仮面ライダーナスカ   作:ボルメテウスさん

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AtoZ-09

エターナルを率いるNEVERとの激戦の夜。

 

俺達は、空に浮かび上がる花火を、鳴海探偵事務所のメンバーと一緒に見ていた。

 

亜樹子所長とヒサメは何時の間にか着物を身に纏っており、夜空に浮かぶ花火を見ていた。

 

「なんというか、あんな戦いがあった夜とは思えない程だな」

 

NEVERとの戦いによって、風都の市民の死傷者は奇跡的にだが、いなかった。

 

風都タワーを制圧した時でも、NEVERのメンバーが警備を行っていた人達を殺さなかったのは、後の証言によれば、シディが止めてくれたおかげだと判明した。

 

「あの、シディという人。

本当はとっても良い人なんだと、私は思う」

 

「友情は確かに強い力を生む。

だけど、それは時として誤った道へと進ませる」

 

友達の為だったら、どんな困難にも立ち向かえる。

 

王道漫画などでよく見かける台詞だが、それは同時に友情の為だったら、どんな残酷な事もできる。

 

大道から見放される事を恐れたシディは、彼の為に自分の心情を無視し、NEVERとして最後まで戦った。

 

だが、その中でも、彼の良心が訴えたのか。

 

死傷者を出さないように尽力したのが、その証拠だ。

 

「影は、これからどうするの?」

 

「どうするって?」

 

「もう、来年には、私達、高校卒業するよ。

その時、影は、怪盗は」

 

「・・・どうなんだろうな」

 

俺は確かに怪盗として今も鳴海探偵事務所で働いている。

 

探偵の視点だけでは分からない事も、怪盗だからこそ救える手があると。

 

だからと言って、このまま続けても良いのか、分からない。

 

「とりあえず、就職先が困った時には、鳴海探偵事務所って考えているけどな。

ヒサメはどうなんだ?」

 

「私は」

 

そう言ったヒサメは空を見上げていた。

 

「・・・分からない。

けど、もしも鳴海探偵事務所に就職したとしても、これまで通りかどうかなんて」

 

「そうだな、当たり前だけど、友情がどんな風に変わるのかなんて、分からない。

けど、確かにここにある絆はあるんじゃないの」

 

こうして、賑やかな雰囲気は、今の俺にとっては、本当の家族のようだった。

 

「俺は、本当に、この風都で、鳴海探偵事務所に入れて良かったよ」

 

「そうだね。

私も、この雰囲気は好き。

けど、私は、影と、恋人として一緒にいたい」

 

そう、ヒサメは何かぽつりっと何か呟いた気がする。

 

しかし、花火が打ち上がった音と共に、それが聞こえなかった。

 

「なんか言ったか?」

 

「っなんでもない!!」

 

俺が尋ねると、ヒサメは急に顔を赤くした。

 

なんだ、あいつは?

 

「まったく、影、少しは乙女心を勉強しないとね」

 

「一体どういう意味なんだよ」

 

霧彦の奴が何やら言っているようだけど、未だに分からない。




これにて、AtoZ編は終了となりました。
年末年始企画に付き合って頂き、ありがとうございました。
そして、AtoZ編が終わりは、同時にW本編のラストまで一直線。
これからも、応援、お願いします。
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