その筋肉は置物と化す   作:頭の中将

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筋肉とバレンタイン

 五十嵐誠也は人間である

 

 当たり前のことだが、ごく一部の人は自分のことを人外と呼ばれることがある。

 

 「おい、どっか行け」とミアに言われて、外に出たほんの数分前。タンクトップ一枚の俺が外に出されたんだ。なぁ俺って人権ないんか?!バルクが人よりあるからって人権ないんか?!なぁどういうことだよ!

 

 

 「さっむ...」

 

 

ーミアの部屋ー

 

 「エマ、なぜテンパリングをしないといけないんだ?」

 「チョコを美味しくさせるためだよ」

 

 さて、デカい筋肉を外に追い出して数分後。ボクの部屋にはエマがいる。というのも、もうすぐValentineだからさ。ここ日本ではValentineにはチョコを渡すらしく特にステイツではない義理チョコというのがあるみたいだ。

 

 じゃあなんでエマがいるのか?ボクはChocolateを作った事がないからさ。ステイツの時はチョコは買って渡しているからね。相手は?そんなこと聞いて何になるんだ?

 

 「ミアちゃんってチョコ作るの初めて?」

 「Yes初めてさ」

 「渡す相手がいるんだー」

 「う、うるさいな」

 

 

 

 

ー商店街ー

 

 「あーもうそろそろバレンタインかー」

 

 バレンタインはチョコを渡す日というのは無論知っている。しかし、この時期は3月のボディビル大会のためにチョコといった甘いものや脂っこいものは一切口にしない、それも分かっているせいかアメリカの時はチョコの代わりに鶏肉が送られてきたことがあったな。全く人の事をチキンかと思っていたのか?まぁチキンは好きだったけど、流石に鶏皮は外してくれよとは思っていたよ。鶏皮は一応脂になるからな。

 

 「あーチョコねー」

 

 そうつぶやくのも無理ない。だって今年は日本で久しぶりのバレンタインをむかえることになるかつ大会が大分先になるから多少のチョコなら妥協できる。つまりチョコくれないかなー

 

 「...ジム行くか」

 

 商店街の先にあるバイト先兼ジムに行けば何かあるだろ。まぁトレーニングできるし。

 

 

ーバレンタインデー当日ー

 

 相変わらず床で起き、最初の食事を始める。かと思っていたら今日は珍しいことが起きた

 

 「今日、いねぇな」

 

 ミアがいつも爆睡こいているのだが、珍しくいねーんだ。まぁ別にいいんだけど起こす手間が省けてたし。あ、メッセージ入ってる

 

 『帰ってくるまで冷蔵庫開けるな』

 

 なんだそりゃ、朝飯食えねーじゃねーかプロテイン粉で食うんか

 

 

 

ー大東学院・校門ー

 

 さて、学校ではチョコを2個しかもらえなかった俺だ。どうやら今時はそんなにチョコを渡すということはそんなになくもらったのは英語の教師と昼休みにチョコを配っていたギャルだ。まぁいい、もらえないよりましだ。

 

 それにしてもチョコの色らしくしっかり日焼けしたいな。オリンピアにでるボディビルダーは素晴らしい肌の色している。まぁそこまでの境地に辿り着くには何年もかかるだろうけどな。ん?なんで校門にランジュがいるんだ?

 

 「セイヤーー!」

 「何でランジュがッ」

 

 急に抱きつかれて声が変にるし、周りの目もビックリしているし、わずか数秒間でとんでもないことが起きてるぞ

 

 「あ、セイヤごめん」

 「なんだよ、ていうかなんでここが分かるんだよ」

 「そんなことはいいの!はいこれ!」

 

 これはチョコレートだなぁ。しかも結構高いヤツの

 

 「あ、ありがとう」

 「じゃ、またね!」

 

 あっという間に去って行ったなーランジュ。うわぁ周りの目がすごい!こんなに見られたのボタンを筋肉で飛ばしたとき以来だぞ。

 

 

 

ー虹ヶ咲学園近くの公園ー

 

 ランジュにチョコをもらった後、なんとまぁ栞子からメッセージが来た。どうやら渡したいものがあるらしいのだが、まぁなんとなーくはわかる。

 

 「これ...チョコです」

 

 公園で待っていたのは、チョコを持っていた栞子だ。

 

 「お、ありがとうな」

 

 まさか栞子まで、もらえるとは思わなかったなん?もう1個あるぞ

 

 「これはお姉さんのです」

 「あー薫子さんのもあるのねありがとう」

 

 これはまたいいチョコだなーってん?栞子のヤツの包装ってもしかして

 

 「栞子、これ手作り?」

 「はい、上手に作れたと思います」

 「ありがとう、いただくよ」

 

 

 

 

ー虹ヶ咲学園・寮内ー

 

 学校では結構モテてそうなヤツが大量のチョコレートをもらっていた。しかしそういうヤツほど最大の弱点がある。そう、家に帰るときにロープを握る余裕がないって事だ。だって世の高校生は家に帰るときはロープを登っていくだろ?あ違う?家に帰るときは普通に玄関から入る?筋トレにならないだろうが!

 

 「ただいまーっておうおう」

 

 家に帰ると床一面って程ではないがチョコがたくさん置いてある。

 

 「あーおかえりーセイヤ」

 「多くないか?チョコ」

 「やっぱりね、ボクって意外とモテるから結構もらうんだよねチョコ」

 「うるせぇ、14歳とその身長だから餌付けされてるの間違いだろ」

 

 よっぽど図星だったのかグーパンを一発お見舞いされたぜ

 

 「だれが餌付けだ!」

 「殴る前に言えよ」

 「どうせセイヤなんて筋肉しか取り柄しかないしチョコなんて1個ももらってないだろ?」

 「うるせぇ、ここまで4個もらってるわ」

 「4個?大したことないねー」

 「うっわーむちゃくちゃ煽られてるわー」

 

 そう言えば帰宅したし冷蔵庫開けるかープロテインが俺を求めてる

 

 「あ」

 

 冷蔵庫にはあら不思議、チョコがあるではないか

 

 「これって」

 「Happy,Valentine」

 

 チョコがこれで5個になったなーこれはしばらく結構ハードなトレーニングになりそうだな

 

 

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