「おつかれ!」
「おつかれ!」
練習が終わり、それぞれが解散する。帰路を歩く山城。今日の反省をしながら歩く。
「今日は、内容が改善できた。この調子ならリーグ優勝も揺るがないだろうな。さて、そろそろ出てこい。後ろからつけられるのは、趣味じゃねぇ。」
そう言うと後ろの影が、姿を現す。
「気づいていたのか。」
「お前は、この間のローブ野郎か。また過去に飛ばすのか?」
「いや、今回は、君にお願いがある。」
「その前にローブをとれ。」
「!?すまない!」バサッ
ローブのフードが取られて素顔を見せる。
「その髪の色、お願いってもしかして……。」
「ああ、大方あってる。頼む!息子に力を貸してくれないか!!」
フードの男は、フェイ・ルーンの父 アスレイ・ルーンと名乗った。アスレイは、影から息子のことを心配して見守ってると話してくれた。山城は、事情を聴いて頭を掻く。
「まさか、未来がそうなるなんてな……。」
「にわかに信じられないかもしれないが、本当のことなんだ。だから、お願いだ!」
「フウ……わかった。できる限りやってやる。」
「本当か!」
「ただし、一つ条件がある。」
「なにかな?」
「フェイだったか。息子がもし行き詰まっていたらすぐにでも顔を出してもらう。今までは、顔を隠してやり過ごせていたかもしれないが、ホントに救えるのは、親しい者の言葉だ。」
「……。」
「今の話からすると、最悪な状況なのは、わかる。だが、この条件で飲んでもらう。その覚悟がないならこの話は、無しだ。どうする?」
「……良いだろう。その条件を飲もう。」
「交渉成立。アンタの息子の力になってやる。」
「すまない、恩に着る。それでは、私は、行く。」
「ああ、またな。」
アスレイは、光とともに消えていった。見送った山城の後ろから見たことある自動車が現れて扉が開く。
「山城さん!お待たせしました!行きましょう!!」
「了解。」
キャラバンに乗りこんだ山城は、そこで未来の雷門のメンバーと対面した。皆、伝説の人物に会って緊張していたが、山城は、ほぐしてやった。そのあとで何人か会話を交わす。まずは、天馬。
「山城さん!また一緒にサッカーできてうれしいです!!」
「ああ、おれもだぜ。」
次は、フェイ・ルーン。
「一平さん、久しぶり!」
「フェイだったか、またよろしくな。」
「はい!」
そして、石になった大介。
「よお、大介さんいや、マスターDと言えばいいか?」
「フン。相変わらず無茶しているそうじゃの。元気そうで何よりじゃ。」
「ハハハ大介さんも相変わらず元気だね。未来(そっち)の俺は、元気にしているのか?」
「……。」
「?どうした?」
「いや、何でもない。一平、また頼むぞ。」
「任せな。」
交流が終わり大介から時空最強イレブンについて説明された。皆、戦いに身を引き締めた。その後、山城は、大介と話をする。
「大介さん、ちょっと良いか?」
「なんじゃ?戦いは近いんじゃゆっくり休め。」
「未来の俺は、サッカーしてないのか?」
「!?…やはり、気づいておったか。」
「そうか…サッカーを捨てたのか。俺は、」
「それは、違う!未来のお前さんは、まだ捨てておらん!!」
「じゃあなんなんだ。」
「……ケガじゃ。しかも、選手生命を脅かすほどのな。」
「!ケガ……だと!?噓だ!!ケアは、しっかりやってる。未来のおれが、怠るはずがない!!」
「確かに、おぬしは、しっかり体のについては、誰よりもストイックじゃった。」
「なら!「しかし、ダメなんじゃ!」!!」
「今までのダメージの蓄積は、消えなかったんじゃ!」
「そんな……。」
「だから、おぬしとの過去を振り返ると心苦しくなる。会うたびに、謝罪の言葉しか出なかった。今回もおぬしの参戦を何処かで否定したかった。けど、おぬしの成長をずっと見ていたいし、サッカーを一緒にやるのが楽しくて仕方がない。じゃから……。」
「もういいよ。事情は、分かった。スウ……そうか、よし!なら、とことん進んでやる。」
「良いのか?」
「ああ!ケガした俺も後悔してないんだろ。未来の俺が、諦めてないんだ。俺が、こんな所で縮こまるかよ。」
「!!」
「というわけで、今回も指揮を頼むぜ。大介さん!!」
「っ!」
その場を後にした山城。残った大介は、未来の山城と再会した事を思い出す。辛いリハビリこなして汗だくになりながらも復帰を諦めず心からの笑顔を絶やさなかった。
「大介さん!!俺諦めないから!!まもちゃん達に差をつけられたけど、見ててよ!!もう一度、返り咲いて活躍するから!!」
その時の大介は、大した声を掛けられなかったが、今では、心から言える。
「頑張れ……頑張れ……そして、強くなって戻ってこい。」