前半が終了。両チームとも無得点であるが前半の内容は、一方的であった。いくら点を取られる心配がないとは言え、陽花戸中の選手は、大量の汗をかき息を切らしていた。無理もない。夏のフットボールフロンティア予選前から常にレベルの高い練習と経験を積んでいる雷門と立向居一人だけの陽花戸中では、チーム力に差が大きすぎるのだった。ハーフタイム中皆、監督の作戦を耳を傾けているが、得点を取るビジョンが浮かばなかった。時間が過ぎ、後半開始。ボールは、陽花戸中。笛と共にボールを転がす。だが、暗い雰囲気のせいで隙を作ってしまった。
「もらった!」
「しまった!」
ボールを奪った染岡は、そのままグングン加速する。そして、あっという間に立向居の前に。
「行くぜ!立向居!ドラゴン・スレイヤー!!」ドンッ
「負けません!マオウ・ザ・ハンド!!」
世界クラスの技同士が、衝突。凄まじい爆風がスタジアムを吹き抜けた。結果は、立向居に軍配が上がる。だが、止めたボールから煙が出ておりシュートの威力を物語っていた。
「(流石、染岡さんだ。前よりまた一段と強くなってる。)お願いします!」ドッ
「ああ「油断しすぎだ」!?」
「豪炎寺さん!いつの間に!」
「今度こそ点を貰うぞ!爆熱スクリュー!!」ドンッ
「くっ、マオウ・ザ・ハンド!!」
再び凄まじい勝負となったが、勝敗がすぐに決まった。
「ぐ、うわぁ!!」
ズドンッ
ピピー
遂に保っていた均衡が、破れた。沸く歓声に喜ぶ雷門イレブン。そして、更に絶望に叩きのめされた陽花戸中。ここまで孤軍奮闘してきた立向居の集中も切れた。そこからは、ダムが決壊したように点が決まりだした。そして、試合終了間近になる。戦意喪失している立向居の姿に師匠が動く。
「立向居!!顔をあげろ!!」
「!?円堂さん?」
「うおお!!鬼道!くれ!!」
「!あ、ああ。」
パスを貰った円堂は、1人で駆け上がる。そして、弟子の前に立つ。
「試合を最後まで捨てるな!!」
「……しかし……。」
「俺たちのサッカーは、ちょっとやそっとじゃ崩れない。何度でも立ち上がる。それを証明したのは、おまえじゃないか!」
「!!」
「だからこれは、もう一度お前の戦う心を戻すシュートだ!メガトン・ヘッド!!」
「……ズルいですね。いつもあなたは、俺の上を行くんだから。なら!全力で行きます!マオウ・ザ・ハンド!!」
師弟対決。誰もが、一瞬だけ大差の付いた試合と見ていなかった。そして、師から熱い言葉、気持ちをぶつけられた弟子は、その試合で大きく成長したのだった。試合終了し、帰りのバスの中では、引退する3年生や仲間が涙する中で立向居は、1人で試合の映像を見ながら悔しさを次の対戦への可燃材料として奥にしまうのだった。大きな試合の後に日本中に大きな報せが、入ってくるのだった。『ドリームチーム明日来日!!』この待ちわびたワードが来たのだ。そして、遂に迎えた当日。空港には、たくさんの報道陣が待ち構えていた。そこへドリームチームが姿を現す。たくさんフラッシュがたかれる。ドリームチームの顔つきは、とてもまだ10代とは思えないほどにプロのような風格を持ち合わせていた。その瞬間を生放送の映像で見ていたフットボールフロンティアの出場選手たちは、ワクワクと同時に臨戦態勢のように表情を強張らせる。そして、そんなサッカー少年たちに会見で口を開いた怪物の一言に衝撃を受けるのだった。