ハァ……ハァ……ハァ……ハァ……
3点のリードを許しての前半終了。後半に備えてロッカールームに戻る選手達。その表情は、暗くとても世界最強のチームとは思えないほどだった。いくら元々控え選手がいない状態であるとはいえ。どの選手も所属のチームで素晴らしい結果を出していただけに監督のレビンは、少し驚く。
「(まさか、ここまで彼らを追い詰めるとは……。)」
前半の開始直後は、先に先制をとるほどに好調であった。だが、相手は世界大会の準優勝チームにして名将も万全であった。結果、急造チームの連携の隙をつかれて、逆転とリードを許した。監督経験の少ないレビンは、頭を抱える。だが、その中でも怪物は、動く。
「お前ら、無様だな。」
「「「!?」」」
「自分たちなら準優勝ごときに負けないと思った?少し相手をなめすぎじゃないか。」
「「「……。」」」
「もう気づいただろ。このチームは、弱い。」
「「「……。」」」
「じゃあ決まっているだろ。最後まで敵より多く走って走りまくる。この試合、勝つぞ!!」
「「「おお!!」」」
「よし!それじゃあ後半の作戦を任せたぞ……ルーク。」
「ホントに良いの?僕に指揮任せて。」
「ああ。おまえのその頭の柔らかさに託すぞ。この試合をひっくり返すひらめきを。」
「全く……人使いの荒いリーダーだ。それじゃあみんな後半は、この配置で行くよ。」
後半が始まる。リトルギガントは、気づく。前半と今で敵の顔つきが大きく違うことに。それには、大介も脱帽する。
「はっはっはっ!!こりゃあいかんの。眠っていた獅子を起こしてしまったわい。だが、最後まで諦めんぞ。」
大介は、この後の結果もゆうに想像していた。そして、残酷なことにその予想は、現実のものとなってしまうのだった。場所は、変わって東京のフロンティアスタジアム。冬のフットボールフロンティア。開会式から日にちが進んで各チームが駒を進んでいた。そして、遂に観客の期待したカードが揃う。
「よし!!みんな、いくぞ!!」
「「「おお!!」」」
『さあ、皆さまお待たせしました。冬季フットボールフロンティアも遂にベスト8です。各強豪中学が、散っていく中で8校が揃いました。そして、準々決勝に向けて今日もぶつかります。それでは、今日の第一試合の対戦カードを紹介します。まずは、今大会の優勝候補筆頭 雷門中!!』
「「「わー!わー!」」」
『対する相手は、ここまで堅実な守備で勝ち上がった陽花戸中!!』
「「「わー!わー!」」」
最初に円堂達の前に立ちはだかったのは、かつての仲間で円堂の弟子 立向居。未完の大器は、わずか数か月で全国の舞台に立てるほどの力を付けてきた。その成長の高さは、流石である。
「円堂さん、皆さん。俺、負けませんよ。これまでの経験とこのチームの力で絶対優勝してみせます。」
「ああ!!俺たちも負けないぞ!!」
挨拶を終えてそれぞれが、自分のポジションに付いた。そして、笛が鳴りキックオフ。先攻は、雷門。得意の連携で陽花戸中の陣営の隙間を進んでいく。ボールは、遂に前線の豪炎寺に渡る。
「行くぞ!!爆熱スクリュー!!」ドッ
豪快なシュートが、立向居を襲う。
「流石豪炎寺さん。だけど、俺も負けない!!ハアア!!マジン・ザ・ハンド!!」ドンッ
「「「!?」」」
立向居が繰り出したのは、まさかのマジン・ザ・ハンド。それには陽花戸のメンバー以外は、驚愕した。そして、最初の対決は、立向居に軍配が上がった。
「フー、良いシュートだ。さあ、みなさん!!反撃開始です!!」
「「「おお!!」」」
未完の大器の成長スピードに驚愕する雷門。ベスト4への切符は、厳しいものとなった。