仮面ライダーナスカ   作:ボルメテウスさん

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第48話

刃野幹夫と俺の関係は意外にも、結構長い。

 

その理由としては、俺が怪盗として、活動を始めた頃に遡る。

 

その日の初めてのメモリを手に入れ、未だに怪盗としての技術はあまりなかった頃、偶然だが、刃野さんに見つかってしまった。

 

容姿が仮面ライダーに似ていたが、まるで泥棒のように見える行動からして、俺をすぐに逮捕するように動いた。

 

メモリとの関係というよりも、彼自身は善良な警察官という事で、俺は特に気にせずに逃げていた。

 

しかし、以外にもこの人物はかなりしつこかった。

 

というよりも、あの人は見た目とは裏腹に、かなりのやり手であり、建物の間に逃げる俺に対して、結構しつこく追ってきた。

 

しかし、その反面、かなりの騙されやすく、まるでコメディでもやるようによく罠に引っかかっている。

 

その様子を見ていた霧彦からはよく「トムとジェリー」や「ルパン三世と銭形刑事」という表現をされていた。

 

今は、こうして鳴海探偵事務所で働いており、怪盗行為は少なくなっていたが、要注意人物として、俺の中ではピックアップされていた。

 

されていたのだが。

 

「頼むよ、俺の無実を証明してくれよ!」

 

まさか、彼自身が逮捕されるとは思わなかった。

 

事件の内容からしても、雨の夜、突然抱きついてきた謎の女に、宝石の窃盗犯に仕立て上げられたらしい。

 

その真犯人を見つける為に、俺達は行動する事になった。

 

「それにしても、影は意外と積極的なんだな」

 

「ある意味、俺が道を外さなかったのは、犯人に対して殺意を向ける前に、あの人が来てくれたおかげかもしれませんからね。

あの人、騙されやすいけど、どこか不思議と悪い気はしなかった」

 

「それが、あの人のおかげだ。

ある意味、お前が道を外さなかったのは、刃さんのおかげかもしれないな」

 

「かもしれませんね」

 

そういう意味では、怪盗時代の借りを返す意味でも、この事件を解決しないといけない。

 

そう話をしていた時だった。

 

「メリークリスマース!!」

 

「うわ!?」

 

サンタちゃんの登場に俺は驚きの声を出してしまった。

 

「おぉサンタちゃん。例の噂について、なにかわかったか?」

 

「うん。襲われた七人の女性は全員モデル。しかも同じクラブのメンバー。ただの偶然とは思えない思えなーい!」

 

「確かにな。んで、そのクラブの名前は?」

 

サンタはプラカードをだした。

 

「BLUE TOPAZ」

 

「よし、行くぜ皆」

 

翔太朗さんは仕切りながらそこへ向った。

 

BLUE TOPAZ 。

 

そこには選ばれた美男美女が次々と足を運んでいた。

 

そこで、裏でもしかしたら目的の女と繋がっている可能性がある為、正面は翔太郎さん達が、俺達は裏から密かに侵入する事にした。

 

クラブの上から眺めていると、その噂通り、多くの人が踊っており、その光景はある意味、俺には苦手意識があった。

 

「影って、こういう所は苦手なんだよね」

 

「うるせぇ、こういう所は嫌なんだよたく」

 

そう俺が言っている間にも海上で変化が起きた。

 

見れば、目的の人物だと思われる女性が亜樹子所長に対して、2・3発ほど食らわせ、そのまま踏みつけた。

 

この状況には他の客も騒ぎ出す。

 

女は亜樹子に、自分がしているダイヤの指輪を見せつけこういった。

 

「ダイヤの価値ってわかる?」

 

「えーと……値段?」

 

亜希子所長は恐る恐る言うが、女は

 

「美しく、そして傷つかない。この私みたいにね」

 

その言葉と共に亜樹子所長から離れる。

 

「…私は美しい物が好き。皆ダイヤになって、この私を飾るといい」

 

階段の中盤にまで登ると、そこで店中の明かりが十数秒ほど消えた。

 

そして、一つのスポットライトだけがいち早く回復する。

 

しかし、その光が照らし出したのは…。

 

「「「「「「キャアアアアアア!!!!」」」」」」

 

女性達は騒ぎ出す。

 

照らされたのは、全身が宝石で構築されたドーパントなのだから。

 

「ドーパント!」

『ッ!』

 

ドーパントは右手からガスのようなものを放出し、女性達に浴びせた。

 

翔太朗さん達が回避している間に、ドーパントは店中の人間の殆どをダイヤモンドに変えていく。

 

だが、その光景を見て、俺達は驚きを隠せなかった。

 

「どういう事なんだ」

 

それは騒ぎの中で、天井からバットサングラスで見ていたからこそ、分かった事実。

 

あの女性がドーパントに変身したと思われた直前に、別の場所からドーパントが現れた。

 

同時に、あの女性はすぐにその場から離れた。

 

この事から分かるが、刃野さんに冤罪をかけたのは間違いなくあの女性である。

 

しかし、その女性もまたあのドーパントに操られている可能性がある。

 

俺はすぐに飛びだそうとしたが、稲妻が襲い掛かる。

 

「なっ」

 

見れば、そこには逆立った髪のような突起がある頭を持ち、背中には昆虫の上翅のようなものがある存在がいた。

 

天井から落ちる中で、俺はすぐにナスカメモリを取りだし、そのまま構える。

 

「変身!」

 

同時に俺は仮面ライダーナスカへと変身すると同時に、落ちてくるヒサメを受け止める。

 

「きゃっ!」

 

「重っ!」

 

「ちょっ影っどういう事!」

 

俺が思わず呟いてしまった一言が聞こえたのか、ヒサメは叫んでしまう。

 

「仕方ないだろ!

落ちてきたのを受け止めると、そうなるんだから!」

 

「だからって、女の子相手に、それはどうなの!」

 

「あぁ、お前ら!

こんな状況で喧嘩するな!!」

 

既にWに変身していた翔太郎さんからの言葉に俺達はすぐに喧嘩を止め、そのまま正面にいる敵を見る。

 

「あのドーパント、見た目からして」

 

『あぁ、ジュエルで間違いないだろう。

そして、あっちのドーパントはっ』

 

同時に、翔太郎さんと背中合わせにしながら、見つめる。

 

先程の姿すら一瞬でしか見えなかった。

 

おそらく、超加速をした状態でも追いつけるかどうか怪しい。

 

「まさか、世界で最も硬いダイヤと人間では追いつけない雷。

この二つのドーパントが一気に来るとは」

 

「まさか、噂の仮面ライダーがこの程度とはね。

それじゃね」

 

「待て、奴らを始末するのが契約のはずだ」

 

「こいつら程度だったら何時でも倒せるでしょ。

悪いけど、私はもう疲れたわ」

 

そうジュエル・ドーパントはそのまま立ち去っていった。

 

「これは、見逃されたと言うべきだな」

 

『あぁ、あのまま戦っていたら、おそらくは勝てないだろう。

奴らに勝つには、対策が必要だ』

 

それと共に、翔太郎さん達も変身を解除する。

 

「そう言えば、翔太郎さん。

上から見て、少し気になる事が」

 

「気になる事?」

 

「あのドーパント、変身する直前に女性と入れ替わっていました。

おそらく、ドーパントと女性は同一人物じゃないと思います」

 

「なんだって?」

 

「それだと、わざわざドーパントのふりをしているという事?

なんで、そんな必要が?」

 

メモリがあるならば、それを自分で使えば良い。

 

なのに、わざわざそんな面倒な真似をするという事は何か訳がある。

 

「これが思った以上に探りが必要だな」

 

翔太郎さんの一言に同意するように、俺もまた呟く。

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