仮面ライダーナスカ   作:ボルメテウスさん

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Rの彼方/復讐の終焉

凪さんが攫われた。

 

それに対応するように、俺達鳴海探偵事務所のメンバーはすぐに動き始めた。

 

井坂が、何を企んでいるのか、未だに分からない以上、俺達にできるのは、目撃情報だけだった。

 

「くっそっ、どこに行けば」

 

俺は思わず、悔しがりながら、地面に落ちているゴミを思わず蹴ってしまう。

 

こうしている間にも、凪さんの身が危険な状況なのに。

 

そう、俺が悩んでいると、レディバグフォンから着信音が聞こえる。

 

見ると、そこには地図があり、その送り主は。

 

「シュラウド。

なんで、奴が」

 

そう、疑問に思いながらも、俺はすぐに翔太郎さんにその場所のデータを各々の携帯に送り、すぐに向かう。

 

凪さんが捕らわれている以上、猶予は少ない。

 

急ぎ向かった先には、手足を縛られている凪さんがおり、そこには井坂と相対するように照井さんがいた。

 

「照井さん」

 

既に戦いが始まっているが、その状況は劣勢の一言だった。

 

通常のアクセルでも、井坂に勝てる事ができなかった。

 

そんな状況で、勝てるのか。

 

そんな思いとは裏腹に、照井さんはその手に持ったエンジンブレードを投げ捨てた。

 

疑問に思っている間にも、照井さんが取り出したのは。

 

「なんだ、あれは」

 

それは、これまで見た事のないアイテムだった。

 

手元を見れば、メモリがあるのは分かるが、その上にはまるで巨大なストップウォッチを思わせる物があった。

 

そこから考えても、俺とヒサメが使うズーメモリや、翔太郎さん達のファングメモリやエクストリームメモリともまた違ったメモリかもしれない。

 

『トライアル』

 

鳴り響く音声。

 

それと共に、トライアルと鳴り響いた音と共に、照井さんはそのままベルトにトライアルメモリを挿入する。

 

すると、照井さんのアクセルは赤から黄色に。

 

黄色から青に変わると共に、その容姿を大きく変える。

 

これまでのアクセルがエンジンを積み込んだモンスターマシンを思わせるバイクならば、今の照井さんの姿は、スピードを出す為にパワーを犠牲にした姿。

 

それが、その姿の感想だった。

 

「ほぅ、新しいメモリを手に入れたか」

 

そう、井坂はその手から雷を放った。

 

これまでだったら、それを避ける事はできなかった攻撃。

 

だが、照井さんはなんと、軽々と避けた。

 

それだけではなく、そのまま井坂に突っ込むと共に殴った。

 

「なるほど、確かに速い。

だが!」

 

同時に井坂はその手から雷雲を出し、照井さんの周りを囲む。

 

「どんなに素晴らしいメモリでも使う奴が虫けらでは意味はない!」

 

その叫び声と共に、雷雲から無数の雷が襲い掛かる。

 

しかし、その攻撃を、なんと残像を残す程の速さで避け、雷雲から抜け出す。

 

「マジかよ。

怪盗の俺よりも速いって」

 

俺は思わず笑みを浮かべる。

 

今の照井さんならば、井坂に勝てる。

 

「見せてやろう。

トライアルの力を」

 

そう、トライアルメモリを取り出す。

 

だが

 

「駄目だよ竜君!

本当は10秒の壁を抜いていないないのよ!!」

 

亜樹子所長は悲痛な叫びが響く。

 

「10秒、それって、どういう」

 

「マキシマムを使うには、10秒以内にマキシマムを決めないと行けないの。

それを、まだ竜君は」

 

「それじゃ、このままじゃっ」

 

それを聞いて、亜樹子所長もヒサメも心配そうに見つめる。

 

けど

 

「それは、大丈夫じゃないか」

 

「何を言っているの、影!」

 

「今の照井さんは、ただの復讐鬼じゃない。

かつて守れなかった人を守る為に。

戦う仮面ライダー」

 

「あぁ、だからこそ、奴は超えれるさ」

 

俺の言葉に翔太郎さんもフィリップさんも頷く。

 

同時に照井さんはその手にあるトライアルメモリのスイッチを押す。

 

それと共に、俺達は照井さんを目で追う事も難しい程の速度で走り出していた。

 

既に残像を残す程のスピードであり、井坂の攻撃を軽々と避け、すぐに懐に飛び込む。

 

「なっ」

 

同時に井坂を連続キックをT字状に浴びせる。

 

それは、照井さんのキックだけで残像を作り出し、井坂にT字の光が見える程に。

 

『トライアルMAXIMUMDRIVE!』

 

同時に宙に浮かんでいたトライアルメモリを手に取り、そのままスイッチを押す。

 

「9、8秒。

それがお前の絶望までのタイムだ」

 

「がああぁぁ!!」

 

同時に井坂はメモリブレイクされ、そのまま倒れる。

 

同時に、井坂が使っていたウェザーメモリは完全にブレイクされる。

 

「照井さんが勝った」

 

「当たり前だ」

 

今の、目の前にいるあの人は。

 

俺達が初めて出会った頃の復讐の化身じゃない。

 

「やったね、あとはっ」

 

そう思った時、ヒサメは短い悲鳴を上げる。

 

見ると、井坂の身体のあらゆる箇所にメモリのコネクトが出てきた。

 

「あれは一体」

 

「メモリの過剰使用のツケが来たんだ」

 

「メモリに心酔し、最後にはメモリによって死ぬ。

ある意味、自業自得かもな」

 

俺はそう言いながらも、井坂に近づく。

 

「おい、ヒサメが持っていたウェザーメモリはどこに持っている」

 

「くくっ、さぁな。

だが、その内、お前達の前に再び現れるだろうなぁ。

新たなウェザーが」

 

その言葉を最後に、井坂は完全にその身体を灰となって、この世界から消えた。




『凪さんの笑顔を取り戻した。
照井さんも復讐を終えた。
井坂はこの街から消えた。
こうして見れば、全ての出来事は平和に解決したように見える。
だけど、未だに行方が分からないウェザーメモリ。
普通ならば、ドライバーなしで使用する事は決してできないメモリだから、安心している。
しかし、俺はどうしても嫌な予感しかしなかった。
翔太郎さんとフィリップが、荘吉さんの意思を継いだように。
俺が翔太郎さんに憧れたように。
あの井坂に憧れ、意思を引き継ぐ者が現れるかもしれないと。
今は、その不安が当たらない事だけを祈るしかない』
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