仮面ライダーナスカ   作:ボルメテウスさん

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「グッがアァアァァ!!」
風都の夜。
誰もが静まりかえっている中で、とある崖。
そこで2人の異形が戦っていた。
1人はまるで骸骨を思わせる存在。
腰には赤いLの文字に見えるベルトに、頭には帽子を被っている。
もう1人は、まるで吸血鬼を思わせる存在であった。
その中で、吸血鬼は骸骨に向けて、睨む。
「俺の食事をよくもっよくもっ!!」
「これ以上、お前に渡す食事はない」
それと共に、骸骨の呟きと共に、その手には銃が握られていた。
『SCULL!MAXIMUMDRIVE!』
鳴り響く音声と共に、真っ直ぐと吸血鬼に向けていた。
吸血鬼は、それを目の前にしながらも、真っ直ぐと、骸骨に向かって襲い掛かる。
同時に狙いを定めると共に、その引き金を引く。
「がああぁぁぁ!!」
弾丸は吸血鬼を射貫き、海へと落ちていく。
その光景を見ながら、骸骨は静かに立ち去る。


Vとの戦い/探偵達から託された物

 俺こと影は、現在のほとんどを翔太郎さん達と一緒に探偵活動に勤しんでいた。

 

 それは、彼らと共に行動すれば、自身の目的にも近づくと感じていたからだ。

 

 怪盗活動は、現在ではあまりほとんど行わなくなっていたが、その日は違った。

 

 翔太郎さん達は、悪夢から来るドーパントに関する事件を追っていた。

 

 そして、俺はその間、別の事件を追う事になっていた。

 

 それは、丁度、シュラウドからの依頼であり、怪盗である俺だからこそ調べられる事件でもあった。

 

「それにしても、こいつが本当に人間の仕業なのかよ」

 

 そう言いながら、事件の調査を行う前に、翔太郎さん達と相談していた。

 

 彼らはこれから一時間もしない内に、悪夢に関する事件を調べる為、それ程時間をかけて相談する事はできない。それでも、俺がこれから行う怪盗活動を行う前に彼らに相談をする必要がある。

 

「確かにこれは興味深いね。

 

 これまで、僕達はドーパントという不可思議の塊のような事件に関わってきたが、まさかこのよう事件があるとはね」

 

 そう言いながら、渡された写真を見つめながら、フィリップさんは笑みを浮かべる。

 

「うぅ、これから悪夢の調査なのに、こんなの見たら、怖くて眠れないわよぉ」

 

 それは亜樹子所長も同じだった。

 

「影君、これ本当に本物なの! 

 

 なんかの映画とかではなくって?」

 

 そう俺に話しかけてきた亜樹子所長は、その手に馴染み深いスリッパに『嘘だと言ってよ!』と書かれていた。

 

「まぁ確かに信じられない内容ですか、マジらしいですよ」

 

 そう言いながら、俺は改めて、写真を見る。

 

 その写真には、一つの干物があった。

 

 身体は完全に乾燥されており、骨と皮だけの状態。

 

 発見される前の状況を考えても、おそらくは数分もかからなかったらしい。

 

 なのに、身体の水分は隅々まで吸い取られていた。

 

 そして、その水分が抜き取られたと思われる箇所。

 

 そこには二つの小さな穴が、首元に。

 

「こいつが、本当に人間の死体なのかよ」

 

 そう、その干物の正体は、人間だった。

 

 全ての臓器は完全に水分を無くしており、ミイラのような状態となっている。

 

「それで、フィリップさん。

 

 この状況から、何か分かりますか?」

 

「あぁ、さすがにね」

 

 そう笑みを浮かべながら、フィリップさんは既に星の本棚で検索を終えていたのか、本を軽く閉じる。

 

「体内の水分をここまで一瞬で吸い取る事ができるメモリ。

 

 それこそ、候補は無数にある。

 

 だが、ここまでヒントがあればね」

 

「まぁ、確かに。

 

 俺でもさすがに、これを見たらな」

 

 そう言いながら、首元にある僅かな小さな二つの穴。

 

 その二つの穴から考察できるメモリの正体は

 

「ヴァンパイア。

 

 それが、おそらくドーパントの正体だろ」

 

「う゛ぁっヴァンパイアって、よく漫画や小説に出てくるあの!」

 

 そう、ヒサメは怯えたように言う。

 

「そして、このヴァンパイア。

 

 実は、過去にも似たような事件を引き起こしている」

 

「なんだって?」

 

 それは、俺も驚きを隠せなかった。

 

「これは、見せた方が早いかもしれないね」

 

 そう言い、フィリップさんが向かった先には、鳴海探偵事務所にある数多くの事件が収められたファイルだった。

 

 そのファイルの一つには、ある事件が書かれていた。

 

「吸血鬼事件?」

 

 まさに、これから調査を行うとした事件が、そのまま記載されていた。

 

「血液を飲み尽くされ、失血した幼い女の子の遺体が次々と見つかった?」

 

「そんな事件が本当に」

 

「既にその犯人も分かっている。

 

 ルゴシ=カマラス。

 

 異食症と呼ばれる病気にかかっており、女性の血液を食べる事に嗜好性を感じる男だったらしい」

 

「異食症?」

 

「簡単に言うと、時々バラエティ番組で時々出てくる土や鉄を食べるびっくり人間の事だよ。

 

 ただ、さすがに一瞬で血をここまで吸い上げる事など、理論上は不可能であった事もあり、警察は手を出せなかった」

 

「けど、ここに載っているという事はおやっさんは」

 

「あぁ、彼は鳴海荘吉と戦い、負けた」

 

 そうして、そのまま話を続ける。

 

「ヴァンパイア・ドーパントは調べただけでも、かなり強いドーパントだ。

 

 おそらくは井坂のウェザー・ドーパントと比べても強い事は間違いないだろ」

 

「そんな相手におやっさんは勝てたのか」

 

「いや、ギリギリだったと思う。

 

 ヴァンパイアは、その強力な力を発揮する代わりに、常に脱水症状が起きているような状態だ。

 

 だからこそ、ヴァンパイア・ドーパントはその能力の全てを吸血を行う為に発揮する」

 

「実際に、吸血すれば、一発で死にますからね」

 

 そう写真に映し出された死体を見る限り、間違いないだろ。

 

「だが、鳴海荘吉が変身する仮面ライダースカル。

 

 このスカルは体液を吸い取るといった「軟部組織を狙った攻撃」や「相手が生物であることを狙った攻撃」への耐性が極めて高い。

 

 だからこそ、ヴァンパイア・ドーパントと非常に相性が良く、追い詰める事はできた。

 

 だが」

 

「逃げられたのか」

 

 その言葉に対して、フィリップさんは頷く。

 

「メモリブレイクを行う直前に、おそらくは逃げられた。

 

 もしくは、ヴァンパイアの伝説にあるように、霧のように消えた。

 

 どちらにしても、真相を確かめる術は、その当時にはなかった。

 

 だけど」

 

「こうして、今は再開されている」

 

 そう、悪夢のような事件の再開に、俺達はため息をつくしかなかった。

 

 とはいえ、そこでフィリップさんは立ち上がる。

 

 そして、棚からファイルを取り出してきた。

 

「とりあえず、これで分かっただろう? これがこの事件の詳細だ。

 

 そして、これから起きるだろう事件を防ぐ事ができるのは。

 

 探偵である僕達でも。警察である照井竜でもない」

 

「悲劇を盗む事ができるか、怪盗」

 

 そう言いながら、2人から問われる。

 

「えぇ、盗んでやりますよ。

 

 5年前の大先輩の失敗をもね」

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