イーヴィルテイルを無事に持ち帰る事ができた俺達。
「ガイアインパクト・・・か。組織の最終計画に違いない。そしてそれには、その小箱が必要」
それと共に俺達は、敵の最終的な計画を知る事ができた。
これまで、後手に回っていたが、ついにこちらから攻める事ができる。
「開けてみよう。
鍵だったら」
そう、俺は懐か鍵を開ける為の道具を取り出そうとした。
「ダメ!乱暴に扱わないで!大事な資料だったらどうするの!?」
などと言い、その箱を自分の元に抱き寄せる。
「・・・・・・響子さん。園咲琉兵衛は、この街に悪のメモリをばら撒く張本人です」
「あぁ、そうだ。そのためなら家族さえ切り捨てる悪魔なんだ!」
そう、感情のまま言う翔太朗さんだが、その言葉がフィリップに向けていた事に気付く。
「すまん・・・つい・・・」
「いいんだ翔太朗。僕も、その事実を受け入れるべきだった。さっき、ちゃんと本を読んでいれば・・・」
「フィリップ・・・?」
「僕は読めるようになっていたんだ、自分の本を。でも、読めなかった。何故か、怖くて・・・」
その言葉に俺達は何も言えなかった、
記憶喪失だったフィリップさんにとって、その記憶はこれまで何よりも欲していた記憶だ。
しかし、今、様々な恐怖が目の前にある中で、それはフィリップさんから見ても、まさにパンドラの箱に等しい。
「無理もねえ・それだけお前には重い一冊なんだ」
翔太朗がそう言い、慰める。
その言葉に、その場にいた全員は同意するように頷く。
だが、既にその姿はなかった。
「もう、いない!!」
「くそっ、すぐに追うぞ」
そう言い翔太郎さん達はすぐに走り出した。
「これまでの行動を考えても、あの人はたぶんっ!」
同時に俺は彼女のこれまでの行動を思い出すと共に、おそらく向かっただろう場所へと走る。
そこは風都博物館。
響子さんの勤務先であり、ミュージアムの首領・園咲琉兵衛が持つ拠点の一つである。
響子さんは、琉兵衛に対して疑問をぶつける場面だった。
「館長、お聴きしたいことがあります。・・・貴方は――」
「見たまえ轟君。この地球で絶滅した生物は数知れない」
琉兵衛は無理やり話をズラし始めた。
いや、いきなり本題にはいってるのやもしれない。
「人類もこのままいけばその例外ではないだろう。だが、人類が未来永劫地球の種となる夢がとうとう叶う。地球と一つになるのだ!ハハハハハハハハ!」
そう、彼は自分の言葉だけ言い終えると共に、そのままゆっくりと響子さんの方へ向く。
「・・・・・・・・・」
「その箱は、その為に必要なんだ。さぁ、渡しなさい」
「渡しちゃダメだ響子さん!」
そこへ翔太朗さん達が乱入する。
「やぁここで会うのは二度目だね、左翔太朗君。そっちの君達は文音――否、シュラウドの操り人形君達か」
「黙れ!そう簡単にはお前の思い通りにはさせんぞ!」
「そうだ。この街の涙は俺たちが拭う」
その言葉と共に、構える。
だが、翔太郎さんの様子が僅かに変化した。
「翔太郎さん?」
「わ、わからない・・・急に心が、凍えるような」
そう、その場で怯えている様子だった。
「左君は私がミュージアムの頭目と知って尚その核心に触れようとしなかった。違うかね?」
「・・・・・・・・・」
翔太朗さんに返す言葉は無い。
「君の体は、私への恐怖で無意識に、我が屋敷との接触をさけていたのだ」
「恐怖?
まさかっ」
「そう、テラーだ。
さすがは弾空寺君の孫だね。
君には、私も注目していたんだけどね」
「なに?」
そう、俺に目を向ける。
「ズーメモリ。
あれは元々、君に渡す予定のメモリだった。
数々の事件を通して、絶望と恐怖。
それらが合わさった事によって、君はこの組織の新たな幹部になる予定だった」
「俺がだと?」
それはさすがに予想はできなかった。
「だが、その中で予想外だったのは、ナスカメモリへの適合率の高さだ。
ナスカメモリには、ナスカの地上絵を始めとした様々な動物の絵が刻み込まれていた。
ズーメモリと似た点がそれだったのか、君はおそらくはこれまでにない適合者だったんだろう。
だから、シュラウドはそれに目をつけた」
「つまり、俺の行動は始めからあんたの手の平の上という事か」
「そうだね。
正直に言えば、最初の一ヶ月は。
シュラウドは復讐の目を向けていたからね。
だからこそ、君の相棒は想定外だった」
「ヒサメ」
俺は思わず、その名前を呟く。
「彼女との出会いは偶然だった。
しかし、その偶然が君の心を人間に戻し、そして彼らへと近づけた。
データを取るという意味で、それ以上はできなかったのは残念だがね」
「これまで、俺の前に突然現れた奴らは全部」
「君が、どこまでメモリを最大限発揮できるのかを見る為だ。
だが、ガイアインパクトが行われる以上、もう既に必要はない。
ミック」
『キシャーーー!!』
「ヒャッ!」
スミロドン・ドーパントは響子さんを追いかけ始めた。
「いかん!」
『アクセル』
同時に照井さんはそのまま彼女を助ける為に向かう。
「翔太郎さんはっ、照井さんの元にっ」
「影っお前はっ」
「俺はここで時間稼ぎしますっ」
ヒサメを読んで、ナスカズーで対抗するべきかもしれないが、それは無理かもしれない。
テラーがどこまで凶悪な能力か分からない以上はできない。
「最後に君の性能を少し見させて貰うか」『テラー』
「っ」『ナスカ』
俺はすぐにナスカメモリを取りだし、そのまま変身する。
それと共に、俺は真っ直ぐとテラー・ドーパントへと変身した園咲琉兵衛に近づく。
『影っ、その泥に触れてはいけない!
直接、ダメージが来る!』
「分かったっ」
俺はすぐにマフラーを翼のようにすると共に、真っ直ぐと飛び、ナスカブレードを振り上げる。
それに対して、軽く受け止める。
「残留思念というべきか。
なるほど、精神体だが、また君に会えるとは思わなかったよ、霧彦君」
『義父さん。
私は、この街、風都を守る為に、あなたに立ち向かう!!』
「それは結構だ。
だが、それはできない相談だ」
その言葉と共に、その泥は俺ではなく、なんと霧彦に向けて放たれた。
「なっ」
『がああぁぁぁぁ!!!』
「ガイアメモリは未だに不思議だ。
まさか、死者の魂をこうして納めるとは。
だが、それ故に、私の攻撃は君にとっては天敵のようだ」
そう、まるで軽く握り絞めるように、霧彦を握り潰した。
「霧彦っなっ!!」
同時に、俺の変身は解除された。
何が起きたか、分からない間に、俺はそのまま吹き飛ばされる。
「何がっ」
『どうやら、霧彦君は既にメモリの一部となっていた。
その為、彼を殺せば、必然的にメモリの機能は失われる。
つまりは、君はもう仮面ライダーに変身できない』
「それでは、私はもう行かなければならないのでね。
失礼するよ」
その言葉と共にテラー・ドーパントは、その場で姿を消した。
「霧彦っ霧彦!!!」
そう、俺は、これまで多くの戦いを乗り越えてきた相棒の名前を叫ぶ。