その筋肉は置物と化す   作:頭の中将

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筋肉は鍛えすぎると別人に見える

-ミアの部屋-

 

 「見たって何を?」

 「ミアさんがその人と一緒に走っているところです」

 

 

 さて、今の状況を説明しよう。バレそうだ。多分この学校の生徒会の人だと思うが、ハッキリ誰か分からない。だって今俺は置物状態だからな。

 

 「それはボクの影じゃないか?」

 

 どうやら、ミアがなんとか誤魔化してくれている。頼む!このまま誤魔化してくれ!

 

 

 「ミアさん、何度も言っていますが嘘つかないでください。その人普通に高校の制服着ていますし、大東学院の校章がついているバックがありますよ」

 「Oh....」

 

 確かに、バックをしまうのを忘れていた。これは確実に追い出されるパターンだな...

 

 

 「ミアさん、どうなんですか?」

 「分かったよ...もういいよ誠也」

 「誠也?」

 

 ミアがどうやら降参したみたいだ。またホームレス生活が始まるのか...

 

 「...誠也さん?」

 

 ここで初めて、俺は彼女の顔を見た。緑色の髪に、口元から少し見える八重歯...ん?この子?

 

 「え?三船...栞子?」

 「はい、そうです...三船ですけど....え?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 「誠也さん、え?」

 

 栞子が来てから数分が経過しているが、今だに俺の姿を見て困惑しているみたい

 

 「栞子、彼を知っているのかい?」

 「え?待って下さい...もし貴方が誠也さんなら、私の姉の名前を言えますか?」

  

 栞子の姉の名前...確かその人は

 

 「薫子さん」

 「そうです..え?本当に五十嵐誠也さんですか?」

 「うん...」

 

 この部屋に意図も気まずい空間が流れる

 

 「誠也、栞子とはどういう関係なの?」

 「幼なじみ」

 

 そう、俺と彼女、もとい三船栞子とは小学校からの幼なじみだ。栞子の家にも行ったことあるし俺の家にも来たことがある。しかし、当時の俺しか知らない栞子からしたら今の俺は別人に見えているはずだ

 

 

 「栞子、さっきから変だよ」

 「すいません、まさか誠也さんがこんな筋肉質な体になっているとは思っていなくって」

 

 

 確かに、昔の俺は今と違ってこんなにマッチョではなく、ただのそこら中にいる少年みたいな体だったからな。鍛え始めたのはアメリカに行った時だし

 

 「...すいませんまた来ていいですか?今日遅いですしランジュ、鐘嵐珠にも合わせたいので」

 「ランジュも知り合いだったのかい?」

 「あ、あぁ顔は思い出せないが、確かそういう子いたな」

 

 栞子は玄関に向かう

 

 「Wait、彼はどうするのさ」

 「そうだよ、俺ここ追い出されたらホームレスになるんだけど」

 「え?どういうことですか?」

 「実は....」

 

 

 俺はここまでの経緯を、まるでサーキットトレーニングのように説明した

 

 

 

 

 「なるほど...どうしましょう、ここを追い出されたら誠也さんが大変な事になりますよね、しかし、この状況が続くのも...」

 「栞子、頼む見逃してくれ!」

 

 俺は即座に土下座からの土下寝をする。一回この背筋を見て落ち着いてくれ。いや落ち着くのは俺の方か

 

 「ボクからも!」

 

 ミアもいつの間にか覚えてたのか土下座を俺の上でした、俺を座布団あつかいするな!

 

 「「Please!」」

 「...分かりました、近日生徒会がここの監査に来ますんで、その間だけ誠也さんがここを空けてくれるなら私はこのことを秘密にします」

 「よかった...」

 「ただし、この部屋で不純異性交流といったよからぬことしたら即座に追い出しますんでいいですか?」

 「No,Problem、彼は床で寝ているから」

 「床で?寝れるんですか?」

 「数日間コンクリで寝てたから大丈夫」

 「はぁ...とにかく今日は失礼します。ランジュも近日合わせますので、そこのところよろしくお願いします」

 

 栞子は玄関を出た

 

 

 「ハァ...危なかった」

 「...危なかった、じゃないよ!どうしてバレるようなことしたの!?」

 「筋肉がデカいからだ、しょうがないだろ」 

 「全く...明日からどうするんだよ!」

 

 ミアはカーテンと窓を開けた。暦はもう秋から冬になっていて入ってくる風も冷たい

 

 「...誠也」

 

 ミアはこっちを見た

 

 「人って3階までなら死なないらしいよ」

 

 何を言っているんだ?

 

 

 

 

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