互いに仮面ライダーへと変身した。
それと共に始まった戦いは、これまでにない激戦だった。
ナスカは、その手に持つナスカブレードを構える。
それは、まるで歴戦の剣客を思わせながら、何時でも素早く動けるように。
それと共に襲い掛かったのはズーからの攻撃だった。
その身体の一部をまるでカメレオンを思わせる顔の籠手を出す。
同時に、その籠手から繰り出されるのは、鞭だった。
真っ直ぐと、ナスカに向けて、襲い掛かる。
それに対して、ナスカはその攻撃をひらりと避ける。そして、そのまま、ズーに対して斬りかかる。
しかし、それをズーは避けて、また、鞭で攻撃してくる。
「なかなかやるな」
そう言いながらも、ナスカは、自分の持つナスカブレードを構え直して、また、ズーに向かって斬りかかった。
だが、ズーもまた、同じように回避し、今度は背中から翼を生やす。
まさしく鷹を思わせるような羽ばたきを見せ、空中に浮かび上がった。
それを見て、ナスカも空を飛ぶためにマフラーを伸ばす。
お互いに空中戦になった。
ズーはそのまま空中を縦横無尽に飛び回りながら、攻撃を仕掛けてくる。
対して、ナスカも負けじと、空を駆け抜け、時には、地面を走り抜ける。
そんな激しい攻防が続いた。
「はあぁぁ!!」
それと共にズーが次に腕を変化させたのはキリンのような籠手。
その狙いは真っ直ぐと、ナスカへと襲い掛かる。
鋭く撃たれるキリンの槍は、まるで弾丸のように早い一撃だった。
しかし、ナスカはそれを紙一重でかわす。
「ふっ……!」
そのまま、ズーに向かって、ナスカブレードを振り下ろす。
その攻撃に対して、ズーもまた、腕を変化させる。
それは亀の甲羅を模した盾。
ガキィィン!! 甲高い音が響く。
互いの武器がぶつかり合う音だ。
そのまま、ズーは真っ直ぐと蹴り上げる。
ナスカはそのまま地面へと落ちるように飛ばされた。
だが、ナスカはすぐに体勢を立て直す。
そして、すぐにマフラーを伸ばして、ズーを攻撃する。
「はあっ!」
しかし、その攻撃をズーは避ける。
すると、その隙を狙ってズーは再び飛び上がり、ナスカに攻撃しようとする。
それに対して、ナスカはマフラーを伸ばして、ズーを捕まえようとする。
だが、その攻撃に対して、ズーは体をひねり、尻尾を使って、ナスカの攻撃を避けた。
「くそっ!なんて動きをするんだ……」
ナスカはその行動に思わず舌打ちをした。
そして、ズーが再び攻撃しようとしてくるのに対して、今度はナスカが剣を振るう。
「ふんっ!!」
しかし、ズーもそれに反応して、籠手で防ぐ。
互いに一歩も引かない攻防戦が続く。
そんな中で、ズーは腕を再び変化させた。
それはカメレオンの舌を思わせる鞭。
それがしなりを上げて、ナスカを襲う。
「くっ……」
ナスカはそれを避けるものの、ズーは次々と鞭を放ってくる。
それを全て避けきるのは無理な話である。
だからといって、ズーをこのまま放置しておけば、いずれこちらが不利になるだろう。
そこでナスカは剣を構えて、ズーに向けて突撃した。
「はあぁぁぁ!!!」
ナスカはそう叫びながら、ズーに迫る。
それに対して、ズーもまた、ナスカに向かって走り出した。
「……」
両者が近づき、お互いの武器が届く距離になった瞬間、両者は同時に動いた。
「ふぅんっ!!」
まず最初に仕掛けたのはズーだった。
ズーは腕を変化させると、カメレオンの舌を思わせる鞭を放ったのだ。
その鞭による攻撃に対して、ナスカはそれを横に飛んで回避する。
しかし、それだけでは終わらなかった。
なんとその鞭は伸びてきたのだ。
しかもその長さは通常の数倍はある。
そのため、避けることができなかったナスカはそのまま攻撃を受けてしまう。
その結果として、ナスカは大きく吹き飛ばされてしまった。
「ぐうっ……!」
その衝撃によってナスカは倒れ込んでしまう。
そんな彼に対して、ズーはさらなる攻撃を仕掛けようとしてきた。
それに対して、ナスカはすぐに起き上がって、剣を構える。
「これで、終わらせる」
その言葉と共に、ロストドライバーに装填されているメモリをメモリスロットにセットする。
『ナスカ!MAXIMUMDRIVE!』
「そうだね、終わらせよう」
『ズー!MAXIMUMDRIVE!』
互いに全てを終わらせるように、構える。
そして同時に駆け出した。
ズーの拳が真っ直ぐと向かう。
そして、ナスカもまた、その手にある剣を構える。
ゆっくりと迫る中で。
ナスカは。
「ふっ」
笑った。
それは、どういう意味なのか、ズーは、ヒサメは分からなかった。
だが、その意味が分かった。
必殺の拳は、確かにナスカに届いた。
身体を貫き、腹部を貫通させた。
だが、それに対して、ヒサメはまるで傷はなかった。
困惑を余所に、ヒサメはようやく彼が何をしたのか分かる。
「影、何を」
「別に。
それに言っただろ、俺は殺し合いじゃない。
喧嘩だって、結構ガチだったけどな」
それは、影がヒサメを抱き締めていた。
その事に困惑を隠せなかった。
「なんでっ、私は、財団に怖がって、影を、皆を裏切ったのに」
「裏切った奴が、そんな顔をするかよ。
何よりも、お前、俺に殺されるつもりだっただろ」
「っ」
その影の一言に、ヒサメは驚きを隠せなかった。
「最初から、知っていたの」
「相棒だ。
それぐらい分かって当然だろ。
何よりも、お前を放っておける訳ないだろ」
そう言いながら、影はゆっくりと倒れる。
瀕死の状態だった。
このままでは、影は死んでしまう。
手先から、温もりが消えかけているのが分かる。
「やだよ、私っ、そんな」
「あぁ、気にするな。
これは、俺が勝手にやった事だ。
別に、お前が気にする必要はないよ」
「気にするに決まっているでしょ、馬鹿っ!」
「あぁ、かもな。
けどさ、ヒサメ」
そう影はゆっくりと抱き締める。
「俺は、お前と一緒に過ごせて、結構楽しかったぜ」
「影っ馬鹿っ馬鹿っ大馬鹿!」
抱き締めてくる力が弱まっていく。
死んでしまう。
それが分かっても、止められない。
自分が犯してしまった罪に、ヒサメは涙が止まらない。
「じゃあな、相棒」
「影っ」
その言葉と共に、その日、影は死んだ。