これは、ラキュースが人を超えプレイヤーを越え神を超越する物語 作:namaZ
~王国サイド~
「こうなりましたか。流石私の大親友。どっちに転がっても良かったけどまさか本当に勝つなんてね」
リ・エスティーゼ王国王都リ・エスティーゼにて、優雅に紅茶を楽しむ第三王女『黄金』ラナー・ティエール・シャルドロン・ライル・ヴァイセルフ。
(アインズ・ウール・ゴウンはどう動くかしら?勢力をこれまで通り拡大して追い詰める?全軍を持ってリ・エスティーゼ王国へ攻めてくる?)
その必要はない。
今回の件で敵はラキュース。
他の事にかまけている余裕があるなら、どうやったらラキュースを殺せるか思考する連中だ。
舐められたらやり返す。
「あら、規模の大きい八本指みたい。ふふふっ♪」
少しは監視網が麻痺するはず、大事な大事なご主人様が自分たちで考え用意した作戦で大怪我なんて、失態どころの騒ぎではない。
「戦士長ガセフの証言によるアインズ・ウール・ゴウンと名乗る魔導士、カルネ村、エ・ランテル、悪魔、漆黒のモモン……まぁまぁ、わたくしわかっちゃいました。あの方々が今どこにいるのか」
ラナーは紅茶を飲み干し一息入れると、空のカップを静かにテーブルに置いた。
「おはようございます。私は第三王女ラナーと申します。あなたは?」
「……」
「その衣服は……忍者ですね。何か御用ですか?」
「……ナザリックまで来て頂く」
「ああ!あの御方たちのお使いですか。ふふふ……無理やりではないということは、命令は無理やりでは
「……ハンゾウ」
「ハンゾウさん!では契約通りクライムと一緒にと……いきたいのですが……」
「……?」
「ごめんなさい。これを機会にあなた方を最大限利用させていただきます」
ハンゾウと同じ忍者が四体がラナーを取り囲み殺気立つ。
「……その態度。蒼の薔薇リーダーを期待しているのなら無駄だ」
監視下に置かれ、レベル100でも一分はかかる距離。
転移系魔法を使ってもこちらが使うタイミングまで王城を転移禁止エリアにする使い捨てのアイテムまで使用している。
「うふふ、あはははははははははっは!!っっっだめぇ……可笑しくてお腹が痛くなっちゃうっ」
「……もういい連れていくぞ、シャルティア様」
「やっとでありんすか。ハンゾウ、アイテムの機能を切るでありんす。せーのでいくわよ」
「愚かですね」
「──────はあ?」
「アインズ様もシャルティア様もラキュースを何も理解していないのですね」
「そんなにぶち殺されたいか下等生物……アインズ様が丁寧にお連れしろとご命令されなければ手足を捥いで連れて行ったのに」
「怖いです。わたし……このままだと拷問されて洗脳されて洗い浚い吐いた後、餌にされてしまうのね」
満面に微笑みながらラナーは助けを呼んだ。
「なので助けてください。私の
「──────ご命令のままに、お姫様」
『──────ッツ!?』
六本の
魔剣『キリネイラム』とシャルティアのスポイトランスが衝突する。
「きぃさまああああああああああああああああああ!!!アインズ様の仇ィイイイイ!!!
「小便はすませたか? 神様にお祈りは?部屋のスミでガタガタ震えて命ごいをする心の準備はOK?」
一本の
「~~~~~ッツ!!死ねええええええええええええ!!!」
「プリンセスが退屈している。光り輝く夜空も素敵だが、同じ景色だと欠伸が出るものだ」
「何言ってるでありんす!?それよりどうやってここに来た!?」
「お姫様のピンチに──────光の速さで駆け付ける。それが
「はあ!?」
闇を纏いながら光と名乗り、光だけをフランス語で読む中二病力を誰も指摘する人がいない。
ウインクを決め、浄化の光(闇)がより強く輝く。
魔剣『キリネイラム』を纏う
「グァアアアアア!?焼ける!!神聖、聖、正、光……違う!!属性じゃない、この問答無用な消滅の力はなにィ!?」
「高貴さも信念も理念もなく、霧にもコウモリにも姿を変えられない。斬られたキズの回復すらできない。喰うためでもないのに女・子供を皆殺し。光に焼かれれば戦う事すらできない……貴様それでも吸血鬼のつもりか?恥を知れ──────
「アインズサマアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!??」
ルビ文字やら技名そのものにツッコミを入れる常識人はおらず。
星の光は王城まで広がり、王都リ・エスティーゼまでも優しく包み込む。
「──────
そして、謎のドイツ語を呟き。無駄に洗礼された無駄のない無駄な動きでラナーに近づく。
「もう大丈夫……ふっ、我にかかれば……」
「てい☆」 べし!
「いたい!」
「助かりましたラキュース。流石はわたしの大親友。見違えるほどに強くなってきましたね」
「/////ええ、日々修行してますもの。当たり前なことを当たり前にしただけだから、感謝は必要ないわよ」
「それでもですわ。ところで、王都まで包み込んだこの光は何かしら?」
「これはその……
「まあ凄い!ラキュースは
よく分からない単語はよく分からないまま、ラキュースを褒め称える。
いちいちツッコミを入れないのが、極まった中二病患者との接し方だ。
「狙ってか、偶然でもこの場所の安全が確保できたのは嬉しいわ。クライムや皆の安全が確保できたんですもの♪でも、体調は大丈夫?無理してない?」
「むしろ調子が良いの!強い敵と戦えば戦うほど、インスピレーションが刺激されてなんでもできそうなの!でも、ラナーもあいつらとしばらくいたんだから念のため体とか精神を診て貰わないと」
「ふふっラキュースったら、精神は
「そうだったわね。
「そう、だから心配しないで。あとの問題解決はわたしが考えるから、実行は任せましたよ」
「そうね。いつも通りでいきましょうか」
同等と認める友情がそこにはある。
信じているからこそ、ナザリックに王国を売り、ナザリックを裏切った。
~ナザリックサイド~
「どう言うことだ!!何故……ラキュースは王城にいる?」
監視していた。
確実に監視していたのだ。
ニグレドと共にアインズはラキュースとラナーを視ていた筈なのに、ラキュースを見失った。
「……アルベド。監視していたラキュースは幻想、または分身の可能性はなかったか?」
「あり得ません。幾重にも看破系の魔法をかけ、監視を開始して10時間もして消えない魔法、スキルは存在しません」
ならば、未知の魔法やスキル?装備しているアイテムはどれもナザリック基準ではたいしたことのない物ばかり。
「ンン!アインズ様。このパンドラに発言の許可を」
「許す。なにか気付いたことがあれば他のものも積極的に意見を出して欲しい」
「では僭越ながら、皆様少し難しく考えすぎです。ラキュースが消えた瞬間の周りの空気の動き、立っていた足元のクレーター、ラナー王女と直線で結んだ際の破損具合から──────ただ移動しているだけです」
「それこそあり得ないわ!!我々が……ましてや姉であるニグレドが見失うほどの速度で移動した事を認めろと!?」
「認めて下さい。そうしなければ、勝てる勝負にも負けてしまう……」
「
「はい。パンドラズ・アクターの発言通りかと。あの身体能力。特殊能力。その全てがユグドラシルではあり得なかったもの……そう、可能性としましては『武技』と『
ギルドシステムにより、復活を果たしたデミウルゴス。
ナザリックが誇る三つの頭脳が、シャルティアとの戦いで議論を開始する。
「そ~れならば!武技の可能性は低いと考えますが、皆様方はどうお考えで?」
「一概には賛成できないけど、武技の可能性が低いのは認めるわ。今のところすべての原住民は武技発動時に発動トリガーを唱えている。だけど、もしもの例外が存在しているかもしれない」
「ええそうですね。もしかしたら彼女の武技は特別で、唱える必要がないのかもしれない。もしかしたら武技と別のユグドラシルには存在しなかった技術かもしれない。そもそもが、技術やレベルを超越した身体能力だけで起こした移動方法かもしれない」
「……何処まで考えようとも推測の域を出ませんねぇ!ならばこそ、現時点の情報で一番の可能性である
「殺されたいのあなたは?敵を褒め、さらに魂で共鳴したですって?反逆の意思ありととらえるわよ?」
「そういうわけではないのですが……何と言いますか、この魂に訴えかけるような、そう!私の根本的根源が呼び掛けている!!この第六感こそが近道のような気がするのです!!」
「君の感覚的問題は興味深いが、今は現実的問題を見直すべきだ。
魔法力を探知する。
魔法適正。通常の倍の速度で魔法を習得可能。
ありとあらゆるマジックアイテムを使用可能。
便利であり、規格外とさえいえるものが存在するが。
浮かびやすく溺れにくい。
明日の天気予報を70%で当てる。
イネ科穀物の収穫時期を数日早める。
お湯の温度がわかる。
水面を5歩ほど歩ける。それ以上は沈む。
など、ユグドラシルでは糞ほど役に立たない異能まで存在する。
「
「デミウルゴスと戦っていた時、ラキュースは傷を負っていた。同じ蒼の薔薇イビルアイの発言を信用する情報とするなら……仮説②"level差が激しいほど、与えられたダメージを倍で返す異能"カウンター系と予想するわ。シャルティアの時は、まだカウンター状態が継続していたと解釈できないかしら?この場合、能力の持続時間が驚異的だけど、切れた後なら全力で滅ぼせば倒せる可能性が出てくるわ」
「希望的観測はよろしくないと警告いたします!これも予測に過ぎませんが、仮設③"イメージを実現する異能"がもっともしっくりきます」
「それこそあり得ないわ。そうなると何でもあり……至高の御方を超える『うんえい』なるもの達の領域……神の領域だわ。それなら仮説④"言葉にしたことを実現する異能"の方がまだ勝算はあるわ」
「アルベド、勝算云々で否定していては仮説は立てられないと思わないかい?仮説⑤"必ず敵を上回り、敵の苦手属性を与える異能"は?」
その後も話し合いは続くが、三つの頭脳をもってしても結論には至れない。
「誰でも楽々PK術 ……ぷにっと萌えさんはいつも言っていた。相手の情報をとにかく収集し、奇襲でもって勝負を付ける。これが『誰でも楽々PK術』によるギルドの基本戦術であると。そして、PvPにおいて重要なのは、虚偽の情報をどれだけ相手に上手くつかませるかであるとも。だが、あの強さに……その、じゃ、じゃっ……邪気眼が本当に発言通りなら厄介だ。虚偽の全てが看破される」
中二病のフレーズを恥ずかしがるアインズ。
「私は一人、自室で考えさせてくれ。デミウルゴス、アルベド、パンドラよ。被害と消耗は終わった後で考えろ。ナザリックの全てを使い作戦を考えてくれ。お前たちが頼りだ」
「「「お任せくださいアインズ様!!」」」
今は一人になりたかった。あの頭のいい三人組の会話に入るなんて無理だし、ダメージを負ったことによる精神的トラウマと、シャルティアが殺された怒りを鎮めたかった。
「では、頼んだぞ」
もしもアインズが、恥ずかしがらず中二病の詳しい現代的知識を三人に喋っていれば、三つの頭脳は候補となる
より、確信に迫っていただろう。
だが、アインズは喋らない。否、喋れない。
現実世界の事をNPCに詳しく話したくないし、それで失望されるのも嫌だ。
黒歴史を封印している限り──────中二病には勝てない。
皆様の感想がわたくしの力になります!!
中二病とはなにか?
ラキュースのタレントはなんなのか?
これを攻略しない限り、ラキュースは無敵です