仮面ライダーナスカ   作:ボルメテウスさん

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第68話

組織との戦いは確かに終わった。

 

だが、それは俺の相棒であるヒサメの行方不明になってしまった。

 

一つの戦いに決着がついたと思った瞬間の事件。

 

それには予想外な事もあり、俺はすぐに彼女を探し始めた。

 

だが

 

「ヒサメの奴、手掛かり一つすらない」

 

その言葉と共に、俺はヒサメが住んでいたと思われる家に訪れる。

 

それは、あまりにも生活感はなく、本当に住んでいたのか疑問に思う程に簡素だった。

 

あるのはシンプルな机にベット。

 

それ以外は、俺達鳴海探偵事務所の面々と過ごした想い出がある程度だった。

 

『・・・ヒサメちゃんの事、以前から余り知らなかった。

無意識に信頼していたのか分からない。

それでも、これを見たら、彼女は一体』

 

「分からない。

けど、あいつは俺の大切な仲間なんだ」

 

「仲間ですか。

まさか、あの実験体をそんな事を言うとはね」

 

聞こえた声。

 

振り向くと、そこに立っていたのは白いスーツを身に纏っていた女性だった。

 

「お前は」

 

「初めましてだったな。

私は一応はあの実験体、あぁ君の言う所のヒサメの親代わりのような存在であるネオン・ウルスランドだ」

 

そう、自己紹介してくるが、まるで生きた人の気配がしない。

 

目の前にいる奴は、本当に人間なのか、疑いたくなる。

 

『影っ、目の前にいる人物に警戒しろ。

あいつは財団Xからの使者だ』

 

「財団X?」

 

「その事も知っていましたか。

いえ、それも報告にあったガイアメモリの亡霊からの情報でしょうか」

 

そう言いながら、こちらを見る。

 

『財団Xとは、ミュージアムに資金提供をしていた組織だ。

その組織も、私も知らず、ミュージアムよりも危険な組織だ』

 

「マジかよ」

 

大本であるミュージアムを倒したと思ったら、それ以上の組織があるなんて。

 

だけど、今、ヒサメの手掛かりがあるのは、目の前にいる奴だけだ。

 

「お前、ヒサメを実験体って言ってたよな。

どういう訳なんだ」

 

「彼女、ヒサメは我々が管理する超能力兵士、クオークスの実験サンプルとして回収した少女だ」

 

「クオークス?」

 

これまた聞いた事のない単語に俺は首を傾げる。

 

「彼女は、そのクオークスの中でも特殊な個体であり、氷結能力と電撃能力を持っている。

その事からも、財団は様々な能力があるこの風都での実践データを得る為に彼女をここに連れてきました」

 

「氷結に、電撃」

 

そう言えば、ヒサメがウェザーを使っていた時にはこの二つをよく使っていた。

 

もしかしたら、それに引かれたから、ウェザーの適合者だったのかもしれない。

 

「けど、なんで学生に」

 

「実験体のバイタルの安定の為。

だが、まさか仮面ライダーと接触するとは予想外でした。

同時に、貴方達を通して得たデータは今後の役に立つと判断し、そのまま貴方達と行動させるように許可しました」

 

「なるほどねぇ」

 

思えば、高校生だとしたら可笑しすぎる箇所は多々あった。

 

けどな。

 

「なんで、今頃になって」

 

「私の部下、加賀が新たな計画を立案し、その護衛として彼女を任命しました。

その為です」

 

「護衛って、なんでそんな事をあんたが教えるんだ」

 

「さぁ、私の中にあった僅かな良心がそうさせたんでしょう」

 

とても、そうは見えなかった。

 

けど、その情報は多分嘘じゃないだろう。

 

何よりも今は、ヒサメを取り戻す事が最優先だ。

 

「悪いが、ヒサメは取り戻す。

もう、あんた達の好きにはさせない」

 

「ご自由に。

既に彼女から得られるデータはありません。

ですが、果たして、あなたに彼女を取り戻せるか。

興味深く、見させて貰いますよ」

 

その言葉を最後に、俺はすぐにヒサメの部屋から飛び出す。

 

今、俺ができる事は分からない。

 

それでも、俺は彼女を助ける為に、向かうしかない。

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