『ライアー。
それがあのドーパントのメモリの正体だ』
あれから、照井さんと合流した俺達は霧彦からの情報を伝える。
「ライアー?
つまり、それは嘘という事?」
「あぁ、だから、それを自信満々に見せたのか」
それと共に、事務所で見せたガイアメモリだと思い込んでいた酢昆布を照井さんはそのまま叩きつけた。
「くそ、してやられた!」
「だけど、これで分かったぜ。
なんでジミーの奴が勝ち抜く事ができたのか。
審査員は、ライアードーパントに嘘の針を打ち込まれたからだったのか」
「けど、問題は他にもある。
それは」
「あぁ、メモリの所有者だな」
『ライアーメモリは、私が死んだ後に売られたからね。
さすがに正体は誰なのかも分からない。
だが、本当にあのメモリを使いこなせる人物がいるとは』
「それ程なのか?」
『嘘を思い込ませるというのは、使いこなすにもかなりのテクニックがいる。
何よりもライアードーパント自身の身体能力はマスカレードと変わらないからね』
「それは、あの時の戦闘で分かった」
実際に、俺達から見ても、アクセルとライアードーパントが圧倒していたのは、目に見えて分かった。
「未だにドーパントの正体は分からないか」
「だとしても、手掛かりはある。
影、お前は他に手掛かりがないか、探してくれないか。
俺も、もう少し探してみるわ」
「了解しました」
そう言いながら、翔太郎さんは、そのまま出て行った。
そう、見送った後、フィリップさんが俺に近づいた。
「影、単刀直入に言うが、君は既に何か気づいているんじゃないのか?」
「正直に言うと、未だに正解か、どうか分かりません。
何よりも疑問なのは、ライアーの奴がジミーを合格させるのに、何か得になるのかですけど」
あの酷い歌声をわざわざ合格させるのに理由が分からない。
「という事で、俺は少しジミーを見張ってみます。
ドーパントじゃないとしても、何か手掛かりがあるかもしれないので」
「あぁ、頼めるかい?」
俺はそのままフィリップさんに言われると共に、そのまま事務所から出て行く。
事務所から出た俺がまずは、ジミーの尾行だった。
奴自身、特に人から隠れるという行動をしている訳ではなく、相変わらずギターを背負っている。
そんな中で
「んっ、これは?」
ふと、彼が何かに落ちているのに気づいたようだ。
遠くで見えにくいのもあって、バタフライウォッチャーで見つめる。
『何が見えた』
「工場跡でサインが欲しい?
なんで、そんな手紙が」
そうしていると共に、ジミーは、そのまま工場跡へと向かった。
「なんで、工場跡なんかに?」
『……ライアーのメモリと適合している奴だ。
もしも、そんな奴だと、考えたらっ』
「あぁ、こういう屑な考え、俺にも分かったぞ!」
同時にすぐに俺は走り出した。
建物と建物の間を走りながら、すぐに工場跡に向かって走り出す。
そのまま向かった先の工場で奇妙な光が僅かだが見えた。
「霧彦?
何が見える?」
『あれは、Wとアクセル!?
それにっライアードーパント!!』
「なるほどっ、最低の野郎だなぁ!!」
『ナスカ』
それと共に、俺はすぐにロストドライバーを腰に巻くと共にナスカメモリを挿入する。
「変身!」
俺は仮面ライダーナスカへと変身すると共に、そのまま着地する。
だが
「無理に決まっているでしょ!
どれだけ彼を見ていると思っているの!
あの子はね、信じられないぐらい才能がないんだから!!」
それは、まさに最悪のタイミングだった。
ライアードーパントを倒そうとした翔太郎さんを倒すのを止めた女性。
それは、俺達が路上ライブを行っている時に応援していた女性だった。
「遅かったっ」
『影、どういう事なんだ?』
「ジミーを尾行していたら、謎の手紙が彼の元に届いていたんだ。
何があると思っていたけど」
「あいつはここで金の受け取りをしていた。
つまり、あいつは始めから、これを狙ってっ」
同時にライアードーパントの狙いに気づき、怒りを隠せない様子だった
ライアードーパントはそのままジミーを追い込むように、囁く。
「ジミー君!!」
「あっ待て!!」
女性はすぐにジミーの元へと急ぐ。
それに対して、翔太郎さん達はすぐに彼女を追った。
しかし
「今だな、《赤い仮面ライダーと青い仮面ライダーはドーパントだ》!」
「あっ」
すぐにライアードーパントの口から出た棘は、そのまま翔太郎に刺される。
「うっ、あぁ」
そうして、翔太郎さんは一旦、動きを止めると共に、その銃口は俺達に向けていた。
それと共に銃弾は真っ直ぐと俺達に当たる。
「なっ、止めろ!
奴の嘘に惑わせるな!」
『翔太郎、ドーパントが何か言っているよ?』
「なに、これでも喰らいな!」
それと共に、翔太郎さん達はさらに追い打ちをするように攻撃を放つ。
「ぐっ、これは!」
宙と飛ぶ弾丸は軌道を変幻自在に変え、俺達に襲い掛かる。
「翔太郎さんっ!
くそっ」
「ちっ、影っ!
お前はドーパントの方をなんとかしろ!!
こいつらは俺が止める!!」
「あぁ!!」
照井さんからの言葉を聞くと共に、俺はすぐに向かおうとした。
「おっと、ならば。
《青い仮面ライダーはドーパントだ》っと」
「んっ?」
そうしていると、今度は亜樹子さんの方へと当てられた。
「おぉ、まさかこんな近くにいたとは!!」
「ちょっ、亜樹子さん!!」
そうしていると、亜樹子さんはそのまま俺に襲い掛かってきた。
「さすがに亜樹子さんを傷つける訳にはいかない!!」
そう俺は悩んでいる間にも、ライアードーパントは既に逃げていた。
「楽しませて貰ったよぉ」
その声と共に、ライアードーパントは完全に姿を消した。
「んっ、あれ?」
「あれれ?」
やがて、彼らはすぐに攻撃を止めた。
「これは?」
「照井?」
「あれ、影君?」
「元に戻りましたか」
『なるほど、ライアードーパントの能力の範囲はそれ程広くないらしい』
「そう考えると、納得かもしれない」
もしも、ライアードーパントの能力の範囲が広く、継続的だったら、わざわざテレビ局で嘘を打ち込む必要はない。
「わぁ、ごめんね!!」
「それは、別に大丈夫です。
けど、今は」
そうしていると共に俺達が見たのは自分の合格がドーパントによって作られた事、そしてそれがファンである女性が行った事だと分かりショックを受けるジミー。
そして、そんなジミーにその事を知られて放心している女性。
「本当に、これまでとは違って、嫌な事件になるよ」