仮面ライダーナスカ   作:ボルメテウスさん

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第34話

 バーバリアン・ドーパントに変身していた社長は、殺されてしまった。

 

 俺達の前に現れた謎の煙が、そのまま社長の身体に潜り込むと共に、その肺を瞬く間に黒くさせ、死亡させた。

 

 すぐに追いかけようとしたが、煙は素早く逃げていった為に捕まえる事ができないまま、謎の煙を見失ってしまった。

 

 とりあえず、警察に任せ、俺達は怪しい人物を探し始める事にした。

 

「そう言っても、怪しい奴が多すぎるよ」

 

「まぁ、それはそうだろうな。

 

 なんだって、あの社長は相当恨まれていたみたいだからな」

 

 どうやら、あの煙の正体は何かしらの形で恨みを持っていた者がドーパントとなった。

 

 俺はそのまま会社内の社員を見つめていく。

 

 目の隈が酷く、ヨレヨレのスーツとボサボサの髪、死んだ魚の目をした30代の男性である佐島八郎。

 

 大学卒業後、既に勤務は2ヶ月でありながら、ミスが多い青年である柘植浩一。

 

 仕事を日常的にサボってSNSやスマホゲーばかりする中年男性である田上孝太郎。

 

 社内での会話が少なく、同僚から嫌われている女性で今宮早苗。

 

「たぶんだけど、この4人かな」

 

「どうして、そう思うの?」

 

「直感としか、言えないな。

 

 だけど、おそらく間違いないと思う」

 

 根拠というか、直感でしかない。

 

「けど、誰が?」

 

 その言葉に、俺は観察していく。

 

 佐島八郎は、その身体から体臭が特徴的な事以外にも、よく咳き込む事が多い。

 

 柘植浩一は、苛つく事がよくあるのか、舌打ちも多くて仕事態度が悪かった。

 

 田上はスマホゲームをよくしていて、暇さえあればネットサーフィンをしているようなタイプだ。

 

 今宮早苗に関しては、あまり話さないものの、その視線は常に下を向いていて、たまにブツブツと言っている姿も目撃されているらしい。

 

 全員が全員とは言わないが、それでも疑わしい。

 

「けど、本当に分かるの?」

 

「調べている限りは、全員は酒も煙草もしていないようだね。

 

 あまりのブラック企業ぶりで、できないそうだし」

 

「……」

 

 そう、ヒサメの言葉を聞きながら、俺は再び今回のドーパントの特徴を思い浮かべる。

 

 肺が黒く染まっていて、それらは煙草による中毒症状。

 

 そこから、今回のドーパントのメモリの正体は『シガレット』

 

 つまりは煙草のドーパントだ。

 

 そして、バーバリアン・ドーパントの社長を殺す為に、煙となって、身体の中に潜入して、そのまま殺した。

 

「それが、鍵になるかもしれない」

 

 その身体を煙に変えたという事は、通常以上に煙草による影響が大きい。

 

「影、何か、分かったの」

 

「あぁ、ドーパントの正体がな」

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