シュラウドからの突然の知らせに、俺達は呆然していた。
シュラウドが言った、フィリップさんの真の相棒が翔太郎さんではない言葉。
それが、フィリップさんにとっては、大きなショックを受けていた。
そう、既に翔太郎さんが、目的の木彫りの熊があるとされる別荘へと向かっていた。
「……影、君はどう思う、さっきの言葉は」
「それって、翔太郎さんが真の相棒じゃないという事ですか?」
「あぁ、実際に僕はさっきの戦いの時、彼は僕の力について来れなかった。
このままWとして戦うには」
「フィリップさん。
確かに、Wとしては翔太郎さんは力不足かもしれません。
だけど」
そう俺が言い終える前に、翔太郎さんから連絡が来た。
それは、木彫りの熊を狙って、なぜかウェザー・ドーパントが襲ってきた事だった。
「話は、後にしよう」
「フィリップさんっ!」
そうしている間に、フィリップさんはリボルギャリーを操作する。
それと共に、瞬く間に俺達は翔太郎さん達の元へと辿り着く。
辿り着いた先で、既にウェザー・ドーパントが翔太郎さんに襲い掛かろうとした。
だが、俺達が乗っていたリボルギャリーが、ウェザー・ドーパントの雷を防ぐ。
「おい、フィリップ!
なんで、すぐに「選択肢はファングジョーカーしかない」なに?」
フィリップは、そう焦るように言う。
「僕の身体をベースにするしか」
そう、フィリップさんは翔太郎さんと一緒に戦える可能性に縋るようにファングメモリを取り出す。
「はぁ?
よく分からないけど、やるぞ」
言葉の意味に困惑する翔太郎さんだが、すぐに承諾するように構える。
「「変身」」
同時に、ファングジョーカーへと変身する。
これまでと変わらないファングジョーカーへと変わると同時にウェザー・ドーパントに向かって、
走り出す。そして、そのままウェザーの放つ電撃を避ける。
その瞬間、翔太郎さん達の顔が苦痛に歪む。
「ぐっ、ファングジョーカーでもっ制御がっ」
それは、ファング側の、フィリップさんから溢れ出る力を制御できず、苦しんでいるようだった。
「こうなったら、マキシマムで反撃だ!」
「左右のバランスでは、ダメだ!?」
二人は、そう話しながらも攻撃を続ける。
そして、なんとかウェザーを倒す事が出来た。
その後、フィリップさんは倒れ込むように地面に座り込んだ。
「はぁ、はぁ、やるしかないのかっ」
『ファング! MAXIMUMDRIVE!』
その音声が鳴り響くと同時に、翔太郎さん達は必殺の一撃をそのままウェザー・ドーパントに放とうと構えた。
しかし、その必殺の一撃は、放つ前にバランスを大きく崩れ、変身が解除される。
「なっぐっ、変身が維持できないっ」
そう、翔太郎さんはすぐに気絶から立ち上がる。
「フィリップっ、すぐに変身をっ!」
そう、翔太郎さんはジョーカーメモリを取りだし、構える。
だが、それに対して、フィリップさんは悲しそうに首を横に振る。
それが、何を意味しているのか、分からなかった。
「ぐっこうなったらっ」
『影っ! 無茶だっ、今の君の身体ではっ』
「やるしかないだろっ!」
『ナスカ! レベルアップ!』
同時に俺はすぐに仮面ライダーへと変身する。
それと共に、一気にレベル3へと変わると共に、ナスカブレードを真っ直ぐとウェザー・ドーパントに振り下ろす。
「ほぅ、次は君が相手か」
「はああぁぁぁ!!!」
ウェザー・ドーパントは、俺に対して余裕の笑みを浮かべながら、その攻撃を受け止める。
だが、そこで俺は無意識にだが、ナスカの能力を発動する。
『PELICAN』
鳴り響くと共に、左腕にペリカンの頭を模した武器「ペリカンアーム」を召喚し、そのまま嘴部分で殴る。
「おっと、これは意外と痛いな」
しかし、ウェザー・ドーパント達は俺の攻撃を受けると大きく後ろに下がる。
同時にウェザー・ドーパントはその身体から無数の雷を周囲に撒き散らす。
『MONKEY』
すると、俺の腰から伸縮自在の尻尾が伸び、周囲の雷を防ぐ。
それと同時に、俺はウェザーへと接近して、そのまま殴りかかる。
「ふんっ!」
ウェザーは、腕を振るう事で風を発生させて、その勢いで俺を吹き飛ばす。
「なにっ、能力を複数使用するだと」
『どういう事だっ、複数の能力を同時に使用できるなんて』
「俺にも分からないっだがっ!」
これぐらい無茶しないと、目の前にいるウェザー・ドーパントを倒す事はできない。
「影っ」
「照井っさんっ」
後ろを見ると、既にアクセルに変身している照井さんがいた。
同時に、その手に持つエンジンブレードをウェザー・ドーパントに追撃する。
「やるぞっ!」
「えぇ!」
その言葉と共に俺と照井さんはそのままウェザーへと斬りかかり続ける。
一方で、ウェザーの方も俺たちの攻撃を避ける為に動き回る。
その中で
「照井竜!」
同時に聞こえた声と共に、照井さんに投げ渡されたのは、サイクロンメモリだった。
「えっ」
それに、俺達は困惑した。
だが照井さんは迷っている場合ではないと感じ、瞬時にサイクロンメモリをエンジンブレードに装填する。
『サイクロン! MAXIMUMDRIVE!』
同時に風の刃を纏ったエンジンブレードをウェザー・ドーパントに向けて、振り払う。
その一撃は、これまで劣勢だった俺達を逆転させるには十分な力だった。
「これはっなんていう力っだがっ!」
照井さんは驚きながらも、エンジンブレードを振り払い続けていく。
一方、ウェザーは風によって吹き飛ばされるが、すぐに体勢を立て直す。
そして、右手を掲げると同時に、巨大な竜巻を発生させる。
それは先程までとは比べ物にならない程の強力なものだった。
だが
『PELICAN! MAXIMUMDRIVE!』
『MONKEY! MAXIMUMDRIVE!』
俺は鳴り響く音声と共に、全身に纏っていたエネルギーをナスカブレードに纏う。
同時に襲い掛かる巨大な竜巻を真っ二つに切り裂く。
「なっ」
「照井さんっ!」
「あぁ!!」
照井さんは、そのままエンジンブレードの風の刃を、ウェザー・ドーパントを切り裂く。
それにより、ウェザーは膝をつくが、まだ諦めていないのか、こちらを睨みつけている。
「ぐっ、ここは退散しますか」
その言葉と共にウェザー・ドーパントは、そのまま姿を消した。
戦闘が終わり、同時に俺は変身は強制的に解除される。
「ふぅ、はぁっ、ぐっ」
戦いによってできた疲労に、息切れを起こしてしまう。
すると照井さんが俺に向かって近づいてくる。
「大丈夫か?」
そう言いながら、心配そうな顔で見つめてくる。
そんな様子に少し戸惑いつつも、何とか言葉を返す。
「えぇ、なんとか」
とはいえ、さすがに体力の限界だ。
もう一歩も動けないほどに。
だけど、それよりも俺が気になったのは翔太郎さんとフィリップさんの方だった。
2人は、もぅ、仮面ライダーにならないのか。
「これは、レベル3。
いや、既にレベル4には達しているか。
やはり、メモリの適合率は高いようね」
そう言いながら、シュラウドは、まるで先程の戦いが見えたように頷く。
「ならば、もうすぐあのメモリを手に入れるでしょう。
しかし、そうなると気になるのは、あの子ね」
シュラウドがそれと共に思い出すのはヒサメの存在だった。
「彼女自身もメモリに引き寄せられている。
もしかしたら」
そう言いながら、取り出したのは、翔太郎達と同じWドライバー。
「セカンドプランは、もしもの時にね」