仮面ライダーナスカ   作:ボルメテウスさん

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Dが見ていた/医者からの誘い

 その日の探偵事務所で、俺達は目の前にある物に驚きを隠せなかった。

 

【DENDEN】

 

 フィリップさんは特殊ゴーグルと橙色のギジメモリを挿入すると、特殊スコープはカタツムツリ型ライブモードに変形してテーブルで這ったりする。

 

「わぁー可愛い♪ ね、名前なんて言うの?」

 

「デンデンセンサーさ」

 

 亜樹子に尋ねられると、作った当人が答える。

 

「なにができんだ? このカタツムリ」

 

「見張りや敵の探索だ」

 

 フィリップがデンデンセンサーのスイッチを押すと、口の部分から赤外線が照射される。

 

「あらゆる光の波長、変動をキャッチできるから、もし誰か通り掛かると……」

 

 デンデンセンサーは周囲を見渡すかのような動きをした。

 

「……こう反応する。……あれ?」

 

「誰もいねえじゃん」

 

 デンデンセンサーが赤外線を照射した方向には誰の姿も見えない。

 

「バットサングラスと似ていますね」

 

 その言葉と共に、俺が取り出したのは怪盗道具を取り出す。

 

「おそらく、君の道具と、これを送った人物は同一人物だろう。

 

 それにしてもさっきの反応は」

 

 そう俺達が話している間にも翔太郎さんがドアの近くにまでいくと、

 

「キャアッ!」

 

 翔太郎さんが誰かとぶつかったかと思うと、若い女性の短い悲鳴。

 

 そして、透明状態から姿をあらわしたのは。

 

「あ……ごめんさい」

 

「あ、昨日の美人マジシャン!」

 

「昨日の?」

 

「昨日、探偵事務所の皆と竜君で食事に行ったの。

 

 2人は別の用意があって、来れなかった時にね」

 

「私達は丁度、テストがありましたからね」

 

 そうしている間にも翔太郎さんの方を見ると、そのマジシャンに翔太郎はだらしない笑顔になる。

 

 

 

「なにデレデレしてんの! 早く立って!!」

 

 そこへ亜樹子がスリッパで翔太郎を叩いた。

 

「それにしても流石マジシャン。……今のマジック、どうやったんだい?」

 

 翔太郎が半ばカッコつけて聞くと、

 

「違うんです。あの、マジックじゃなくて……」

 

 そう女性はそういうと上着を脱ぎ始め、翔太郎さんが少し目線を釘付けにしていると、亜樹子さんにスリッパでたたかれたりしたが……。

 

「その……私……本当に消えるんです」

 

 リリィは二の腕の裏に刻まれた生体コネクタを見せた。

 

「「「ドーパントッ!?」」」

 

 探偵事務所の面々が叫ぶ中、俺達はコネクタをみつめていた。

 

 依頼人であるリリィ白金の話をよく聞く事にした。

 

「私、どうしても、脱出マジックが上手くできなくて……。そんな時、透明になれるメモリを手に入れて、これだっ! って思ったんです」

 

 リリィさんの使用しているのはインビジブルメモリのようだ。

 

「でも……消えたり出たりが自分の意思じゃできなくなってきて。……メモリも、抜けなくなっちゃたんです」

 

「メモリが身体から出ない?」

 

 翔太郎さんがそういうと、リリィさんは少し辛そうな表情を垣間見せる。

 

「……それで、この事務所の噂を聞いて」

 

「はぁー、すっかりうちもガイアメモリ駆け込み寺ね」

 

 亜樹子さんがそういった瞬間、リリィはいきなり透明になる。

 

「消えましたね」

 

 そういうと、フィリップさんはデンデンセンサーのギジメモリを抜きとってガジェットモードの特殊ゴーグルにした。

 

 そしてそれを通して透明になったリリィさんの姿を視認する。

 

「おかしいな。本来なら挿した瞬間に超人形態に変身する筈だ。姿を消す能力を発揮するのはその後だよ」

 

「今まで色々なメモリを見てきたが、こんな奇妙な故障バグを抱えたガイアメモリは初めてだ」

 

「それに超人形態ではない? 

 

 それって、過剰適合者」

 

 それは先日のドーパント・マンションでの出来事を考えると危険すぎる。

 

「そんな! 御願いします! 私を元に戻してください! ……早く……早く元に戻らないと」

 

「メモリの製造過程を突き止めないと……やっぱり黒服を着た組織の売人から買ったのかい?」

 

 フィリップさんがそう問うと、リリィさんは首を横にふる。

 

「いいえ。貰ったんです」

 

 また透明になった。

 

「ん~、物腰の、柔らかい感じの人でした。悩んでる私のところに現れて……」

 

「売人じゃない。……謎の紳士……」

 

「その男を探し出すしか、手は無さそうだな」

 

 すると翔太郎さんは立ち上がり、

 

「ま、安心しな。俺は困ってる街の人間を、見捨てたりしない」

 

 それでこそ、翔太郎さんらしい。

 

「にしても、紳士か」

 

「心当たりがあるのか?」

 

「いいえ、ただ、もしかしたらこの前の事件と大きな関係があると思いましてね」

 

「お前もそう思うか?」

 

 過剰適合者をここまで集めた事を考えても、あの時のドーパント達には何かあると思う。

 

 だが、その前にやるべき事があるだろう。

 

「とりあえず、調査を行うか」

 

 俺達はリリィ白金にメモリを渡した男の詳細を追った。

 

 年齢四十代前後の紳士で、ステッキのような細長い傘を持ち歩いていたらしい。

 

 そうして、俺達が調査を行っている時だった。

 

 別の所で調査を行っていた翔太郎さんから連絡が来た。

 

 俺達はすぐに連絡が来た場所に向かった。

 

 そこにいたのは

 

「なっ」

 

 信じられない光景だった。

 

 Wに変身していた翔太郎さんとアクセルに変身している照井さん。

 

 その2人を相手に、圧倒しているドーパント。

 

 体色は白が主体。後頭部に髷、肩と首回りにかけて風神の風袋のようなドーパント。

 

 

 

「っ!」

 

『ナスカ』

 

 鳴り響く音声と共に、俺は仮面ライダーへと変身すると共に、ドーパントの前に立つ。

 

『HAND! MAXIMUMDRIVE!』

 

 鳴り響く音声と共に、俺は巨大化したエネルギーの拳で、目の前にいるドーパントを殴り飛ばす。

 

「ほぅ、これは知らないガイアメモリ。

 

 という事は、君がナスカメモリの仮面ライダーか」

 

「誰だ、お前は」

 

 そう言いながら、俺は目の前にいるドーパントを睨み付ける。

 

「くくっ、私は井坂深紅郎。

 

 私としては、君に素晴らしい提案をしたくてね」

 

「提案だと?」

 

 俺はそう言いながら、目の前にいるドーパント、井坂を睨み付ける。

 

「君は、今すぐに、そのドライバーを捨てるべきだ」

 

「なんだと?」

 

「何を言っているんだ、お前は?」

 

 伊坂の提案に対して、俺も翔太郎さんも思わず叫んでしまう。

 

「ナスカメモリは非常に興味深い。

 

 ドライバーで毒素を薄めている状態でも、ナスカメモリを通して様々な力を引き出している。

 

 非常に勿体ない! 

 

 私ならば、君の可能性を広げる事ができる」

 

「巫山戯るな、誰がそんな事を」

 

「目的の為に手段を選んでいる場合ですか? 

 

 君は、強くなりたいと思っているのではないのでしょうか?」

 

 そう、伊坂は言った瞬間に、彼は腰に差していた刀を抜き放つ。

 

 そして、伊坂はそのままこちらに向かって走り出すと同時に、刀を振り下ろす。

 

 それを、俺達3人は回避すると共に、それぞれの武器を構える。

 

 しかし、次の瞬間には俺達の周囲に白い煙が立ち込める。

 

「しまった!」

 

「仕方ない。

 

 今日は別のお客様がいるからね。

 

 君の勧誘はまた、今度にしよう」

 

 そう、伊坂はその姿を消していた。

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