「俺と、ヒサメがWにだと」
その言葉を告げたシュラウドの一言に、俺は驚きを隠せなかった。
「ナスカとウェザー。
その二つのメモリの力の強さは、貴方達も知っているはずよね」
「それは」
実際に、俺自身もナスカを力をこれまで使っていたからこそ、その力の強さも分かる。
そして、ウェザーは、ドーパントとして実際に相対して、戦ったからこそ分かる。
「それで、なんで俺達をWにしようとするんだ」
「簡単よ。
今のフィリップは左翔太郎に拘り過ぎている。それが、この先どれだけ足を引っ張るか分からないわ。
それなら、代わりの存在も必要になる」
そう言って笑うシュラウドだった。
「だからこそ、俺とヒサメを」
だからと言って、俺は
「何を迷っているの」
「それは」
ヒサメが一緒に戦う事に迷いがある。
何よりも
「ウェザーの力を使うのはっ」
それが、あの井坂が使った能力と同じものだと分かったらなおさらだ。
「今は迷っていられない状況よ。
これからミュージアムとの戦いが始まる以上、私達は戦力が必要なのよ」
そうだとしても、俺は
「いずれ、あなたから求めるはずよ。
ウェザーとヒサメの力を」
そう言いながら、シュラウドはその姿を消した。
「影」
そう、心配そうにヒサメは俺に話しかける。だが、それも当然の話だろう。
いくら今の状況でも、俺自身の身の危険を考えるならば、受け入れるしかない。
けれど、それでも俺は
(まだ、答えなんて)
どうすればいいのか分からず、立ち尽くすしかなかった。
「とにかく、今は、ズードーパントが何を伝えるのか、調べよう」
そう、俺は言った。
結局、シュラウドの言うとおりなのかもしれない。
そう、俺は森を見つめる。
「お爺ちゃんの名前を使っていたけど、あの人はこの土地で悪い事をしようと、考えていたのかなぁ?」
「……いや、俺は、違うと思う」
爺さんの名前を使っていた。
その行動は、確かに過激だ。
だけど、同時に確かにこの自然を愛した人間である事は間違いないはずだ。
何よりも、これまで建物の大きな被害はあった。
だが、人が死んだという報告はなく、本当に自然を守ろうという気持ちがあった事が伺える。
そんな人間がどうして。
「……もしかしてだけど」
同時に、俺は、そのままレディバグフォンでフィリップさんに連絡する。
そこから気になった事を質問する。
「なるほど。
だとしたら、ズードーパントの考えは正しいかもしれない」
それと共に、この地で起きている出来事に、俺は怒りに震えた。
「くそっ」
それと共に、俺は怒りを隠せなかった。
「影っ」
「俺は、こんな事を許せないっ!
まさか、この森でっ、そんな最悪の事をっ!」
俺はそう言いながら、枯れた森を見つめる。
その光景は、俺には、森が泣いているように見えた。
「でも、影」
「あぁ」
このまま、ウェザーの力を使って良いとは、とても思わない。
「あなたは、やはり変わらなかったな」
「っ!」
聞こえた声。
それは森の中の暗闇でその影は見えなかった。
だが、その手元には、まるで狼を思わせるロボットがいた。
それは、フィリップさんの持つファングメモリと似た姿だった。
「まさか、お前は」
「……先程の話は既に聞いていました。
だからこそ、これを」
その言葉と共に、なんとズーメモリが俺達の元に来た。
「えっ」
困惑しながら、俺はズーメモリを見つめる。
そのメモリ部分は、俺や翔太郎さん達が使っていたメモリと同じ物だ。
「これは」
「先程の女性が、あなたに渡す為にと。
本来のズーメモリは既に」
「……もしも、あなたが俺の予想通りの人物ならば。
自首をしてくれるか」
そう、俺は呟いた。
だが、返ってきた返事。
「えぇ、勿論。
だからこそ」
「分かっている。
俺も、この森の涙を拭いたい」
そう、翔太郎さんの気持ちが確かに感じ取った。
同時に、そのズーメモリは、そのままヒサメの肩に懐くように座る。
「ヒサメ、そいつを頼めるか」
「うん」
その言葉と共に、俺の言葉にヒサメも頷く。
同時に、この事件が終わりへと向かって行く。