは!!そうだな!何センチメンタルなことしてんだ俺。よし!これからたくさん手を借りるけど、頼むぜ!みんな!!」
「「「おう!!」」
チームが一つになる。それを見ていた監督・コーチは、笑みを浮かべる。そして、それから数日後の試合。スターティングメンバーに山城の文字が記入される。