鬼道は、練習の休憩時間にある物を見ていた。
「これは、中々だな。」
「どうしたんだ鬼道?」
「円堂か。この間の世界選抜の奴らの活躍を見ていてな。」
「今でも疑うよな。本当に同年代なのかって。」
円堂は、鬼道の持っていた世界選抜の試合記録を見ていた。記録は、マネジャー達が収集してきたものである。二人の様子に他のメンバーも集まってくる。
「まさか、帝国のしかも高等部を10点以上の点数で蹴散らすとはな。」
「どいつも世界大会で見知った顔だし。」
「中には、初めて見るやつも居るがな。」
「世界から呼ばれた選りすぐりの天才たちだ。これぐらいやってもおかしくない。むしろ、この程度なのかと疑いたくなるほどだ。」
「そして、そのチームを纏めているのが。」
「一平。」
写真に写っている幼馴染の名を呼ぶ。みんなが、静まり返っている中で音無が鬼道に切り出す。
「お兄ちゃん、山城さんってなんで必殺技を使わないの?」
「「「!」」」
「確かに思った。なぜ使わないんだろうって。」
「コピーしていろんな人の技使えるのに……。」
「……おれの仮説になるんだが、奴は使わないようにしているんじゃなくて使えないのかもしれない。」
「「「!」」」
「どういうことだ鬼道。」
「そもそも奴の強さとは何か知っている者はいるか?」
「?キック力?」
「ドリブルの上手さ?」
「精神力の高さ?」
皆が、各々の山城の長所を上げるが、鬼道は、違うと言い応える。
「どれも奴の強みだと言えるだろうな。だが、本当奴の強みは、積み重ねてきた基礎力だと思っている。」
「?基礎?パスとかシュートとかか?」
「いや、もっと単純なことだ。」
「!タイミングとかか!」
「流石豪炎寺。気づいたか。」
「タイミングだけで、あんな強さになるかあ?」
「「「コクコク」」」
皆も鬼道の回答に疑問を浮かべていた。さらに鬼道が答える。
「お前ら自身の最大に蹴れるポイントにどのぐらい当てられる?」
「そりゃあ何回に一回は、当たる。!?まさか!」
「そうだ。山城は、ほぼ100%でピンポイントに当てられる。」
「つまり、常に最高のシュート打てるということか。」
「そういうことだ。」
「けど、ドリブルはどうなんだ?」
「当たり負けしない筋力もあるが、高い足元の操作そこにそのタイミングを使うとボールが吸い付いたようになる。」
「やっぱり、弱点は無いのね。」
「いや、実はある。」
「「「え!?」」」
「前に円堂にあいつの連携力の低さを挙げたな。本人も『ボールは、感情がないからタイミングを読めるが、不規則に走る奴らのタイミングは計れねぇよ。』と言ってたしな。」
「ああ。でも、それは今回の試合では見られなかったぞ。」
「確かに改善されたようにうかがえる。だが、よーく見ると以前話したように空いた選手にどんどんパスするだけだった。動きは、殺してないが活かせてもない。」
「つまりもしかしたら……。」
「まあ仮説だから何とも言えんな。それに奴は今も磨いているだろうな。」
「よし、なら俺らも一平に負けないように練習を続けていくぞ!!」
「「「おお!!」」」
その日も熱の入った練習を行った雷門。その一方で、山城にはある人物が訪れていた。
「忙しい中ありがとう。」
「いや問題ない。まさか、あんたから電話を貰うなんてな。」
「互いに初めましてだし、一応自己紹介しようかな。」
「そうだな。初めましてミスター。ヤマシロだ。よろしく。」
「英国 グレッセンヘラーカレッジで教授をしているエルシャール・レイトンです。初めましてキャプテン ヤマシロ。」