エターナルによる風都タワーによる占拠した事件からそれ程、時間は経っていない。
未だに、その街に深い傷は残っているが、それでも、俺達の日常は続いていく。
それと同時に、既に分かっていた事だった。
ミュージアムと、組織との本格的な決戦が、既に目の前にある事が。
その依頼は何時ものように突然だった。
それは、博物館の学芸員と名乗る女性、轟響子さんからの依頼だった。
彼女の依頼は恩人である博物館の館長である園崎琉兵衛が発掘現場で無くした大切な物『イーヴィルテイル』と呼ばれている物を見つけて欲しいという依頼。
その依頼内容を聞いた俺達は一つのチャンスだと思えた。
これまで、実体を掴む事ができなかった組織を僅かでも知る事ができる。
依頼という形で悪いが、それは変わらなかった。
さっそく、その発掘現場へと向かった俺達は、すぐに探し始めた。
「それにしても、イーヴィルテイル?
悪魔の尻尾って言うけど、一体何だろう」
「さぁな、ガイアメモリなんていう物を作り出した組織のリーダーだからな。
本物の悪魔の尻尾と言われても、なんだか納得できるけどな」
「怖い事言わないでよ」
実際には、悪魔よりも恐ろしい人物だと思う。
しかし、それでも今、重要なのは、イーヴィルテイルを見つける事だ。
無くした物、つまりはお宝を探す事に関しては、怪盗として、数々の仕事を行ってきた俺達が得意だ。
その為、翔太郎さん達とは別行動を取りながら、俺達は探す。
そして、ついに見つけた。
「あった! これじゃないですか?」
「ああ、確かにこれはイーヴィルテイルだね」
発見した物は、古びた箱だ。
その特徴から考えても、おそらくは依頼品であるイーヴィルテイルに違いない。
だが、その時、俺は気付いた。
この場には、もう一人誰かがいる事に。
そう思い振り返ると、そこに立っていたのは。
「シャアアァァ!!」
「あいつはっ幹部!!」
そこに立っていたのは、スミロドン・ドーパント。
以前、照井さんと共に見た幹部の1人だ。
よく考えれば、敵のボスが探しているのを、幹部が探さない訳がない。
「どうする、影?」
「そんなの、勿論」
同時に俺はバタフライウォッチャーで一瞬だけ、奴の視界を奪う。
「逃げるに決まっているだろ!」
『ナスカズー!』『チーター!』
俺はその言葉と共に、瞬時にナスカズーへと変身する。
この状況で幹部と戦っても良いが、何よりもイーヴィルテイルの謎を解くのが最優先だ。
何よりも、この状況で幹部が出てきた以上、これがそれ程大事な物なのはすぐに分かる。
ならば、俺達の今、やるべき事は、これを命懸けで持ち帰る事。
気絶したヒサメを抱き抱えた俺は、そのまますぐに走り出した。
その背後にいた巨大な影に気づかないまま。