寡黙な騎士姫様 作:名無しの筆記者
ーーー乙女ゲーに転生って何番煎じか
昔ハマってたから良くわかる…嘘ですごめんなさい、社会人になってからもやり続けてました
世界はまあいい、唐突に戦闘始まったり、生産始まったり、運営シミュレーション始まったり、戦争始まったり、本当になんでもありだったけど
問題は私の出自だ、悪徳商人の娘なんですけど、うっすら聞こえる内容も悪事ばかりだし、お陰で隠密行動スキルが上がる上がる
「そう言えば、王の次男坊は五月蝿くない女が好み…取り入るか」
第二王子…確かゲームではそんな話もあった、実際は第一王子との子供の頃の会話で王位を手放して全力サポートを決意、なので女性に求めるのは国政に変に首を突っ込まない女、またはその逆国政の表…または裏から働き掛けることが可能な女の二択、後は近接戦闘能力皆無…ふむ
私優良物件では? 隠密行動スキル育てるついでに、私の属性である土属性を使い、様々な武器の形をコピーして、筋トレで鍛えた膂力で近接戦闘能力が高い、更に魔法で作るので基本的に手ぶら、これは使えるはず…ならば父を売るか、遅かれ早かれこの家は潰れる、第二王子とのコネクションを作れなければ逃亡してギルドにでも入って国外逃亡しよう…そうしよう、さらば今生の父よ、ぶた箱で暮らすといい…暮らせるといいが
ーーー後日・第二王子視点
「………」
「お前のお陰で、この国の悪が1つ滅びた、だがお前の父だった者だ、なぜだ?」
「父が悪人だった…それだけ」
「なるほどな…ならば悪事の密告に関して、褒美を与える…なにがいい?」
「私がこの国を出るまで見逃して」
「………それは困る」
父だろうが悪と断ずればその悪すら利用し、糾弾するだけの行動力と判断力、あの者が私に武器を振りかざした時の身体能力と魔法、そしてこの気配の薄さ、生粋の隠密だ、恐らくあの者にそうあれかしと望まれ育てられた、しかし悪人としての倫理観を教え忘れたな、その前にコイツの倫理観に触れて糾弾された、手塩に掛けて育てた者に裏切られる、悪人としての最後としてはまあ…喜劇の部類に入るか
さて…思考を戻そう、この者は自分の得意分野を生かせる、影として生きることを良しとする、ならば…私が使う
「お前をこれから私の侍女兼隠密として雇いたい…異義は?」
「それがこの国の為となるのなら」
「そうか、ならばよし、家事などは可能か?」
「一通り」
「凄いな、頼むぞ…名前はどうする?」
「………」
これは考えてなかったな、まあ自分で密告したとは言え、悪人の娘を小飼にしようとは思わないな…普通
「そう言えばあの時腕を鉄で固めていたな」
「あれは銀、武器屋で見た」
「銀の腕…そうか、ならばヌァザ、神ヌァザの銀の腕を由来とし、ミスタリレ、ミスリルの別名をファミリーネームとせよ、今日からお前はヌァザ・
「了解した、今日から私はヌァザ」
あの咄嗟の使用でさえ剣の一撃を耐えた魔法操作技術、秘匿するには惜しいが、表に出せば戦争しか生まん、どうにかする手は…そうか
「孤児を引き取る、お前にその教育を任せたい」
「用途は?」
なるほど…依頼内容次第に選別して育てたい…と
「護衛、隠密、戦闘を見るなら対応幅の広い属性、土か風だな」
「了解した、ついてく」
「実物は見ないとだものな、わかった」
さて…孤児がどう化ける?
ーーーこれは王弟の物語ではない
ーーーこれは表に出ることもない
ーーーしかし引き継ぎの為、残さねばならぬ
ーーータイトルは…そう…寡黙な騎士姫様…とでも名付けよう