仮面ライダーナスカ   作:ボルメテウスさん

65 / 73
第65話

イーヴィルテイルを無事に持ち帰る事ができた俺達。

 

「ガイアインパクト・・・か。組織の最終計画に違いない。そしてそれには、その小箱が必要」

 

それと共に俺達は、敵の最終的な計画を知る事ができた。

 

これまで、後手に回っていたが、ついにこちらから攻める事ができる。

 

「開けてみよう。

鍵だったら」

 

そう、俺は懐か鍵を開ける為の道具を取り出そうとした。

 

「ダメ!乱暴に扱わないで!大事な資料だったらどうするの!?」

 

などと言い、その箱を自分の元に抱き寄せる。

 

「・・・・・・響子さん。園咲琉兵衛は、この街に悪のメモリをばら撒く張本人です」

 

「あぁ、そうだ。そのためなら家族さえ切り捨てる悪魔なんだ!」

 

そう、感情のまま言う翔太朗さんだが、その言葉がフィリップに向けていた事に気付く。

 

「すまん・・・つい・・・」

 

「いいんだ翔太朗。僕も、その事実を受け入れるべきだった。さっき、ちゃんと本を読んでいれば・・・」

 

「フィリップ・・・?」

 

「僕は読めるようになっていたんだ、自分の本を。でも、読めなかった。何故か、怖くて・・・」

 

その言葉に俺達は何も言えなかった、

 

記憶喪失だったフィリップさんにとって、その記憶はこれまで何よりも欲していた記憶だ。

 

しかし、今、様々な恐怖が目の前にある中で、それはフィリップさんから見ても、まさにパンドラの箱に等しい。

 

「無理もねえ・それだけお前には重い一冊なんだ」

 

翔太朗がそう言い、慰める。

 

その言葉に、その場にいた全員は同意するように頷く。

 

だが、既にその姿はなかった。

 

「もう、いない!!」

 

「くそっ、すぐに追うぞ」

 

そう言い翔太郎さん達はすぐに走り出した。

 

「これまでの行動を考えても、あの人はたぶんっ!」

 

同時に俺は彼女のこれまでの行動を思い出すと共に、おそらく向かっただろう場所へと走る。

 

そこは風都博物館。

 

響子さんの勤務先であり、ミュージアムの首領・園咲琉兵衛が持つ拠点の一つである。

 

響子さんは、琉兵衛に対して疑問をぶつける場面だった。

 

「館長、お聴きしたいことがあります。・・・貴方は――」

 

「見たまえ轟君。この地球で絶滅した生物は数知れない」

 

琉兵衛は無理やり話をズラし始めた。

 

いや、いきなり本題にはいってるのやもしれない。

 

「人類もこのままいけばその例外ではないだろう。だが、人類が未来永劫地球の種となる夢がとうとう叶う。地球と一つになるのだ!ハハハハハハハハ!」

 

そう、彼は自分の言葉だけ言い終えると共に、そのままゆっくりと響子さんの方へ向く。

 

「・・・・・・・・・」

 

「その箱は、その為に必要なんだ。さぁ、渡しなさい」

 

「渡しちゃダメだ響子さん!」

 

そこへ翔太朗さん達が乱入する。

 

「やぁここで会うのは二度目だね、左翔太朗君。そっちの君達は文音――否、シュラウドの操り人形君達か」

 

「黙れ!そう簡単にはお前の思い通りにはさせんぞ!」

 

「そうだ。この街の涙は俺たちが拭う」

 

その言葉と共に、構える。

 

だが、翔太郎さんの様子が僅かに変化した。

 

「翔太郎さん?」

 

「わ、わからない・・・急に心が、凍えるような」

 

そう、その場で怯えている様子だった。

 

「左君は私がミュージアムの頭目と知って尚その核心に触れようとしなかった。違うかね?」

 

「・・・・・・・・・」

 

翔太朗さんに返す言葉は無い。

 

「君の体は、私への恐怖で無意識に、我が屋敷との接触をさけていたのだ」

 

「恐怖?

まさかっ」

 

「そう、テラーだ。

さすがは弾空寺君の孫だね。

君には、私も注目していたんだけどね」

 

「なに?」

 

そう、俺に目を向ける。

 

「ズーメモリ。

あれは元々、君に渡す予定のメモリだった。

数々の事件を通して、絶望と恐怖。

それらが合わさった事によって、君はこの組織の新たな幹部になる予定だった」

 

「俺がだと?」

 

それはさすがに予想はできなかった。

 

「だが、その中で予想外だったのは、ナスカメモリへの適合率の高さだ。

ナスカメモリには、ナスカの地上絵を始めとした様々な動物の絵が刻み込まれていた。

ズーメモリと似た点がそれだったのか、君はおそらくはこれまでにない適合者だったんだろう。

だから、シュラウドはそれに目をつけた」

 

「つまり、俺の行動は始めからあんたの手の平の上という事か」

 

「そうだね。

正直に言えば、最初の一ヶ月は。

シュラウドは復讐の目を向けていたからね。

だからこそ、君の相棒は想定外だった」

 

「ヒサメ」

 

俺は思わず、その名前を呟く。

 

「彼女との出会いは偶然だった。

しかし、その偶然が君の心を人間に戻し、そして彼らへと近づけた。

データを取るという意味で、それ以上はできなかったのは残念だがね」

 

「これまで、俺の前に突然現れた奴らは全部」

 

「君が、どこまでメモリを最大限発揮できるのかを見る為だ。

だが、ガイアインパクトが行われる以上、もう既に必要はない。

ミック」

 

『キシャーーー!!』

 

「ヒャッ!」

 

スミロドン・ドーパントは響子さんを追いかけ始めた。

 

「いかん!」

 

『アクセル』

 

同時に照井さんはそのまま彼女を助ける為に向かう。

 

「翔太郎さんはっ、照井さんの元にっ」

 

「影っお前はっ」

 

「俺はここで時間稼ぎしますっ」

 

ヒサメを読んで、ナスカズーで対抗するべきかもしれないが、それは無理かもしれない。

 

テラーがどこまで凶悪な能力か分からない以上はできない。

 

「最後に君の性能を少し見させて貰うか」『テラー』

 

「っ」『ナスカ』

 

俺はすぐにナスカメモリを取りだし、そのまま変身する。

 

それと共に、俺は真っ直ぐとテラー・ドーパントへと変身した園咲琉兵衛に近づく。

 

『影っ、その泥に触れてはいけない!

直接、ダメージが来る!』

 

「分かったっ」

 

俺はすぐにマフラーを翼のようにすると共に、真っ直ぐと飛び、ナスカブレードを振り上げる。

 

それに対して、軽く受け止める。

 

「残留思念というべきか。

なるほど、精神体だが、また君に会えるとは思わなかったよ、霧彦君」

 

『義父さん。

私は、この街、風都を守る為に、あなたに立ち向かう!!』

 

「それは結構だ。

だが、それはできない相談だ」

 

その言葉と共に、その泥は俺ではなく、なんと霧彦に向けて放たれた。

 

「なっ」

 

『がああぁぁぁぁ!!!』

 

「ガイアメモリは未だに不思議だ。

まさか、死者の魂をこうして納めるとは。

だが、それ故に、私の攻撃は君にとっては天敵のようだ」

 

そう、まるで軽く握り絞めるように、霧彦を握り潰した。

 

「霧彦っなっ!!」

 

同時に、俺の変身は解除された。

 

何が起きたか、分からない間に、俺はそのまま吹き飛ばされる。

 

「何がっ」

 

『どうやら、霧彦君は既にメモリの一部となっていた。

その為、彼を殺せば、必然的にメモリの機能は失われる。

つまりは、君はもう仮面ライダーに変身できない』

 

「それでは、私はもう行かなければならないのでね。

失礼するよ」

 

その言葉と共にテラー・ドーパントは、その場で姿を消した。

 

「霧彦っ霧彦!!!」

 

そう、俺は、これまで多くの戦いを乗り越えてきた相棒の名前を叫ぶ。

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。