ウェザー・ドーパントとの戦いは、途中で終わりを迎えた。
プロデューサー亜樹子による川相さんの映画作りに、意外な妨害者が現れたが、結局は若菜さんの目的は未だに分からない。
そして、それでもあいつはまだ、諦めていなかった。
「どうしたんですか、亜樹子所長?」
「よくもう一度見る気になったな。そのクッソ長い映画」
「それが役立つとは思えんぞ」
所長が見ていたのは透の勢作した映画だった。
「なにか透君の心の中が掴めると思ったんだけどな・・・。間違いないのは、ジェシカが透君の理想の女性だってこと」
「でもあいさんに惚れてるわけじゃねーんだろ?」
「うぅーん、わっかんないよ。またジーンが無いとダメだって言い出すし、このままじゃ透君、変われないよ」
そう言いながら、悩むように所長は頭を抱える。
「そう言えば、影って、結構川合さんと気が合っているように見えたけど」
「それは、本当なの!」
そう、亜樹子所長は立ち上がった。
「あぁ、いや。
俺が分かるのは映画のコンセプトだけですから。
あとは、たぶん、人と話すのが苦手だから、頼みづらいのもあると思います」
「人に頼るのが、そんなに難しいの?」
「人によっては、そうかもしれないです。
俺も、恥ずかしいというか、失敗されて怒られたらと思ったら、言葉が上手く出ないので」
「そっか。
だけど、私は諦めるつもりはない!!
さぁ、再開よ!!」
それと共に、再び映画作りが再開された。
だが、その最中は、多くのトラブルがあった。
未だに大きな声を出す事ができない川合さん。
そして
「絶望が俺のゴールだ」
その一言と共に、逃げ出した照井さん。
普段ならば、考えられない程に素早く逃げ出した。
そうした、数々の出来事が、この映画撮影で起きた。
「これで、心が変える事ができるのか」
「フィリップさんは、不安なんですか?」
そう言いながら、フィリップさんに俺は質問する。
「・・・メモリの毒素は恐ろしい。
姉さん達のあの姿を見たら、僕は」
「確かにそうかもしれません。
けど、俺はそれとは別に、もしかしたらという可能性を信じたいです」
「甘い考えだよ、それは」
「だとしても、信じてみたいんです。
信じたいんです。
川合さんが、弓岡さんと同じだって、信じたいから」
そう行った、フィリップさんもまた、同じ事をかが得たのか、少し俯いていた。
そんな時、映画の撮影中だが、所長達が姿を消した事に気づく。
それに疑問に思っていると
「ハアハアハア・・・!!」
川相さんが荒息しながら駆けてくる。
「川相くん!」
「透・・・亜樹Pはどうした?」
そう聞かれて筆記をしようにも、そのスケッチブックがなかった。
それに戸惑いを隠せない様子。
「ひょっとして所長になにかあったのか?」
「・・・・・・・・・」
「黙ってる場合じゃないでしょ!ハッキリ言いなさいよ。川相君!川相君!」
それは、これまで人と話すのが苦手だった川相さんにとっては、難しかった。
だが
「ダァァァ!!好い加減にしてよ虹村さん!イメージが違うんだよ!君は、君は元気良すぎなんだよ!ジェシカはもっとこう、ダークなイメージなんだよ」
「「「「「「「「「「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」」」」」」」」」」
川相さんの豹変ぶりに皆は黙り込む。
「・・・・・・言えた。やっと本人に」
「そんなことなの?私に言いたかったことって?」
「うん、言えなかった。勝手に姿使って、ゴメン」
川相さんは虹村さんに頭を下げた。
「川相透が変わった。いや、アキちゃんが変えた?」
フィリップも驚きを禁じえない。
「そうだ、亜樹Pが危ないんだ!」
「えっ?!」
その言葉と共に、俺達は驚きを隠せなかった。
「とりあえず、急いで助けに行くぞ!」
その翔太郎さんの言葉をきっかけに、俺達もまたすぐに向かった。
そこで目にしたのは、若菜さんだった。
しかし、その様子は、これまでよりも異質だった。
「若菜さん」
「そう言えば、亜樹子さんはっいた!」
その言葉と共に、箱に突っ込んでいる状態の亜樹子所長を見つめる。
ヒサメはすぐに亜樹子所長を助け出した。
「フィリップ君、大変だよ!若菜姫が、透君になにかさせて、グニュ!ピカーンって!!」
すると、緑色の光は収まっていく。
「そうか。ジーンの能力を使って、クレイドールに新しい力を加えたのか」
『その通り。今、完全に馴染んだわ』
「だったら、すぐに止めるぜ。
行くぜ、皆」
「ヒサメ、始めから、ズーで行くぞ!」
「分かった!」
同時に俺達5人は同時に仮面ライダーへと変身した。
見た目に大きな変化が見られないクレイドール・ドーパント。
だが、その戦闘能力は大きく、強くなっている。
「確かに強くなってる」
『押し切るしかない』
「よし、いくぞ」
『エクストリーム』
同時に、翔太郎さん達はすぐにエクストリームへと変身する。
「今度こそメモリブレイクだ」
『プリズム・MAXIMUM DRIVE』
鳴り響く音声と共に、翔太郎さん達はその手に持った剣を真っ直ぐと、クレイドール・ドーパントに放つ。
これまで数々の再生能力を見せたクレイドール・ドーパントだが、エクストリームによる解析で、それも既に無意味なはず。
放たれた一撃は交わり、X字型となって直撃し、それでクレイドール・ドーパントは粉々になった。
しかし。
「メモリが出ないだって?」
驚きを隠せないフィリップさん。
「ふふっ、残念ね、ライト。
私、変わったの。
お姉様もそこで見ていなさい」
同時にクレイドール・ドーパントの身体が真っ二つに割れる。
それは、まるで翔太郎さんのエクストリームと似た現象。
「エクストリーム!!」
そして、クレイドールの表面はドンドンドンドン剥がれていき、遂には一気にその姿を劇的に変化させて、3・4mを楽勝で越えた体躯を誇った上、不気味な女の顔と遮光土器のような下半身をした姿になった。
「まさか、クレイドールエクストリームっ」
それに俺達が驚いている間にも、クレイドール・ドーパントエクストリームが攻撃を仕掛けてくる。
姿が大きく変わると共に、自由自在に伸びる触手と破壊光弾。
どれもこれも以前とは比べ物にならないものになっている。
だが、それよりも最後の一撃を行う為に、巨大な光を集めていた。
「このままではっ!
照井竜!亜樹子ちゃんと川相の2人をここに!
影とヒサメは一緒に!」
「了解しました!」
『トータス!MAXIMUMDRIVE!』
それと共に、照井さんはそのまま亜樹子所長と川合さんを連れて、俺達の元に。
そして、俺はそのままトータスアーマーを身に纏うと同時に翔太郎さん達のMAXIMUMDRIVEを会わせる。
俺達によるツインマキシマムだが、これまでにない完全防御のマキシマムドライブで耐える。
「ぐっぐぅぅ!!」
その威力を完全に殺す事はできなかった。
それでも、2人を守る事には成功した。
同時にその光景に満足したようにクレイドール・ドーパントエクストリームはその姿を消した。
「防御力重視にしても、これとは」
「相当、やばいですよ」
これまで以上にやばい強敵に俺達は戦慄を覚えていた。
しかし、それでも生き残る事ができ、俺達はほっと息を吐く。
同時に川合さんがこちらを見る。
その手にはジーンメモリだった。
そして、それを俺達に向けていた。
「川合さん」
「もう要らない。
仲間がいるし」
それを聞いて、俺は思わず笑みを浮かべる。
「あぁ、そうっすね」
その言葉と共にジーンメモリを完全に砕いた。
結局、今回の戦いで俺達は新たに現れたウェザー・ドーパントにも、クレイドール・ドーパントエクストリームにも勝てなかった。
しかし、川合さんを。
メモリから克服させる事ができた。
それは、きっと、何よりも俺達の勝利だろう。
それが、フィリップさんの笑みが意味をしていたから。
「ここ風都に侵入した凶悪なグループが飛行機を襲撃。
その際、AからZまでの次世代メモリが風都に散らばったわ」
大晦日、特別編。
「次世代メモリ」
「このメモリには、これまでのガイアメモリでは発言する事ができなかった数々のメモリも試験的に運用されているわ。
もしも、全てが奴らの手に渡れば、世界は終わりよ」
未知のT2ガイアメモリによって、風都は、世界は滅亡の危機に瀕した。
「さぁ、来るが良い!
異なる世界の、同士よ!!」
未曾有の危機に、影は、ヒサメは、翔太郎は、フィリップは。
風都の仮面ライダーが立ち上がる時、奇跡が起きる。
「どうやら、逆転の手は、俺の手元にあるようだぜ」
仮面ライダーW&ナスカ FOREVER AtoZ 運命のガイアメモリwithハーメルン・ノベルティック・ライダーズ
2022年12月26日から公開予定