その手には手紙があり、握り絞めながら、空を見つめる。
そんな空を見つめる少年に対して、何かがゆっくりと地面に落ちる。
「これは」
疑問に思い、俺はゆっくりと拾う。
それは、機械である事は分かり、何かの機械だと思われる。
「それはナスカメモリ。
あなたが探し求める物を見つける為に、おそらく必要になる物」
聞こえた声と共に、見つめると、黒いロングコートを着込んでいる上に、全身を包帯、帽子、サングラス、手袋で覆っており、素顔を確認することはできない。
「誰だ?」
「さぁ、けど、今は時間はないわ」
「何を言っているんだ」
「生き残り、取り戻したいならば、これを使いなさい」
その言葉と共に、女性はその手に持っていた何かをこちらに投げる。
同時に、近くのビルからこちらに飛びながら、近づいてきた。
「なっ、怪物!?」
それに驚きを隠せずにいる間にも、怪物だと思われる存在は少年の存在に気づいたように見つめる。
「ベルトにメモリを入れて、横に倒しなさい」
「何を言ってっおい!!」
そうしていると共に、女性は姿を消した。
既に困惑しており、未だに何が起きているのか分からない。
「けど、爺ちゃんの心残りが何なのか知るまではっ、死ねない!!」
その言葉と共に、少年は手に持ったメモリを自然と押す。
その時の動作はまるで何もかも知っているように自然に、ベルトにメモリを入れる。
それと共に吹き溢れるのは風だった。
「なっ、まさかっ!!」
怪人は、それと共に風の中から現れた姿を見て、驚きを隠せなかった。
「ナスカがっ仮面ライダーにっ!?」
よく風が吹き、風都タワー以外にも街のあちこちに大小問わず風車や風見鶏があり、街の電力はそうした光景の一端をなす風車による風力発電がかなりのウエイトを占めている。
海や山といった自然に恵まれた都市。
私、ヒサメは、家庭の事情で、最近になってこの都市、風都に引っ越す事になった。
引っ越す当初は大きな不安があったけど、引っ越した後、その不安はさらに大きくなった。
それは、この街でおきる怪事件の多さである。
普通ならば、都市伝説レベルの話の怪物が、この街ではよく起きている。
その怪物によって引き起こされる事件の数々は、ビルを溶かし、人が死ぬのはよくある事らしい。
「それにして、やっぱり怪しい」
そう言いながら、私はとある人物を見つめる。
それは、私の転校先にいる男子生徒であり、私の隣にいる男子である影。
本名、弾空寺影は怪しい影がちらほら見る。
学校で、持ち込んでくるガジェットと言うのか、そんなゴテゴテした古い機械を鞄に多く持ち歩いている。
さらには目には隈ができており、時折、ぶつぶつと話している。
そんな怪しさの塊のような人物である影を見張る為に、私はその後を追う。
「それにしても、まさかヒサメさんが、彼を追うとは」
「そういう花村さんは、なんで一緒にいるの」
そう言いながら、私が彼を追っている所を同じクラスメイトである花村ひとし君が後ろから一緒に来ていた。
「君のような美人をあんな男に危ない目に遭わせない為さ」
「危ないって」
確かに怪しい見た目をしているが、それでも危ないというのは言い過ぎではないだろうか。
「いいや、あいつは、本当に危ない。
あいつのせいで、多くの人が病院送りになったから」
「そんな、けど、学校ではそんな噂は」
「誰もあいつのせいだとしか考えていないからね。
何よりも、俺の親友はあいつのせいでっ」
そう花村君は言ってくれる。
彼の言う通りなら、彼が何かしている事は確かなようだ。
けど、その何をしているかが分からない。
その事を探りつつ、彼に接触するしかないだろう。
しかし、どうしようかと考えている内に、彼は路地裏に入っていった。
そこは、あまり人気のない場所だった。
「……ここは?」
少し怖くなってきた。
もし、ここに誰かがいたとしたらどうしようと思いつつも、勇気を出して進む事にした。
しばらく歩くと、人影が見えてきた。
それは影だった。
慌てて、私達は隠れるが
「隠れても無駄だ。
お前達の姿はさっきから分かっているんだよ」
そう言った瞬間、彼は、私達を見ていた。
「それで、俺が怪しいとか言っていたけど、えっと、転校生だったヒサメだったか?」
「私の名前をっなんでっ」
「別にどうでも良いだろ」
そう言いながら、影は私を睨みつけるように見た。
まるで、全てを知っているような目つきであった。
だが、ここで怯むわけにはいかない。
なぜならば、この男は危険な存在だから。
その事を伝えないとと思い、私は口を開く。
すると、それを遮るように影が話し始める。
「悪いけど、そこにいる彼氏さんか?
もしも、彼氏だったら、悪いけど、病院送りにさせて貰うぜ」
「彼氏じゃないわよ!
それに、病院送りにするって、どういう事なのよ!!」
「別に病院送りにしたい訳じゃない。
ただし、それを大人しく渡さなかった場合だけどな」
「それって、彼の友達を同じ目に遭わせたという事!!」
そう言いながら、私は思わず睨み付ける。
まさか、こんな奴が犯人なんて思ってもいなかったからだ。
だが、彼は私の視線を無視して、こちらへと歩いてきた。
私は身構えて、警戒をする。
だけど
「まぁ、ここまで行けば良いか」
【アンブレラ】
「えっ」
聞こえた声、それと共に花村君の姿が変わる。
彼は、その姿が人間の姿から傘の様なマントを纏ったコウモリに似た怪物へと変わっていた。
驚きを隠せない中で、そのまま花村君は、唐傘に仕込んでいる刀で私の首元に押さえつける。
「さぁ、影。
この転校生が首をはねられたくなかったら、大人しくしろ」
そう、私の首には刃が当てられている。
この状況で、私が下手に動こうものならば、間違いなく殺されてしまう。
そう考えた時だった。
「……別に良いよ」
「えっ」
「なにっ!?」
影は、まるでどうでも良いように答える。
それには、私も花村君も驚いてしまう。
何故なら、このままでは私が殺されるかもしれない状況なのに、平然としていたから。
私の命なんて、どうでも良いような影の視線に私は戸惑ってしまう。
そして、そんな私の気持ちを無視するかのように、影はスマホを弄っていた。
「おい、てめぇ、本当に良いのかよっ、この女の命がどうなってもっ!!」
「別に、だってよ」
そうしながら、影はそのまま手に持ったスマホをこちらに見せる。
「準備はとっくに出来ているんだから」
それは、私を人質にしている花村君の後ろ姿だった。
疑問に思った花村君が後ろを振り向いた瞬間、強烈な光が花村君を襲う。
「ぎゃあぁぁ!?」
強烈な光に驚きを隠せない花村君に対して、影はすぐに走り出し、そのまま花村君を蹴り上げる。
「たく、こういうのは、あんまり得意じゃないというのに」
そう言いながら、倒れそうになる私に対して、影君は
「さっさと片付けるか」
「痛っ!」
特に受け止めようとしなかった。
その事で、思わず尻餅をついてしまう。
「ちょっと、さっきのは普通、受け止める所でしょ!」
そう言いながら、私は思わず影に怒鳴る。
「なんだよ、助けたのに、なんだよその態度は」
そう言いながら、影は面倒くさそうな表情をしていた。
その様子に呆れながらも、先程の行動について考える。
あの時は、咄嵯の事だったとはいえ、あんな風に簡単に人質に取られてしまった自分が情けなく感じていた。
確かに、この男は危険な存在だ。
しかし、それでももう少し、どうにかできたのではないかと思ってしまったのだ。
だが、それよりも、今はやるべき事がある。
「とにかく、早く逃げよう!
まさか、花村君が怪物だなんて」
「あぁ、あいつはドーパントだ。
怪物と言ったら、怪物だけど」
そう、私はすぐに走ろうとしたけど、影は至って冷静な態度で見つめる。
「どーぱんと?」
まるで聞いた事のない単語に、私は思わず首を傾げる。
「『ドーパント』という名前には、肉体に"地球の記憶"をドーピングした者という意味が込められている」
「ドーピング!?
それに地球の記憶って、なんで、そんな事を知っているのっ!?」
「まぁ、俺も広い意味ではドーパントだからな」
それと共に、影の言葉に困惑している間にも、懐から取り出したのは、青く塗装されている何かだった。
どこか、見覚えのあるそれに疑問に思いながら、ゆっくりとそのまま腰に巻くと、まるで特撮作品に出てくるように、青いベルトが巻かれる。
そう、驚いている間にも、影が取り出したのは一本のUSBメモリだった。
【ナスカ】
聞こえた音声は、先程花村君がドーパントに変わる前に聞こえた音と同じ物であり、そのままそれは青いベルトに挿入された。
「変身」
【ナスカ】
それと共に舞い上がるのは青色の風。
その風が影を包み込むと共に、その姿が変わっていく。
首元には腰まで届くだろうオレンジ色のマフラーが二つに青いバイザー。
それらが身に纏いながら、多少の変化の違いはあるが、私は思わず言ってしまう。
「仮面ライダー」
それは、風都に引っ越す前に聞いた事のある噂。
街を襲う怪物が人々の前に現れる時、同時に2色に分かれた戦士が現れ、人々を助ける。
その存在の名を仮面ライダー。
「俺は、そんな仮面ライダーと呼ばれる程の存在じゃない。
けど、あえて名乗るならば、ナスカ。
ガイアメモリを盗むナスカだ」
そう、影は呟くと共に、花村君に目を向ける。
「さぁ、お前のメモリ、頂くぜ」
暗い研究室で、一人の老人がパソコンを見つめていた。
キーボードに指を走らせると、画面の中で無数の文字列が躍る。その動きをじっと見つめながら、老人は唇を引き結んだ。
「やはり、このままでは危険か」
ぽつりと呟く。老人は手を止めてしばらく考え込み、やがて意を決したように立ち上がった。椅子の背もたれに掛けてあった白衣を羽織り、部屋を出る。そのまま地下の研究室へ向かうと、部屋の奥に設置された装置の前に立った。
老人がスイッチを入れると、共にそこに保管された2つのカプセルを見つめる。
「それが、最後のベルトなんだね」
そんな老人に話しかける声が響く。
「特別な人間ではなくても、悪魔を操る事ができるこの時代において、本当にこれは必要な物かね」
そう、老人は後ろに話しかけてきた少女に振り返りながら言う。
「これからの戦いで、普通のデビルサマナーだけでは対抗できない。
だからこそ、現存するベルトで、最も強力なベルトが必要だからね」
そう少女は老人が手にしているベルトを見つめる。
「そうか、だが、忘れるな。
このベルトは、使いこなさければ変身者を殺す。
そして、悪人が使えば、世界を滅亡させる危険な力だ」
「終焉に挑むんだ。
それぐらい、必要な事だよ」
少女の言葉に、老人は再び前を向いた。
老人の目の前には、2つのカプセルがある。
1つは、機械的なパイプのラインが特徴的なベルト。
もう1つのカプセルにはクリアオレンジの本体にはタラバガニとワニの意匠があるスタンプ。
「それで、適合者はいるのか?」
「あぁ、既にね。
それじゃ、これは預からせて貰うよ」
そう言いながら少女はカプセルからベルトとスタンプを手にすると、そのまま部屋から出ていく。
「皮肉な話だよ。
最後のベルトが、最後の希望になるなんてね。
そうだろ」
そう、老人、ジョージ・狩崎は呟く。
と言う事で、この作品と共に一緒に連載する作品で主役ライダーは『仮面ライダーキマイラ』です。
映画本編でも、TTFCでも結構散々な扱いをしていたキマイラですが、個人的にはもっと活躍を見てみたい仮面ライダーという事で、書きました。
同時に終焉に立ち向かうという事で、ソウルハッカーズ2を原作に、書かせて貰います。
ゲームと同時に進めながらなので、少し話が遅れてしまう事があるかもしれませんが、応戦よろしくお願いします。
同時に仮面ライダーキマイラに関する活動報告も行っていきます。
https://syosetu.org/?mode=kappo_view&kid=285008&uid=45956
皆様、これからもよろしくお願いします。