「奇妙なマーク?」
その日は、久し振りの鳴海探偵事務所での一日だった。
昨日までは、ブラック企業に関する事件の疲れを取るように眠っていた為、鳴海探偵事務所に来ていた。
そんな中で、照井さんから出された写真には、まるで8という数字を思わせる入れ墨があった。
「あぁ、フィリップの知識を借りようと思ってな。
そう言えば、お前には確かナスカの亡霊がいるんだったな」
『それは私の事かな?
まぁ、確かに亡霊と言ったら、亡霊だが』
そう言いながら、霧彦はそう照井の前に来ていた。
実体がない事もあり、その写真を見る為に、近づく。
すると、何やら驚いた顔で、その写真を見た。
『驚いた。
まさか、このメモリを使う人物が出てくるとは』
「知っているのか?」
どうやら、霧彦自身も心当たりがあったのか、目を見開きながら驚いてた。
『あぁ、これはイエスタディの刻印だ』
「イエスタディ?
それって、つまり、昨日という意味?」
『あぁ、かなりトリッキーな能力でね。
刻印を打ち込まれた者は24時間前の行動を繰り返させる事ができる。
攻撃を行った直後には、あまり意味はないが、翌日になって、任意に発動させれば、その能力は実に厄介だ』
「なるほど、被害者は全員、そのイエスタディの刻印を打ち込まれていた訳か」
「刻印?
聞きたい事が一つある」
『なんだい?』
「そのイエスタディ・ドーパントはもしかして砂時計を思わせる何かがあるのか」
『あぁ、それはっ、まさかっ!!』
同時にその嫌な予感がした。
それと同時だった。
「失くしたきのうを探すのも、探偵の仕事ですよ!どうぞ」
それは、丁度、奥の椅子に座っていたはずの翔太郎さんが突然立ち上がっていた。
その光景に俺達は同時にその嫌な予感が的中した事に気づく。
「フィリップさん。
もしかして、昨日、そのイエスタディ・ドーパントと戦ったんですよね」
「あぁ、もしも、僕の予想が正しければっ危険だ!!」
同時に俺達はすぐに翔太郎さんの元へと走って行った。
既に翔太郎さんがどこに向かっていたのか、分かっていた俺達は、先回りするように向かった。
「ここで昨日、ドーパントと戦った」
『あぁ、だからこそ、ここで彼を止める。
それができる能力も既にっ、危ないっ!』
「っ!」
霧彦の声に反応し、俺は瞬時にその場を避ける。
同時に襲い掛かってきたのは砂時計を思われるマークによる光弾だった。
すぐにロストドライバーを腰に巻きながら、俺はナスカメモリを取り出す。
「まさか、すぐにイエスタディ・ドーパントが出てくるとはな」
『影、気をつけろ。
イエスタディの刻印が刻まれば、厄介だ』
「分かっている、変身!」
『ナスカ』
俺は霧彦からの忠告を受けると共に、ナスカへと変身する。
それと共に、ナスカブレードを手に持ちながら、真っ直ぐとイエスタディ・ドーパントに向かって走り出す。
イエスタディ・ドーパントは先程と同様に光弾を放っていく。
その攻撃に対して、俺は時には避け、時にはナスカブレードで切り払いながら、真っ直ぐと進む。
その最中に。
『影っ避けろ!!』
「っ!」
霧彦の声に切り払おうとした光弾をその場で避ける。
「まさか、さっきのは」
『あぁ、イエスタディの刻印だ。
あれに触れれば、終わりだ』
「厄介だ」
イエスタディの刻印だけで行えば、それに注意して、避ける事に専念していた。
だが、通常の攻撃である光弾を混ぜる事によって、俺に切り払いという選択肢を与えた。
同時に、それによって簡単にイエスタディの刻印を刻み込ませる事ができるチャンスもある。
「こうしている間にもっ時間がないのにっ!」
俺はそう言っていると
「変身!」
「なっ!」
聞こえた声。
同時に見れば、ビルの屋上から真っ直ぐ降りている翔太郎さんの姿見えた。
地上に降り立つと共にWへと変身しており、その動きはまるで何かと戦っているようだった。
「ぐっ!」
すぐにでも止めに行きたかったが、目の前にいるイエスタディ・ドーパントがそれを許さない。
苦虫を噛みながら、どうするべきか迷っていた時だった。
「影っ!」
「っ!」
聞こえた声、それと共に、イエスタディ・ドーパントに向かって、一つの人影が襲う。
その声に聞き覚えのあった俺は思わず笑みを浮かべる。
「照井さんっ」
「こいつは俺に任せろ!
既にフィリップから話は聞いている!」
「頼みました!」
頼もしさと共に、俺はすぐに翔太郎さんの元へと向かう。
既にホールに入っており、そこには壇上で演説を行っていた園崎冴子の姿があった。
『冴子?
まさかっ、これが狙いでっ』
霧彦が何か言っているようだが、すぐにでも止めないといけない。
俺はそのままナスカメモリへと手を伸ばす。
『リャマ』
同時に俺はリャマへと変換すると共に、背中にタンク、リャマリカバーを背負う。
『リャマ!MAXIMUMDRIVE!』
同時に俺はそのまま走り出す。
『影っ、そこから真っ直ぐだ!』
既に昨日の戦いを覚えているフィリップさんからの声と共に、俺はそのまま必殺技を放っている最中のWに向かって、両脚による一撃を与える。
「ぐっ!!
ここはっ、俺は一体?」
『ようやく気がついたかい、翔太郎』
「ふぅ、なんとかなった」
このリャマは、メモリの中でもかなり珍しい回復能力が備わっている。
自身や自身が触れた相手を回復させる事が可能であり、その能力を使い、イエスタディの刻印に向けて、過剰にエネルギーを送り込んだ。
「影?
ここは一体?」
『翔太郎、それよりも外に出よう。
どうやら、今回の一件、僕達だけではなく、ナスカにも大きな関わりがある』
「俺達にも?」
その言葉に疑問に思いながら、そのままフィリップさんに促されるように、そのまま外に出る。
「おそらく、イエスタディ・ドーパントは今回の暗殺を目的に昨日依頼を行った」
「昨日の依頼?
まさか、夕子さんが!!」
どうやら、昨日の依頼から既にこの襲撃の計画が行われいたらしい。
ある意味用意周到と言うべきだろう。
『あぁ、だが、正確にはその名前は彼女の本名じゃない』
「どういう事なんだ?」
そう言いながら、そこにはアクセルと戦うイエスタディ・ドーパントの姿があった。
そうして、俺達が辿り着いたタイミングに合わせてか、イエスタディ・ドーパントは、その変身を解除させた。
『いや、違う。彼女の本名は須藤雪絵、須藤霧彦の実の妹だ。僕達には園咲霧彦といったほうがわかりやすいかもしれないが』
『雪絵が、ドーパントだって!?』
それは、俺は勿論、霧彦にとっても、ショックを隠せない事実だった。