仮面ライダーナスカ   作:ボルメテウスさん

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第72話

風都にある、よくある日常の事件は終わりを告げる。

 

ミュージアム壊滅後から1年後、数人の若者たちが「エナジー」と呼ばれるカリスマを中心に結成した新たなるガイアメモリ販売組織EXE。自称“ミュージアムを継ぐ者”。

 

聞こえはいいが、その実態は元々、当話の依頼者である青山晶の姉・青山唯が偶然発見したガイアメモリが裏ルートで高値で取引されていることを知り知人だった遠藤士郎を中心とする風都の不良達が今まで流通していたガイアメモリをかき集めて金儲けする事に目覚めて結成したというただの悪質なストリートギャング集団である。

 

その存在は、今では珍しくなく、ミュージアムが崩壊し、既に製造されていたガイアメモリが流出した後の風都では散発的に発生しており、新たな問題となっている。

 

「本当に、どうしてこんなに多いんだろう」

 

そう、ヒサメは呟きながら、言う。

 

影が命懸けで戦った。

 

そんな影に救われた命。

 

せめて、影が守りたかった風都を守る。

 

それだけが、今のヒサメを、生きる屍として動かしていた。

 

虚ろな目と共に活動していく中で、翔太郎達の姿を見る。

 

青山姉弟は、翔太郎達の活躍によって、笑顔を取り戻せた。

 

彼らがいれば、自分はいらない。

 

それでも、動かなければならない。

 

そう考えている時だった。

 

翔太郎達の前に来た人物。

 

その人物が取り出したのは。

 

「あれって、ガイアメモリっ」『エナジー』

 

その言葉と共に、その人物は、姿を変える。

 

メモリの音声から考えても、今回の依頼の目的であるEXEのボスだろう。

 

奴の左腕のレールガンが、真っ直ぐと翔太郎に狙おうとしていた。

 

「翔太郎さんっ!!」

 

すぐに向かおうとした。

 

だが、その攻撃は。

 

「ふんっ」

 

「がはっ、なっなんだっ!」

 

突然、現れた何者かによって、阻止された。

 

見ると、そこにいたのは、黒い怪盗衣装を身に纏っている。

 

見覚えのある衣装に、ヒサメは驚きを隠せない。

 

しかし、その衣装を身に纏っている人物を見間違う事はなかった。

 

容姿は、髪の毛の一部が赤く染まっている以外は、変わっていない。

 

「嘘、影、なんで」

 

それは、間違いなく、影だった。

 

その事に、ヒサメは驚きを隠せなかった。

 

「お前、影なのか」

 

「お久しぶりです、翔太郎さん、皆さん。

俺達、ただ今、戻ってきました」

 

「おれたち?」

 

「僕の事だよ、翔太郎」

 

そう言いながら、翔太郎の前に現れたのはエクストリームメモリ。

 

かつての最終決戦で、消えたはずのエクストリームメモリから出た声。

 

同時に、そこから現れた存在。

 

それは、まさしく影と同時に消えたはずの、フィリップさんだった。

 

「フィリップっ、なんでお前達が」

 

「1年前、僕は若菜姉さんに。

影は母さんによって、助けられたんだ」

 

「母さん、それって、シュラウドが?」

 

そう、疑問に思った翔太郎さんは尋ねる。

 

「あぁ、かつて父さんを倒す為の一つとして、母さんもまたNEVERの存在に着目していたんだ。

死者である事で、精神系の攻撃が効かない事でね。

そこで、母さんもまたとあるルートで手に入れた人体蘇生酵素を研究していた」

 

「そんな事が」

 

「本職の研究職ではない母さんだけど、鳴海荘吉が変身していた仮面ライダースカル。

その性質は、奇妙だが、NEVERと似ていた。

それに着目して、研究を進めた結果、NEVERが使用していた物よりも優れた物になった。

最も、その頃には既に戦いが終わりそうな頃だった為、使われずに済んだ」

 

「おやっさんが」

 

「あぁ、鳴海荘吉が、長年戦い続けた。

それが、影を助けてくれたんだ」

 

「だけど、俺がその薬に完全に馴染むまでには1年もかかりましたよ」

 

「下手にすれば、NEVERと同じ状態になるからね。

慎重に薬を調整を行いながら、今日、ようやく生き返る事ができたんだ」

 

「まぁ、そのせいで、NEVERのような身体能力もないですし、少し痛みを感じにくいだけでっと」

 

そう、影が言っている間に、私は、そのまま抱きつく。

 

「影っ私っ私っ」

 

「お前が謝る事じゃないよ。

それに、あれは俺が勝手にやった事だよ」

 

「それでもっ」

 

「あぁ、だったらよ。

ヒサメ」

 

そう、影は私に言う。

 

「これからも、俺と一緒にこの街を守ってくれ。

それが、その、俺からの願いだからよ」

 

「っうん」

 

そう、頷く私。

 

1年前に失った物。

 

それが、全て戻ってきた。

 

そんな気持ちで、私は思わず笑みを浮かべる。

 

「お前らっ!!」

 

「んっ?」

 

そう、話していると、私達は声がした方向を見る。

 

「俺を忘れるなぁ!!」

 

「おっと、忘れていた。

まったく、さっさと片付けないとな」『ジョーカー』

 

「そうだね、翔太郎。

影も、久し振りに一緒にやるかい?」『サイクロン』

 

「えぇ、お供って、メモリって、そう言えば、どこに」

 

「私がずっと持っていたんだから、はい、ベルトも」

 

「おっサンキュー」『ナスカ』

 

『まったく、君は相変わらずのようだね』

 

そう軽口を叩きながら、私は、その光景を見る。

 

「「「変身」」」

 

それと共に、この街に再び風が舞い上がる。

 

1年ぶりに現れたWとナスカ。

 

二人の仮面ライダーが、その姿が現れる。

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