AtoZ-01
その日、俺達は学校も休みであり、翔太郎さん達から休みを貰ったという事もあって、風都名物のバイキングへと向かった。
ここでは休日になると多くの市民が集まっているが、俺達がここに来た理由としては。
「あぁ、どれも美味しかった」
「お前って、本当によく食べるよな」
そう俺は思わず言ってしまう。
既にヒサメによって大量の料理を食べており、周りからは大食いタレントと間違われているかもしれない。
実際にその手のスカウトがあったらしいのは、ここだけの話だ。
「それにしても、なんだか、凄い雨だよね」
「本当、酷い雨だよ」
せっかくの休みという事で、ヒサメは残念そうに呟く。
まぁ、元々家で遊ぶ事が多い俺からしたら、どちらでも良かったのだが、傘を持ってきていないので、少し不便なのは不便だ。
そう思っていた時だった。
「あれ?」
「どうしたんだ?」
「影、あれっ」
何か気になった様子で、ヒサメは空に指を向ける。
そこに何があるのかと気になって、思わず目を向ける。
雨で、視界はよく分からない。
「何もないよなぁ?」
ヒサメが指を向けた場所には何もない。
ないはずなのに、なぜか俺も視線を外せなかった。
同時に、その箇所に大きな爆発が起きる。
「なっ」
音は聞こえない。
それ程までに遠いし、他の市民も気づかない。
だが、確かに起きたその爆発と共に、何かがこちらに降り注ぐ。
それも真っ直ぐと俺達に向けて。
「ヒサメ!」
「うっうん!」
俺達はすぐにその場から離れる。
同時に先程まで俺達二人がいた場所には何かが突き刺さった。
「一体何が起きているんだ」
「なんだこれは?」
さすがに地面を突き刺す程の何かに気になったのは一人の青年が近づく。
すると、青年の近くに落ちていたそれは、そのまま真っ直ぐと青年の身体に突き刺す。
「なっなんだっこれっああぁ」
「なっ」
その何かの正体は俺達にとっては見慣れた物、ガイアメモリだった。
だが、それはあまりにも見慣れすぎた物だった。
「本当に、どうなっているんだ」
俺の目の前に立っている存在。
それは、本来だったらいないはずのナスカ・ドーパントだった。
ナスカメモリ自体は俺の手元にある以上、その生成を行うのは、組織は難しいはずだ。
何よりも、先程まで道案内してくれた人は確実に一般人であり、その人物がなぜドーパントに変身したのか、未だに分からない。
「それでも、これ以上、被害を出す訳にはいかない」『ナスカ』
俺はそのままロストドライバーを腰に巻くと共に、ナスカメモリを起動させ、そのままスロットにセットする。
「変身!」『ナスカ』
音声が鳴り響くと共に、俺の身体は風が舞い上がると共に、その姿を仮面ライダーナスカへと変身する。
「ガアァァァ!!」
それと共に理性のない叫びと共に、目の前にいるナスカ・ドーパントはその手に持ったナスカブレードを真っ直ぐとこちらに向かって、振り下ろす。
それに対して、俺もまたその手に持ったナスカブレードで受け止める。
「なっこいつ!」
こちらに対しての真っ直ぐな一撃。
それを受け止めた俺がまず感じたのは、圧倒的な力。
俺と同じナスカメモリを使っているはずなのに、その性能は明らかに向こうのナスカ・ドーパントの方が上だ。
「だけど、性能だけだ!」
その言葉と共に、俺はナスカブレードを僅かに動かして相手の攻撃を流すと共に、一気に懐に入り込む。
そして、そのまま拳を叩き込もうとする。
「なっ!?」
次の瞬間、俺の身体は吹き飛ばされる。
後ろに吹き飛ばされながら、そのまま前を見る。
そこに立っていたのは、ウェザー・ドーパントだった。
目の前にいるナスカ・ドーパントだけではなく、まさか倒したはずのウェザー・ドーパントまで蘇るとは。
「くそ! 一体どうして……」
そう言いながらも、俺はウェザー・ドーパントとナスカ・ドーパントの2体を見る。
どちらも理性もなく、獣だと思わせるドーパントだ。
「だけど、負ける訳にはいかないよな」
そう、俺は自分を震い立てさせるように笑みを浮かべながら、その手にナスカブレードを構える。
『影、確かに彼らの力は仮面ライダーナスカ以上だ。
しかし、向こうは知性のない獣。
これまで幾度もドーパントと戦い、打ち破った経験のある君ならば勝てるさ』
「あぁ、行くぜ!」
同時に俺はそのまま走り出す。
それに合わせるかのようにウェザー・ドーパントも動き出し、ナスカ・ドーパントもまたこちらに向かって駆け出した。
2対1という不利な状況だが、それでも俺は戦うしかない。
「うぉりゃああ!!」
ウェザー・ドーパントの動きに合わせて、俺は蹴りを放つ。
それと同時にウェザー・ドーパントもまたこちらに向かって電撃を放つ。
しかし、俺はその攻撃を近くにいるナスカ・ドーパントに向けて、首にあるマフラーで拘束する。
同時にナスカ・ドーパントをこちらに引き寄せる勢いで電撃を避け、そのままナスカ・ドーパントを蹴り上げる。
「ガアァァァ!!」
その蹴りを受けてナスカ・ドーパントは大きく吹き飛ぶ。
しかし、その間にウェザー・ドーパントは俺の方に接近していた。
「よっと」
俺はその攻撃をそのまま飛び上がると同時に、ロストドライバーにあるナスカメモリを取りだし、ナスカブレードにセットする。
『ナスカ! MAXIMUMDRIVE!』
鳴り響く音声と共に、真っ直ぐとウェザー・ドーパントに向けて、ナスカブレードを振り下ろす。
その一撃を受けたウェザー・ドーパントはそのまま真っ二つに斬られ、そのまま爆散する。
それと共に、俺はナスカブレードを取りだし、腰にあるマキシマムスロットに挿入する。
『ナスカ! MAXIMUMDRIVE!』
それと共に、俺の脚にナスカのエネルギーを纏うと共に、そのライダーキックを真っ直ぐと、残りのナスカ・ドーパントに向かって放つ。
それに対して、ナスカ・ドーパントは再び立ち上がり、腕を前に出してガードしようとするが、俺の攻撃はその防御ごと貫き、そのままナスカ・ドーパントを吹き飛ばす。
それにより、再び地面に倒れたナスカ・ドーパントを見ながら、俺は変身を解く。
「ふぅ……なんとかなったか」
正直言って、かなり危なかったと思う。
「さて、メモリはって」
見てみると、そこにあったナスカメモリは破壊されていなかった。
しかも、ウェザー・ドーパントが使っていたと思われるウェザーメモリがあった。
しかし、そのメモリは俺達が使うメモリと似た形状だった。
「一体、この街で何が起きているんだ」
「それで、目的のメモリは手に入れたのか」
「あぁ、この通りな」
それと共に仮面ライダーエターナルが手に持っていたのは一本のメモリだった。
『P』という文字が刻まれたそのメモリは、他のメモリとは違う異質な気配を感じた。
「さぁ、地獄の始まりだ」
そのメモリを、エターナルは迷いなく、マキシマムスロットに挿入し、発動させる。
『Parallel!MAXIMUMDRIVE!』
その音声が何を意味するのか。
今の彼らはまだ知らない。