「俺達に依頼の手伝いですか?」
その言葉と共に、その日、翔太郎さんからの呼び出しに応えて、探偵事務所に訪れていた。
怪盗として、仮面ライダーとして活動を行っていた。
そんな中での、翔太郎さんからの提案に、疑問を思い、首を傾げる。
「いや、俺、一応怪盗ですけど、探偵の手伝いって、何をすれば良いんですか?」
「それが、結構厄介な所があるんだよ」
「実はね、ストーカーをどうにかして欲しいっていう依頼なの」
そう言いながら、亜樹子さんから、依頼の事について聞いた。
依頼者は棗椰子祥子さん。
どうやら、その娘である棗椰子あやさんが最近ストーカーされているらしく、そのストーカーに関する被害があるらしい。
警察でも対処をしているらしいが、未だに解決できないらしい。
「そこで、俺達の所に依頼が来たんだけど、探偵側だけでは未だに謎が多いからな」
「そこで怪盗ですか。
まぁ、一応はプライベートな部分は守りますが、あまり期待しないくださいよ」
「あぁ、悪いな」
そう言いながら、俺は今回の依頼を受ける事になった。
しかし
「フィリップさん、結構興奮しすぎじゃないですか?」
「あぁ、それは、本当にすまん」
そう言いながら、フィリップさんの様子を見る。
そこには、俺が連れてきた相棒であるヒサメを観察するように見ていた。
「ふむ、こうして症状を確認しても、ガイアメモリを使用した形跡もない。
それなのに、確かにメモリ使用者と同じ状態がある。
これはゾクゾクするねぇ!!」
「ねっねぇ!!
カゲっ! この人、なんとかできないの!!」
そう叫びながら、こちらに助けを求めているヒサメ。
現在、フィリップさんは、ヒサメの謎を探る為に色々と行っている。
「……ヒサメ」
「なっなによ」
「ガンバ!」
「カゲェ!!」
俺はこれまでにない笑みを浮かべながら、そのまま向き直る。
「良いのかよ、お前の彼女だろ?」
「いや、彼女じゃないですよ」
そうしながら、翔太郎さんは心配そうに言うが、今はそれよりも依頼だ。
「あぁ、仕方ないわね。
とりあえず、私はフィリップ君がさすがに倫理的にやばくならないように見張っているから、翔太郎君と影君は依頼、よろしくね!」
「あぁ、分かった」
「了解しました」
その言葉と共に、俺達はすぐに依頼主の所へと向かった。
依頼主がいるマンションで、翔太郎さんは依頼主の部屋の中で。俺はそのままマンションの屋上で夜の闇に紛れながら、見張っていた。
周りの景色に関しても、暗視機能で見張っていた。
「にしても、まさか怪盗が、こんな事をするとはな。
まったく、未だに分からない事ばかりだな」
そう呟いている間にも、何か人影が見えた。
見ると、そこには怪しい影が見えたが
「あれは、もしかして?」
俺は気になり、翔太郎さんにすぐに連絡する。
「怪しい影が見えました。
もしかしたら、ストーカーの可能性があります」
「分かった、お前はそのまま見張っていてくれ」
「了解って!」
そう連絡している内に、奴が懐から取り出した。
すぐにズームして、見ると、それは見覚えがあるようで、よく分からない物だった。
やがて、奴はそのまま自身の腕にそれを刺すと共に、姿は大きく変わった。
頭に大きな電子レンジが目立つメカメカしいドーパントがいた。
「まさか、ドーパントかよ!」
『ナスカ』
その音声と共に、俺はすぐにロストドライバーに腰に巻くと共に、ナスカメモリを起動させる。
「変身!」
俺はそのまま仮面ライダーへと変身すると共に、壁を踏み台に、そのままドーパントへと向かって跳ぶ。
ドーパントはすぐに俺の事を気づいたようで、身体をそのまま防御に入る。
「なんだか巫山戯た見た目。
けど、厄介な奴かもな」
これまで戦ってきたドーパントの多くは動物系統や自然現象などを能力としてメモリに納めている。
理由は単純で、その方が動きやすいからだ。
生物という事で、人間でも動ける範囲で強化される事も、自然現象で変幻自在に形が変える事ができる。
その為、動きはとても行いやすい。
だが、機械となると、少し話は変わる。
機械は、その最も強い強みを活かせる反面、それ以外はあまり使う事ができない。
もしも、ドーパントとして機械で優秀な部類で言うと、翔太郎さん達の持つメモリの一つであるトリガーのような戦う事を前提にしたメモリが強いだろう。
「けど、こいつは、見た目からしても分かるな!」
『オーブンドーパント。
体内の熱を自在に操る事ができる。
そう考えても、厄介とは言えるが』
その言葉と共にオーブンドーパントの腕が徐々に赤くなっている。
それはオーブンドーパント自身の熱が腕に溜まっている証拠であり、そのまま俺に向かって殴ってくる。
すぐに避けると、後ろにあった壁を簡単に燃やした。
『影、接近戦は危険だ』
「分かっている」
それと共に、俺はロストドライバーを、再度メモリへと伸ばす。
『イグアナ』
その音声と共に、右肩にナスカのイグアナを模した小型ガトリング砲を装着する。
同時に襲い掛かってくるオーブンドーパントに対して、次々と銃弾を放っていく。
放たれた弾丸に対して、オーブンドーパントは、その鋼鉄の身体で受け止める。
そうしている間に、俺はロストドライバーに装填されているナスカメモリを取り出し、そのままナスカブレードに装填する。
『イグアナマキシマムドライブ』
鳴り響く音声と共に、ナスカブレードに小型ガトリング砲が合わさり、まるでミサイルランチャーを思わせる形へと変わる。
そのままミサイルランチャーはそのままオーブンドーパントへと向かおうとした。
だが
「えっなに!?」
そうしていると、俺が放ったミサイルは、正反対に襲い掛かる。
俺はすぐに避ける。
「何が起きたんだ?」
疑問に思っている間にも、オーブンドーパントは姿を消していた。
「……何が起きたんだ、今のは?」
ふと思いついた短編SSです。
コロシアムは終わった。
学級裁判は終わった。
フィクションの世界は終わった。
それなのに、この状況は一体何なんだ。
フィクションが終わった後のフィクションの世界というべきなのか。
そう思いながら、僕、最原終一は周りを見渡す。
『ダンガンロンパシリーズ』というフィクション作品が流行し、僕達は、コロシアイを現実の人間で再現する究極のリアルフィクションを製作していた。
そして、そのコロシアイを止める為に、僕達は、終わらせたはずだった。
「おめでとうございます!今日からあなたは仮面ライダーです!」
そう、どこからともなく現れた女性は、その手に持っている箱をこちらに見せた。
「まさか、チームダンガンロンパのっ」
「チームダンガンロンパ、あぁ、白銀様が望んだこの世界ですね」
「望んだ?
まさか、これもフィクションとでも言うの?」
「フィクション、そうですね。
以前の世界では、確かにフィクションでしたね、この世界は」
「以前だって?」
その言葉に僕達は驚きを隠せなかった。
「白銀様は前回のデザイアグランプリの優勝者。
そして、彼女が望んだのは、ダンガンロンパが続いた世界です。
よって、現在の状況は彼女が優勝した結果となっています」
「何を巫山戯た事を、それもフィクションなのか?」
「それを決めるのは、あなた方だけです。
どうしますか、参加しますか、デザイアグランプリに?」
そう、僕、春川さん、夢野さんを見渡す。
僕達の目的は一つだったはずだ。
あのふざけたゲームを終わらせる事だ。
だけど、 僕は目の前の女性を見る。
彼女が、ダンガンロンパを終わらせた事に対して、次の手段として選んだのが、これなのだろう。
それは、確かに正しいかもしれない。
「僕達は、もうコロシアイには参加しない」
「そうですか、それは残念です」
彼女は本当に残念そうな顔をして、それから言った。
僕達の物語は終わっていると。
だから、これはただの遊びだと。
しかし、彼女の顔は真剣そのもので、嘘をついているようにも見えなかった。
僕達が知らない間に、何かが起きていたのだ。
いや、今は
「もしかしたら、あなたの望みが叶うかもしれないのに」
「っ、どういう事っ!」
「春川さん!」
その一言に反応する春川さんを慌てて止める。
その表情は険しく、睨み付けるようだった。
「勝ち残った者は「デザ神」の称号と共に《理想の世界をかなえる権利》が得られる。
それが、このゲーム、デザイアグランプルのルールですから」
「デザイアグランプル」
「コロシアイじゃないのか?」
「ある意味、同じですね。
謎の敵・ジャマトの脅威から街の平和を守ることを目的としており、ジャマトから人々を守る。
そして、最後の1人になり、デザ神になれば、叶えられます」
「またっ殺し合いみたいじゃないのっ、そんなの、参加する訳ないでしょ!!」
その言葉と共に春川さんは女性へと詰め寄る。
「・・・それで、この世界を今度こそ終わらせるのか」
「最原、どういうつもり!!」
それと共に、春川さんが詰め寄る。
「これが、もしもチームダンガンロンパの罠だとしても、僕らはその先に行かなきゃいけないんだよ」
「だからって」
「それにさ、こんなチャンス二度と来ないだろうし」
そう言って、僕はその箱を見る。
どうやら、箱は一つだけだった。
箱を開くと、そこには狐を思わせるマークのIDと非情に簡素なアイテムだった。
「僕は、コロシアイゲームを無くす。
その為に、戦うよ」
「おめでとうございます!今日からあなたは仮面ライダーです」
その、女性の明るい声からは考えられない程に不気味な感触に、確かに覚えはあった。
僕達が、あのコロシアイ学園に参加した時によく似た状況に。
まるで心臓を掴むような感覚、しかし、それは一瞬の出来事であり、すぐに収まった。
そして、僕の手には一つのベルトが握られていた。
それが、本当に、ダンガンロンパを倒す為の物語。